田舎でホタル祭りを行ったという地元のローカル新聞記事の紹介がSNSで流れてきました。
わたしの実家(婿に入ったので間違った表現ではありません)は30軒ほどの集落で周りは畑と田んぼ(水田)です。
小さい頃の田んぼは昔ながらの不規則な形をしていて間に幅30~50cm程の小川が流れていました。
小川にはドジョウやメダカ、ミズスマシ、ヤゴ(トンボの幼虫)などの水生昆虫などが沢山いました。
湧き水の出ている少し日陰の湿地には食虫植物のモウセンゴケが自生していました。
この頃は今頃の季節から夜になると当たり前のようにホタルが飛んでいました。
家の網戸に止まっていたこともありました。
今から45年ほど前、田んぼの区画整理が行われ小川はコンクリート製の用水路になり湿地も破壊されてしまいました。
区画整理前から農薬が盛んに使われるようになっており、これらが原因でホタルは見られなくなってしまいました。
10年ほど前、帰省して同級会に参加した帰り道、田んぼに面している道を歩いていたらホタルが飛んでいるのが見えました。
昔の田んぼに近い環境になったのだと感激しました。
昭和50年前後の農薬の乱用が人間に対しても良くないと農家の人たちも考えるようになり農薬の使用量が徐々に減っていったことがホタルの復活につながったようです。
多くの人が無農薬栽培の穀物や野菜を選ぶようになったのも影響していますね。
隣町では「ホタルの里」として町を挙げてホタルが繫殖できるように取り組んでいるようです。
私の町でも有志が緑地公園の小川を整備してホタルの繁殖に努めているという話で、その一環としてホタル祭りを行ったのだそうです。
そういえば通っていた小学校の裏を流れていた幅50cm程の小さな小川にはホタルの幼虫が好んで食べる細長い巻貝のカワニナがたくさんいました。
もともとホタルが育ちやすい環境があったのです。
残念ながら今年はホタルを見る機会はなさそうです。
昔、東京の有名なホテルがイベントとして宿泊客に見せようと繁殖地から100匹以上のホタルを捕獲してきたということが問題になったのを記憶しています。
動物、昆虫、植物、いずれも適した環境でなければ繁殖できないものです。
例え欲しくなっても我慢して眺めるだけにしてもらいたいものです。
そうすれば皆が長く楽しめるはずです。