詩集 白鳥の海
1 0101
2 世界のブローチ
3 心の痛み母乳戦争
4 12万3456
5 灯す
6 未来の狩場
7 サントネブタの思い出
8 フィンランド
9 フィンランド2
---------
0101
---------
1892年パスツールの白鳥の首フラスコ化実験において
生命(微生物)の起源を証明する実験が行われた
無処理の肉汁エキスを入れたフラスコを二つ用意し、
フラスコの首を白鳥の首上に変形させ、それを白鳥の首に入れる。
これを煮沸する、蒸気は白鳥の首を伝い外部へ出る。
首の部分に溜まったものはトラップと呼ばれる吐奢物となる。
煮沸しないフラスコでは腐敗が起こるが、
煮沸したフラスコは長期間放置しても腐敗しないのだ 。
ただし白鳥の首を折ると、腐敗が起こるようになる。
この実験により生命の起源は、トラップと呼ばれる、
掃き溜め状の液体であることが見て取れるのだ。
明け方 本町ラブホテルの路地裏で
いつの間にか蒸発し太陽へ戻る反吐の蒸発
その途中からしか命は産まれないのだ、
0101010110110
雲がきれいで希望。夢をあきらめない。
しにいく死体袋にさよなら。生存したぼくら。
生命を連結する現象が
首肉を逆流し、世界へ吐き出され、背骨が痙攣する。
気持ちが悪い
終末の合図はまぶしい光
渇望とセックス以外で繋がりあう善意で、
その多幸感に吐き気ががする。
世界に善悪は無かった
32歳の妹が借金を苦にして自殺しても善悪は無い。
0.。1.。0.。1.。0.。。1.。4違う0・・1
現実世界。ここは完全にデジタルの世界。
ステージの上でもそっち側でも同じ。
ここは完全にマイコン世界。
希望が支配する暴力的な世界で、僕らは
精神の殺し合いを何度も試みる。
いつの間にか、美しい君も、震えながら消費され
皮膚がガサガサと音を立て死体袋に変わる
愛おしいものは生命をつなげるものでは無くて
薄い浅瀬の精神を繋げる様な者
人肉がうなずく行為まるで
軽薄な動機の
やさしい滑り出しのフェラチオのようなもの
君の愛しい時間軸のずれたヘッドバッキングが
精神の全肯定のように感じて
それ位の浅い身軽さのほうが人間の匂いがする
0...1....0...1
僕らが
高揚し、興奮し、目を見開 き
象る歌声は 何か意味があるのだろうか
8時21分 今この時間
遥か遠い海上、氷山の水煙で虹が差す静寂に
ムカデの死骸が冷たく流れ
それを見つめるハエの裸眼が1000の
虹とムカデを意味無く見つめ宇宙と共鳴しているのだ
0...1.....1..1
さあ始まるよ。音楽ライブが
それは
殺しあわないやさしい歌が、世界を包むことを信じている
ロールプレイングゲームみたいな表現ライブがだろうか
覚悟はいいかい?
楽しいライブが始まるよ。
世界は面白いことにすでに死んでる
死んだ命は腐敗し、掃き溜めを作る。
この世界は完全にデジタル。
生と死。
0と1だけの世界。
何度も
折れた白鳥の首を元の場所にあてがったとしても
何 度もかすかな音を立て
何度も平面に打ち付ける頭!
落ちる首束
ハンバーガーショップのダストボックスを
白鳥の首でみたせ!
ぬれた落ち葉を踏む 津軽の初雪を白鳥の首で満たせ!
幹線道路沿い市民プールの光よ
室内の水面を白鳥で満たせ!
ペパーミントグリーンのプロパンガスの
巨大なボールの内部を白鳥の首で満たせ!
希望ジャンキーどもよ!
横たわる白鳥の首が見えるか!
それは
手指から流れ落ちる世界そのものだ!
くたばりそこないのクソ芸術家どもよ!
何度でも飛びたて!
この世界を
お前らの首で満たせ!
0!1!0!1!0001!
