観音開きの扉が開いて、再び明るい日差しの中へ。
見慣れた顔がいっぱい並んで神妙な面持ちでこちらを見ていました。
パイプオルガンの音と女性シンガーの歌声を聞きながらチャペル内を見回すと、今までパンフレットの写真で見ていたのと同じ景色がありました。
うわっ、なにコレ!?
海、超キレー!
思っていたよりも明るいな。
こぢんまりとしてるけど、いい感じの大きさだな。
感動を顔にも口にも出さずに、頭の中でお祭り騒ぎしていました。
このチャペルに決めるまでにも、色々々々すったもんだがあったのよ。
思えばあれが最初の関門だったわねえ。
ホワイトアロウチャペル、グアムチャペル、ブルーアステール・・・、
迷いに迷ってここにしたけど、この決断で良かったと、やっと「正解!」と言われた気がしました。
他のチャペルと比べると、特別新しいわけでもなく、脚光を浴びているわけでもなく、どの雑誌を見ても小さなスペースでの扱い方で、それをみるたびに多少の不安を覚えましたが、
ステンドグラスがあって、パイプオルガンがあって、海が見えて、でも海だけじゃなくて、荘厳さがあって、でも固くなり過ぎない、暖かみのあるチャペルを探したらこのチャペルにたどり着いたのです。
よかったよかったよう。
そんな思い入れのある、お気に入りのとっておきのチャペルに、やっと訪れることができたというのに、あんまりキョロキョロ見回すわけにもいかず、遠慮がちにチラチラ見るしかできず、思いっきり堪能することが出来なかったのはまったくの計算外でした。
(ゲストのほうが私たちが来るまでの間に、写真撮りまくりのくつろぎまくりで、なんだか不公平感を否めない・・・。)
再び列席者の面々に視線を戻すと、あれ?
みんな眉間にしわ寄せてどうしたのかしら。
こういう時ってもっとにこやかに迎えてもらうものだと思っていたんだけど・・・。
まぶしいのかしら。
グアムまでの道程で疲れちゃったのかしら。
と、ちょっと不安になっていたところで、新郎の姉がハンカチで涙を拭いている姿が目に入りました。
それを見た瞬間にみんなの眉間のしわの意味が「そっちか!」と、わかって、急にもらい泣きしそうに・・・。
いや、でもここでなくのはまだ早いでしょ。
せっかくカツエさんにメイクしてもらったのに、全部落ちちゃ困る。(ビデオ、回ってるし。)
と、なんとか必死でこらえました。
音楽が止み、一礼して前に進むように指示され、父とヴァージンロードを歩きます。
ヴァージンロードはガラスの下にバラ(造花)が敷かれていました。
この時ってみーんなこっちを見てるけど、会釈するんだったっけ?
無視して突き進むんだっけ?
とりあえず会釈すると挙動不審な女になりそうだったので後者が無難かな、と思いとどまり、入場くらいは粛々と歩くことにしました。
粛々と。
しゅ、く、しゅ、く、と・・・
・・・お、そ・・・い・・・・・・。
オ・トウサマ・・・、遅いですって・・・、もうちょいペースあげませんか・・・?
進行上の都合とか、大人の事情とか、ホラ、あるでしょ?そろそろ音楽終わっちゃいますし・・・。
案の定、牛歩の父。
前日の打合せも、まったく意味がありませんでした。
ぐいぐい引っ張ってみても、まったく言うことを聞きません。
父いわく、二人姉妹、もうこれでこんなことも二度とないからゆっくり歩いたのだ!ともっともらしいことを言ってはおりましたが・・・。
そろ~り、そろ~りと、平安貴族のような、十二単でも着ているかのような歩調で、なんとか祭壇までたどり着いたのでした。
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