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『準富裕層がどれだけの暮らしができるのか』180105

2018-01-06 00:18:42 | 社会

 先日雑誌を見ていたら、資産5000万円以上(1億円未満)を準富裕層という区分けになっていた。

「ほ~っ」とわたしは複雑な気持ちになった。「5000万円以上で準富裕層かあ」

 

 資産というものはふつう、若いときから節約し貯蓄や投資などに励んで老後の暮らしのために築くものである。5000万円築くのはたいへんだからその苦労からすれば準富裕層という呼び名もありだろう。しかし老後の暮らしを考えれば、現実はそう喜べないはずである。

 30年以上も昔なら金利が高くて良かったろうけれど、今は金利がまあ0%である。リスク資産の株に投資しても、分散投資で配当はといえば、おそらく2%くらいなものであろう。はたしてこれで暮らしていけるだろうか。団塊ジュニア世代は非正規雇用者が多い。日本人はほとんどが中小企業で働く人たちである。厚生年金に入っていない人も多いと聞く。

 

 すなわち年金は国民年金で、高が知れている。今の平均は年4~50万円くらいだろうか。そこへ来て老後資産が5000万円で2%の配当を仮に全額使ったとして、100万円。もちろん税金が20.315%取られて、手取りは、79万6850円。

 つまり準富裕層の老後の暮らしは年間120万円くらいである。少なくともこう人たちがたくさんいることだけは確かである。年間120万円で暮らすのである。月10万円である!汗水たらして働いて貯蓄や投資に励み、いざ引退のときになって月10万円で暮らせといわれるのがこの国では準富裕層である。

 まあ1億円あったらようやく、今の経済・金融環境なら何とか暮らせるかなと。159万3700円プラス国民年金4~50万円である。年200万円弱で暮らすわけである。公務員の年金額年間たとえば280万円と比べればそれでもかなりさびしいけれど。

 準富裕層とか言って政府は資産課税でもしようと地ならし画策でもしているのなら分かるけれど、みんな外国へ逃げるにちがいない。

 

 

 注:財務省のhpでは、諸外国の配当課税についての記述がある。一例をいえば、

 アメリカでは、配当所得及び長期キャピタル・ゲインのうち、37,950ドル(410万円)以下のブラケットに対応する部分には0%、37,950ドル超のブラケットに対応する部分には15%、418,400ドル(4,483万円)超のブラケットに対応する部分には20%の税率が適用される(単身者の場合)。

 なお、州・地方政府税については、税率等は各々異なる。

 イギリスでは、土地等の譲渡駅と合わせ年間208万円まで非課税である。


 少なくともアメリカを見る限り、日本は低所得者に厳しい税制である。