--------------
世界のブローチ
--------------
世界が放つ冷たい光に吹き出る春の吐息
肩 車の子は宇宙に近づいて気圧を拭う
あたかも十年後には
食卓のゴムの木と同じ高さで発育する命のように笑い
やがて明滅を繰り返す盛り場の暗黒を養殖する
空飛ぶ円盤は誰が何のために見たがるのか
遠い真空の彼方から空気に震いつきたくて現るのか
何かの重大発表を地球の生物に告白するために不可思議な言葉を弄ぶのか
全身がしびれる新しいダンスの解釈を
西日暮里のダンス愛好会に伝えるためにか
幼児はすぐに空を覗き見
つきは片眼
濁ったハエの裸眼のように
世界を華奢な息づかいで照らす
夜中に踏みつぶされた昆虫の温度は
飲み過ぎた後の吐瀉物と同じだ
皮膚を剥がれた人間の匂いは
市場に並ぶ知らないフルーツと同じだ
どこにもそんなに意味 はない
世界中で目撃される空飛ぶ円盤の全ては
君の
ブローチの
デザインのためだけに
飛んでいる
-----------------
心の痛み母乳戦争
-----------------
遠い場所にある希望は劣化して金をつくる
逃げ遅れた肉体の悲鳴は劣化して誰にも聞こえない
言葉で愛を語れるなら詩人はすでに存在しない
美しい空はまるで誰かの比喩に感じ憔悴でのどが渇く
殺し殺され入れて抜いて疲労はまるで感情的で
満たされたコップに入れるコインにはイカサマがいるの
弾かれた僕らの未来は誰もが自然に眼を覆い
美しいアヒルは胸を押さえて呼吸を確認した
何を守って生きていくとか何を信じて生きていくとか
そんな場所にさえまだたどり着けず
ただ知ってる事実は
君を抱き しめたいだけの世界にさえたどり着けないだろう未来予想図
労働は僕を殺し自由は愛する人を殺す
それでも生きていくために命が必要だから
僕たち敗北宣言しせめて大切なものだけは守ろうと
脳を切り売りしながら臓器を提供しながら
クリーム色の背骨を
信じていない神様に預ける
ここに大量のお菓子の家がありますよとブルジョアがつぶやく
そこに口を閉ざしてクッキーのかけらを落としながらたどり着いて
笑顔で夜景が美しいと言いその光を見下してると
いつの間にかクッキーのかけらは鳥の餌になり戻れなくなった
世界は利己的に象られていて弱虫は殺されてしまう
これが弱肉強食ですよと独裁者の側近は吹き込む
皮肉じゃなくて面白い事はこの世に一つしかなく て
だらだらと君を愛している頭をきれいに蹴られる世界だって事
気持ち良すぎてよだれが垂れ落ちるロり顔の変態性癖とか
汗みどろになって安く使われる人間の欲求とか
君を知りたいと本当に思っているのにうまくいかない基地外の葛藤とか
ライブチャットで時間を引き延ばす美しい女の動機とか
ギャンブルでどうしようもなくなってロープが頭をかすめる30歳とか
地球をエコにとかしゃべって実際なんとかしようとしてる斜めの雰囲気とか
仕事がないだけの性格の悪い奴とか
欲求で弱者を踏みつける奴らの葛藤のなさとか
遠く離れて時がたち変わってしまった君と世界とか
幸福実現する宗教にハマって正しいことをしゃべろうとする昼間とか
いじめられて一人体育館で遊ぶ子 どもの少しだけの笑顔とか
少なくともその全部がある世界じゃないと
愛する君は
存在しないのさ
母乳戦争殺しあえ
きれいな母乳戦争
せめて
うおー
ころしあえ
ウイーアー座ワールドに
ジョー目覚めよ!宗教の本じゃなくて
言葉通りに起きてってショー
観客は初めからいなかったんだ
歳のいった人間の悲しい吐き出しを
テクニカルにさけるしのぎ
光を抱き留めたがると痛みを伴うから
その振動感のままにロンパの眼球でアサヒを受ける
友人のお世話になっている老婆の
標本宇宙を愛する地獄に涙が触れる
墓石の前の青空ごと藁人形で打ち付ける
これで本当に誰かが吐血するだろうかが希望
