ブラックスネークモーン ※当blog映画ネタは基本ネタバレです
何と優しい作品だろうか。
元ミュージシャンのラザレスを演じる サミュエル・L・ジャクソンの
唄が頗る良い。作品中に流れる音楽も最高だ。
クリスティーナ・リッチが可愛いのだ。
禁断症状に悩まされるレイを演じる彼女の、
反抗期の娘みたいなwキャラが好きだな。
本当に弱々しくて、常に不安な表情に見えるレイの彼氏の
ロニー役は、ジャスティン・ティンバーレイク。
彼のファンでは無いが、ロニーと言う彼氏のキャラは良い。
また、互いに障害を抱えるレイとロニー二人も良いな。
レイとラザレスの何とも奇妙な治療生活(と言うべきか)のお話。
見知らぬ娘がある日道端で倒れていた。彼女を連れて帰り
看病してやるラザラス。彼は意識の無いまま姿を消すレイを心配し
鎖で繋いでいた。気がついたレイにはもっと治療すべきことがあると
ラザラスは、彼女の治療を決意し、鎖を解かない。
いきなり拉致られたレイはぶち切れ、反抗しまくるのだが。さて。
(詳しいあらすじはGELU:GAにて)
いきなり見知らぬ娘を鎖で繋ぐラザレスに驚愕の展開だが、
ラザレスの与える愛情はレイにとって何より必要なものだったと思う。
だから、自分がいるから治ると言ったラザレスの言葉は
本当だと感じられて 余計彼の言葉の温もりを感じられる。
旅立つ前には、ぎゅっと抱擁し 私を離さないでと言うレイ。
この経験が彼女の心を救う事は間違いないと思う。
ロニーは、レイと居ることで支えられ、二人はどうしようもなかった
前の自分と違い、前を向いて歩き出そうとしている。
互いに抱えた障害は深刻かもしれないが
愛し合う二人には、その経験もまた幸せに変えていける、
と言うような 希望が見える。
何よりこの作品には優しさと希望があり、どんな困難な障害を
抱えようと 愛する人によって救われるものや、唄によって癒される心、
そう言ったものを 通じて前向きになるような温もりがある。
ありったけの勇気をかき集めろと言うラザレスの言葉は、
このような障害を抱えたレイにとって、どれほど心に染みただろうか
と思う。 一生かけて付き合わねばならない障害かも知れないが、
不幸ではない、と 感じさせられて、その辺りがとても温かく感じる。
反抗的なレイも、心を開いていくレイもどっちも可愛いし
ロニーと結婚して旅立っていくシーンも微笑ましい。
とっても素敵な作品だ。お気に入り。