近鉄のダイヤ改正、最後に南大阪線を見てみる。
まず、平日朝については吉野発5時11分の急行大阪阿部野橋行を急行古市行(古市から準急大阪阿部野橋行)に変更する。古市では長野線からの準急から連結するだけでなく、道明寺、土師ノ里、藤井寺、河内松原に停車するようになるので、大阪阿倍野橋着は6分繰下げとなる。
吉野発6時33分の急行大阪阿部野橋行も、急行古市行(古市から準急大阪阿部野橋行)に変更する。その代わりに河内長野発6時24分の準急は急行に格上げして、この先述の化け急行と接続させる。
吉野発6時17分の急行大阪阿部野橋行は、橿原神宮前始発に短縮変更、代わりに橿原神宮前発6時59分の普通尺土行を吉野発6時10分として延長変更させる。
橿原神宮前発5時46分の普通尺土行は、5時49分の準急大阪阿部野橋行に延長変更させる。代わりに近鉄御所発5時50分の準急大阪阿部野橋行から尺土止に変更して、この準急に接続させる。
次に、6時03分の準急大阪阿部野橋行は普通古市行に変更する。長野線からの富田林発6時42分の準急大阪阿部野橋行は先述の急行の格上げの影響で6時33分に繰り上げ、この古市止から接続させる。改正前の準急大阪阿部野橋行は古市で急行に抜かれていたが、改正後の古市乗り換え準急は、大阪阿部野橋まで急行から逃げ切るようになる。
また、近鉄御所発6時19分の普通古市行は、古市で河内長野からの準急に連結したうえで、準急大阪阿部野橋行に延長変更させる。
その結果6時台の古市発を見ると、準急は吉野発急行が化けたのを含んで5本キープだが、急行は3本だったのが18分発が準急格下げでなくなり2本となる。
データイムについては、吉野発着だった急行を橿原神宮前発着の区間急行に格下げと短縮変更、橿原神宮前~吉野間の普通列車を設定する。ただし、この普通列車は区間急行と一本化され、乗り換えなしのケースとなっている。急行は橿原神宮前から各駅停車に対し、区間急行は尺土から各駅停車となる。といっても、新たに停車するのは浮孔、坊城駅、橿原神宮西口の3駅だけだ。つまり、区間急行に格下げ、橿原神宮前で分断といっても、3駅追加停車になるだけで、大阪阿部野橋から吉野まで乗り換えなしで行けることには変わりない。橿原神宮前には2分繰り下げの到着。交換駅は変わるものの、吉野着は3~4分の繰り下げとなっている。
また、古市~橿原神宮前間の毎時2本の普通は運転を取りやめる。このことで、同区間の急行通過駅に停車するのは、毎時2本の準急だけになり、停車本数は半減する。急行は尺土で普通と接続してたが、それがなくなるので、急行を区間急行に格下げすることでフォローする形となる。大阪阿部野橋から急行通過駅に行くには、24、54の準急橿原神宮前行か、04、34の準急河内長野行から古市6分接続で普通橿原神宮前行に乗り換えとなっていたが、今回の改正では乗り継ぎのケースが減ることになる。
御所線においても、尺土~御所間で毎時4本から毎時2本に半減させる。廃止となるのは、尺土発12分、41分の大阪阿部野橋発準急から接続を受ける列車、残った26分発、56分発は、20分、50分に繰り上げ、大阪阿部野橋発区間急行からはすぐに接続させる。改正前は急行に追い抜かれる普通が1番線を塞いでいて、普通が出発してから御所行が入線したからな。
近鉄御所発も10分発、24分発、39分発、54分発となっていたのを、02分発、32分発のみに削減、尺土着は09分、39分となり、区間急行大阪阿部野橋には2~3分で別ホーム乗り換え、普通(区間急行)橿原神宮前行には10分ほどで接続させる。下り同様、尺土での急行の普通追い抜きがなくなったため、10分以上あった接続時間が数分に短縮、近鉄御所から大阪阿部野橋まで50分かかっていたのが40分に短縮する。
ちなみに和歌山線の御所発は毎時00分、天王寺着は48分だから、今回の時間短縮で大逆転したことになる。それ以前に運賃が近鉄640円に対し、JR770円だが、近鉄は運賃値上げで760円とJRと変わらなくなるので、値上げ前にお先手を取った形となる。御所線は、尺土では11分返し、近鉄御所では5分返しの1運用でピストン輸送することになる。
特急は、平日54本、土休日66本だったのが、2020年8月29日から土休日だけ57本に削減、2021年2月やGW前からは平日29本、土休日31本に約半減させる状況だった。今回の改正では平日が定期46本、臨時14本、土休日が定期43本、臨時11本となっている。平日定期は8本だけ減っているが、土休日は減便ダイヤ以下となり、定期で運転本数は2/3、臨時を含めても運転本数は9/11になっている。大阪阿部野橋発の特急の時刻を見ると、平日が16時10分発まで毎時1本だが12時10分発の設定はなし、以降23時10分まで30分間隔、土休日は平日に7時40分と12時10分を追加するが、最終は21時10分までとなっている。改正直前の平日29本、土休日31本と比較すると、青の交響曲しか運転されてなかった平日はだいぶ改善されたし、土休日も16時台から19時台までが毎時2本となり利用しやすくなった。それでも、データイムも毎時2本となっていたGW以前よりは本数が減っている。