背骨がバラけて死体つみあがる日々の
死体はどうせプラスチック製のラッパ
びしょ濡れの警察官が財布を抜き取り
その数を競い合う平和の上澄み香水が充満する
ウィーあー座ワー
ウィーアー座チルドレン
衣擦れの音田舎のハウリング死ぬ
外壁と外壁の間日陰で潰れたあなた方の筋肉の匂いは冷たく良いにおいだ
子どもを便所で犯してリュックに詰め込み逃走する闘争
汚染された食物踏みつけあう人々積みあがる汚物の山にしみ込むブラックレイン
憂いあー座ワー
憂いあー座チルドレン
-------------
12万3456
-------------
細かいことを常に気を使う事など到底できず、
何か無意識に見放していた少しだけの引っかけ棒が
外れ、白いどうでもよい記憶に
記憶の端の彼方へ、飛散する。
呆けて無表情に視覚を擦り、
人肌の肉体に何の感覚も対して察せず。
公団住宅のコンクリート壁が倒壊する無邪気な夢と同じ扱いを
トリコロールに腐敗した砂糖が溶け
ドロの巨大に頭と唾液の温度差に
身体がなじむまでしゃぶられ
あの骨に感光するほどの流れ星と君の愛すべき両腕は
もう3度アスファルトをバウンドし、
遠くに華奢が静かに転がり終わっている。
車内でベトベトの血を何度もふき取り、肉が痙攣するが気は保っている。
むしろその方が、正常では無いような気がして、そのセリフをアニメ番組の何か
のキャラクターに軽快に喋らせようと気を回すが、闇は勾配を抑え込み
引っかけ棒が機能しない。
県民共済は誰も救わず、
100円ライター は他人を焦がす妄想を生み出すための機械だ。
中途半端な知能では、
自分の体温についての薄い浅瀬並みの思案が浮かび漂うだけ。
誰にも触れてもらう事を極度に恐れ。
見える瞳は初めから目蔵を許している。
岸辺を知れずに歩行し、寒さに寒いと何度も独白し、
小さな日常の幸福を思い描いてみるも
そもそも幸福への滑空のすべを知らぬ。
感じたはずの灯に付ける名前を知らない。
それよりもどうでもいいシールの剥がればかり気にかかる。
小さな凍りかかった川べりを渡ろうと空を仰ぐ。振り返る。
何度も小刻みに振り返る。
足が覚束ず、舌打ちと寒さへの空虚な独白が冷却を物理的に加速させる。
牛を蹴るから、蹴られるのだ。と突拍子に喋り、
闇の川縁を 埋めようと魔法を信じて自分に寄り添う。
川を這う足首の飛沫だけが吐しゃ物のような音を鳴らせ、
そんな妄想を重ねる自嘲で腕がバランスとは関係なく揺れる。
果てが見えず、気づけば押し出された美しい闇。
箱舟は見えず、ただ蹴られる牛を思い謝る。
木立の輪郭が箸先の唾液に感じ愛しく弱く光り、
風で上昇する何かの毛皮が
得体の知れないUFOならば俺をさらえ。
意味の通じない空間へ連行しろと言うが、粉粒が無音で舞うだけだ。
渡りきった木立にスズメが三匹、並んでいて、カギ爪に固定している。
よろめいた肉体は余裕が無い。
生活が秩序を作り人を皮袋で覆う。しかし意識はそもそも何も限定していない。
3匹のスズメ確かにこう言った「私たち はあなたの娘です。」
そして口々に話しだした。
暗闇と木立と私は、スマートな世界に冷却される真夜中の知れぬ山林で
初めて出会い、川面の破れる流動が脳を快活にした。
スズメたちは何度も話す。
「あなたは17歳でセックスをします」「あなたは9歳の時母親が蒸発します」
「あなたは36歳で離婚します」「あなたは11歳で布団の中で射精をします」
「あなたは29歳に田舎に帰ってきます」
「あなたは15歳に野外でオナニーしてやくざに捕まります」
「あなたは54歳で自己破産します」
「あなたは12歳で初めてハンバーガーを食べます」
「あなたは71歳に小説を書きますが最後まで
書くことが出来ずに悔みますが三日で忘れます」
「あなたは39歳 の時に蒸発した母親と再会します」
「あなたが10歳の時に合浦公園の花見でお化け屋敷に入ります」
「あなたは62歳の時に競輪で100万円の車券当たります。
でも半年と持たずに無くなります」
「あなたは1歳の時、お父さんの妹が離婚します」
「あなたが5歳の時ストーブで大やけどをします」
「あなたは30歳で海外を半年間放浪します」
「あなたが34歳の時あなたの私が生まれます」
「あなたが28歳の時私が生まれます」
「あなたが15歳の時私は堕胎されます」
「あなたは45歳にラーメンを作っている時に親が死にます」
「あなたが10歳の時人を酷く苛めています」
「あなたが61歳の時一人ぼっちになります」
「あなたが8歳の時誕生日会でから揚げを 食べてファンタを飲みます」
「あなたは78歳で精神病院に入ります。」
「あなたは7歳の時、外の雪の塊へ投げられます」
「あなたは68歳で人を殺して捕まりマス」
「あなたは23歳で鳥人間コンテストに出場しますがスーパーマンのコスプレでただ落ちて行き笑っています。」」
「あなたは9歳の時、お使いの途中で犬に吠えられおつりを全部落として家に帰ります」
「あなたは79歳で死にます」
「あなたは6歳の時バイクの下敷きになり頭を縫うけがをします」
「あなたは79歳で死にます」
「あなたは42歳の時ロト6を買います確立は同じだと
言って123456の目を買いますが外れます」
「あなたが16歳の時日曜学校に行きます」
「あなたは79歳で自殺します」
「あなたは79歳で死にます」
「あなたは79歳に自殺します」
「それがあなたの全てです」「あなたの全てはこれです」「あなたの命はこれです」
「幸福などどこにもなかったと後悔して死にます」「楽しいことはたまにあります」
「そしてあなたは1歳から79歳の自殺する日まで、
あなたは永遠って言葉を123456回呟きまマス」
寒い。寒くて暖まらない。
腰みのをつけたフラダンサーが笑顔で僕を迎えに来てくれないか。
そして頭を回して英語を話せばいいのかどうか、
戸惑ったりするパラレルワールドの僕でありますようにと願ってやまなかった。
その時足元に何かが擦れ、それは四角い鉄の蓋だった。
僕はそれを開けると中に入った。。
5メートルほどはしごを下る と、そこは小さな部屋だった。
暖かいベッドと、湯気を立てたコーヒーの匂い。柔らかなランプの灯り。
エラ呼吸の温水プールのように動きはスローで心地よい。
部屋の外では籠った音で古いロックミュージックが流れている。
何も思い起こせなくなってきて、無学になる。
私を取り上げた物の指は異様に細長く指の数が手のひらから20本以上伸びていた。
オレンジ色の皮ふはレザーのように滑らかで艶めき彼らの頭部は透けていた。
その内部で
三人の女が乳首で繋がっていて中心部には巨大な眼球があった。
透けた頭部のいたるところから、血管の様な煙が外部に吹き出し、点滅して消える。
その者の胴体はロングスカートのように伸びているのだが、地面と繋がっ ている。
空は白く時折、水玉模様の球体が飛びかい、地面と乱雑にぶつかる。
そのたびに巨大な振動でこの何らかの世界が激震するのだが
私の頭部から、可愛い煙が噴き出すので、それは楽しい事なのかもと覚える。
記憶の何かから、血の匂いを思い出すが、
この新しい世界に血液が存在しないのですぐに忘れた。
何も引っかからない。
そもそも引っ掻き棒が引っかかる思いなど無い。
無限の静止画の連続帯。
それが永遠の時間をなぞり、人を探してあえぐ顔のアップ
無表情にあえぐ笑顔と下から現れるエンドロール。
------
灯す
------
知らぬ盛り場の暗闇で
合金が茹だり少女の吐息を赤く待つ今夜
古い毛皮を人毛と取り違え
それは
それでも良いのだ と電灯の下で上手くくすむ古母
切れた人毛から吹き出す液体を照らす太陽は
常にアルコールでカラダを拭く母さんとヤクザとの間に
混ざり合う煙に餌付く少女の
ポートレートに光る思い出の一切れの灯りにでも
なれていたら ショーケースの幽霊にはならなかったろう
濡れた太ももにすぐに挟んでもらいたい頭は呼吸を匂い
手首を手首ごと無くす痛みを忘れるだろう
もっと
もっと小さく
切り取られた思念はもっと
子宮の粘膜で泳ぐ言い訳になるだろうか
透明のビニール袋のみが
完全に生涯着込んでいい洋服にいたすルールで
デパートに行ったら誰がどれほどの言葉を
優しく話してくれるだろうか
紙コップに水を入れて飲むだけの日々に
放火魔の長谷川さんが気づい てくれないだろうか
命に美しい何かが灯るのなら
それは絶えず何かで覆わなければならぬのなら
私の皮膚を
灯して
証してくれないか
私は盛り場の暗闇で固まっているから
肉親の誰か母さんでもいい
私を見つけて
新しい人間を作ってくれないだろうかな
少女の笑顔灯す
光になれないだろうかな
---------------
未来の狩場へ
--------------
出ないパチンコだけで地獄緩やかに宇宙迷走し
変化の無き場所での攻防 押しつぶされそうさ
湖の底には声が積み重なりベッコウハエの羽がとぶ
未来の幻へ
アスファルト映した空にカナリヤの大群遠くへ
後ろめたい場所には欲望 押しつぶされそうさ
挽肉は君の喉あたり 震える服で歩く
未来の墓地へ< br>
カッターナイフの漂着わたしが深海魚ならば言葉無き潰れ
誰も居ないようにしか見えない世界は人の押し潰し
無制御に空気を吸って 仄かな人間の足取りを追う
未来の装飾へ
勝利への器具類じみた銀色の光が君の頬にあたり
ブロデリックのウォーゲーム戦争ショー上等
破壊と構築を繰り返すピラミッド上昇
未来の狩りへ
欲望の暴発で死と生を彩る吹き溜まりには
勝利への器具類じみた銀色の光があたり
殺人殺人コロコロコミック殺人舞妓が死ぬメロドラマには
喉かな声の住宅地や公園を2ミリにする圧力がある
全員が体感の共同体で全員が共犯者だ
見よう見まねのトークショーで世界は成立する
いつも人々は笑顔で余裕のある善良
善良で正当な暴力で 糞虫を踏みつぶす最強
窓を蹴り割る欲求の王が支配する世界ならそれは合法
反射を所持する奴隷の光は欲望
破壊と構築を繰り返すピラミッド霊園
僕たちはそれで進化する無慈悲な偶像
持たざる者よ狩りの始まりだ
皮ふ被膜の外壁の完全認知を促し進め
外側の未来をすべて破棄する殺しのライセンス
ブロデリックのウォーゲーム戦争ショー上等
欲望歯車通りに時限胎動再構成
外側を破壊して
破壊して未来の狩場へ
--------------------
サントネブタの思い出
--------------------
例えば友人の死体があってさ
その肉肉が、僕の古い時代から知っていた母親だとしてさ
暖かくていいにおいの弾力の皮ふを何回も触って
遠い記憶に記憶の皮ふをすりあわせたり重ね合わせた りして
異動を促す念動力の塊が地獄だと何度も叫ぶ現実の底辺の絡め取られる生活と
瞬きを繰り返す無い知識の寒気の触れなさ見たいな切なさだとしてもさ
僕は優しくて正しい人だから人に踏みつけられてしまっているんだと言う
もしかしたら言い訳めいた事なのか、それともその言葉さえも
自分を温めるための鍵穴をべろべろ舐めつけている玉子脳だとしてもさ
それでも親しい友達が死んだのを観てもさ、ボンネットに入れて
どこか遠い霧深い奥の様な遠い静かな場所へ、連れて行こうなんて
思わないわけ。
それをやってしまったのは、誘惑で
鳥の目の僕が僕を見てさたまたま、その情景をなんだか
美しいかけがえのないものに感じてしまったわけでも
それは幼稚で、抒情 的な自己陶酔の様なものの遍歴の気まぐれで
そういうボンネットに母親の死んだ匂いごと死体を入れて
どこかに連れ立ちたいなんて事を死体と思わないわけ
それでも車輪が回り、ヒーターが僕の上半身を暖かく保り
アクセルは適度な緩い速度を保つ踏み加減で
当て所のない宛へ僕だけの魂を、運搬してニコチンを吸引するの
それで精神を美しく保ち、アスファルトを削るスタッドレスタイヤが
取り替えるお金を積むことのできぬ、溶けてこぼれるゴムの離別と、
ガス欠になりかけの針のふりが、僕をすぐに
死体を運ぶ僕をすぐに、眩しい瞼と景色を、自慰行為を
美しい行為のような、姿として母親の匂いで包み込むの
5千800回の、天国は手淫の地獄かもしれないと
快楽 と同じ分だけ痛覚が同時に過敏に犯され
でもこれまでの、僕の全部の行為が人の人型の習わしとは
違う動機づけを持ち笑っているので、世界は僕を笑うの
人差し指を刺す方角は常にパソコン上で、エロい女を探す動機の電気信号を流して
なんどもほとんどのすべてが、その方向に時間を費やしてきたの
それで精神をホワイトアウトしたみたく破裂させんの
ぼぐがさ昔幼稚園くらいの時のねぶたっていったら
町内会のねぶたが主体で、今みたいに大変な観光化されてなかったのさ
んでもだからと言って、今のねぶたが嫌だとかまったくないんだけどさ。
美しいじゃん。針金に貼った紙越しの光がさ。墨の滲んだ色んな色と
混ざり合ってさ。綺麗だよね。それと邂逅の思念が混ざ り合ってさ。
県民だばさ、せつなぐなってウットリするよね。
津軽の人だからさ、切ないこととかってウットリしてしまうんだよね。
それにニコチンとか過剰摂取しながらさ、理不尽に高額な冷えた焼き鳥とさ
ビールのみながら、立ち尽くして路上で見るあの光景はさ
好き嫌い超えて県民ならさ、何らかに捉われた感動を抱いて心中したくなるよね。
んでそういう感情をさ、脳内のぐらいだーが乱気流しながらさすぐに
負けてしまって、ああやっぱりこの場所で生きていかなくてはって肯定的に
おもいこむ美しい契機になるおん。言い訳をさ、善悪まぜこぜで肯定してくれる光景がさ
毎年、訪れるからさ。人嫌いでもそれでもみれば、なんだか納得させられてしまうもの。
明日か らも生きていかなくてはダメだべなってさ。
僕が体感したねぶたで今はさ。もう亡くなったのでさ。
みんなまだ覚えているのかなって思うんだけど、タマゴねぶたってのがあってさ。
妊娠した母親の、安産祈願だったと思うんだけどさ、
胎盤みたいなねぶたあったよね、提灯と一緒にさ、
もしかしたらうちの町内会だけだったのかもしれないけど、
そんなことないよね。あったよね、
今でも、ひとりで夜に集団についていく光景思い出すもん
幼稚園の時のさ。
ジンライカーバー!!って
皆叫んでてさ、懐かしいよね、あの玄孫踊りで足と手一生懸命動かした記憶あるおん。
津軽の真夜中にさ。みたわ。まるでいくつものだらしないショボイ太陽が、夜中に
去勢張って い きがっているみたいでさ。
それから何十年もたってまったけどさ。
私の思いはいまだに変わらなくてさ。
この前、工藤パンの春彼岸の臨時バイトで、餅運んで手で切って
モチつくり機に投入するってバイトしててさ。
その時の仕事開けに帰る時にみた、青森ベイブリッジの朝の太陽とかさ
ダラダラしてて美しくてさ、蜃気楼に犯された星みたいでさ。
5件目の場末の飲み屋の
ウズラの卵みたいなダラシナイ太陽でさ。
現実なんだここはって思ってさ。
時折脳みその画面を汚してさ。
全然美しくないんだけどさ、それでも
夜8時から朝8時まで働いた帰り道だったから、すごく美しく見えたの。
ビックりしてしまってさ。覚えてるんだわ。
だって精神は死んでいて景色 さえさ、だらしなく脳に感光するのにさ
なんだか美を感じでまったのさ。
金ばもらえる充実した仕事って、素晴らしいなと思ったのさ。
わあの信じてきたものなんて、本当に簡単に糞でさ。
子どもに飯食べさせてやれないし、奥さんも呪いの言葉を時折吐くからさ。
なんだかリアルなライフ伊豆ビューティフル見たくなったのももう通り越してしまってさ
飴とムチば使い分けた、変な洗脳教育の、末のカルト愛情みたくなってまってるもん。
俺地獄地獄と何回もしゃべるもん。
愛しているにこの様って、半身不随みたいだぜ。
自殺する勇気もないしさ、んだからかといって命がけで
なにか作品なりばさ作り出すかって言ったら全くそんなことなくてさ
有限に死を待つ津軽の無色に 簡単に成り上がってさ。
わあの書く詩なんて金になるわけねえし。そもそも詩が金になるのならばさ
俺なんてこの場所でなんかしゃべってたりしないって。
あんたらとおれの距離何て何メートルしかないのにさ。
地球の一周の距離って4万キロなんだってさ、んだば
僕から一番遠くにいる人は常に2万キロしかないんのさ。
車で時速100キロで飛ばせば、200時間で誰とでも会える距離なのさ。
八日間あれば世界中のだれとでも必ず出会えるってことなのさ。
思ったよりも結構、近いよね。
大げさなパチンコ屋のネオン管の点滅がさ
偶然モールス信号になっててさ
翻訳したら、パンドラの箱ぶちまけたような
絶望のすべとの言葉の羅列だったおん
寒いな。まんず。
たまご ネブタ、あれ本当はサントネブタって言うんだったな。
まだあのロープの中に入って、母親と手をつないで
不安定な真夜中の町内ば、どきどきしながら歩きたがったなあ。
祭りだの、糞だって思ってたけど、あのネブタだけいまだに復活しねえんだもんな。
あのダラシナイ球面のネブタってさ、クドパンの帰り道にみた太陽と同じでさ
弱くだらしない光だったんだべな
だから思いだすんだべな
じんらいカーバー!ってさ
お囃子がいづまでも聞こえてさ。
世界中で色んなネブタ祭りやってるって思ってたからさ
リオのカーニバルはブラジルのネブタだべなとかさ
スフィンクスは動かないネブタだったんだべな
とかさ
一人で妄想していたもの
命は和紙で覆われた光で
少しだけ熱を帯びていてさ
友人の死体を運ぶときの窓辺に
妄想で映りこんでたもの
小さな光が遠い場所へと帰る人間の儀式とさ
わあの、吐き気の原因を許してもらえる言い訳にとかさ
わあ確かに実存で見えたもの
小さな光っこ 現実に見えたもの
---------------------------------
フィンランド
---------------------------------
フィンランドは美しい国だとおもうんだ
でもそれは僕の中のイメージだけの話だ
ネットやテレビやらで、流し読みした薄いイメージだけの
だいたいは総取得時間15分にも満たない
印象だけで
僕の虹は色めいてんだ
ミミズクの二重の命のような眼球と脳みそは
雨上がりの虹をどんな意味で象り
暗がりの密林から除きみてんだ ろう
その先にある 解釈の形が奇形じみてんなら
肉体が溶けて異世界へ吸われ
ぼくはあえぐ
あえぎ続ける
たとえばだ
たとえば巨大
目を閉じた世界に現れるそれぞれのそれは
都合のいい場所に配置され 愛で そう
まるで愛のように眺められるだろう
たとえば15センチの刺殺
鳥かごへ向かう15センチずつの刺殺
先端は時折カチャカチャと
涙は顎先でまた触れ
廊下にシミをつくる
たとえばだ
たとえばペニス以外
にボロ切れをまとい観光通を散歩
たどたどしい道すがら 出口の文字は読めず
ただただ頭の箱庭で
強い快楽を貪る 唾液が太陽を写し弱く光るが
舐めとっても同じ圧力が続くだけ
日差しの暖かさを主人に肌のある箇所を< br>激しく触る境目に精神を投げ出す
それが毎日続き 悪者を探すが遠くに行かないと居ない
がその非到達さにも慣れ
カタツムリを踏んでも靴の汚れが気になる
たとえば
祈りの手の形
得体の知れない神の救いを待つ真剣白羽取り
少女は大人の体重の下で圧殺され
夜の死体はラブホテルのネオン管を踏んで羽ばたき上昇し
白鳥座が飛び立つ妄想のみで世界と戦う幽霊少女
ネバーエンディングストーリーに吐き気がし
多様性のある自傷行為と自慰行為で
自分の形を保とうと試みる
早く世界が終われば良いと
ポジティブなコピーを作成し
電子のオンオフにただよう
それが毎日続き
星の皮膜を剥いだら本当の世界が現れる事を祈る
がその非到達さにも慣れ
ミミズクに射程距離内から見られているが
自分以外の人間を探しているので気づかない
たとえば奇形児はぬいぐるみなら可愛い
布切れで全部覆われていれば生命はグロテスクじゃなくなる
そのキュートさが逆にグロテスクであるのに
気づかないシステムなら
星の皮膜は脱げて 静かな終わりがやってくる
たとえば冷えたフライドチキンは白鳥の味がする
ソビエト産のフライドチキン白鳥味
ソビエトのツンドラを水かきで蹴り
迫る光源の変質は風速をすり抜け 水は氷 光は煙る
空洞の廃墟まで
泥む(なずむ)ドロを触るこの地へと訪れる渡り鳥
筋肉の繊維の張りと
羽の内側の冷えた風を纏う匂い
殺人の5時間後の昼の静寂の部屋
発見されぬ 遺体とカーテンの匂いと同じ匂い
その美しい淫乱の香り
射精色の白鳥
四次元ポケット色の白鳥
逆立ちし水中へもぐり
川べりで水草の葉を採食し
突き出した首は湯気を立て薄紫の空に混ざる
その白鳥の味がするチキンが
開演前の控え室に溢れかえり床にぼとぼと落ちている
が気に留めず踏みしめる度に 過剰な肉汁がびゅうと飛び散り
小さな虹が付近でポップアップし
おしゃれなエスカルゴがシンクロしてはしゃぐ
そのエスカルゴは突然変異で超能力を持つ
アダムエスカルゴは全てのカタツムリに同じ能力を与え
生き物をテキトウな超能力で蒸発させ世界を終わらす
人間は居なくなりそれでもそれを察知したソビエトの
スーパーコンピューター的な テキトウな機械がネットを介し新種の
肉体を媒介としない電子的なDNAを作成し
新しい生命を作成する
それは形のないネット内生命体で103億の人間の
記憶と意思の電気信号だ
進化したエスカルゴ人VS人工知能を持つ103億の意思
とのネクストワールドピラミッド大戦ショーが始まる
僕と君は
不幸にも肉体を持った鈍重な人間のまま生き残り
武器は無意識クソイマジンのみの偏った奇形弱者
エスカルゴ軍は人工知能103億の電子配線を一斉に切断し
サーバー内部への溶かしバター瞬間移動を無音で行う
僕と君は荒野で何匹かのカタツムリが突然破裂したり
渦巻きが渦巻く方向へ急回転し燃える光景を目撃したりもするが
時折起こるそれ以外は あまりにも 静かだった
荒野が
そこかしこから香ばしいバター臭が
漂い 世界を満たしているので笑いがこみ上げてくる
お互いの顔を寄せうつむき
唇を 甘く噛み くちづけをし
カタツムリのような舌使いで粘液を混ぜあい
何度も肉体をくっ付けてひとつになろうと体位を回し
目を閉じお互いに もたれてまた目を閉じた
僕たちの空には白鳥が飛びまわり巨大な鳥柱がたつ
僕たちの絶望が無意識のどこかへとまた
水かきを蹴り風速を彷徨う(さまよう)
朝は昼を待ち 昼に夜を待ち 明け方には君を待つ
君の背中とうなじにくちづけすれば
孤独と愛と声を浮力に 真夜中の星座を越えて羽ばたいて
結末の密室 終わる世界の部屋まですぐにたどりつく
君の全部の穴を 順番に塞いであげる
美しい空は 遥か遠いかなただけど
僕の呼吸は君だ
君の言葉は僕だ
早く早く触りたい
君の身体を触覚で象りたい
早く君の内部をのぞきたい
血管の心音の内部を流れたい
2人でまるで愛のように寄り添いたい
たとえばだ たとえばそれに
フィンランドと名づける
少しでも異世界の記憶になる
虹のように色づく