□作品オフィシャルサイト 「グラン・トリノ」
□監督 クリント・イーストウッド
□原案 デヴィッド・ジョハンソン
□原案・脚本 ニック・シェンク
□キャスト クリント・イーストウッド、ビー・ヴァン、アーニー・ハー、クリストファー・カリー、コリー・ハードリクト、ブライアン・ヘイリー、ブライアン・ホウ、ジェラルディン・ヒューズ、ジョン・キャロル・リンチ
■鑑賞日 4月29日(水)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
人生は肩の力を抜いたところから始まるような、そんな気がする映画だった。 それぞれの過去を持ち、
そこに戦争という悲惨な体験をいつのまにか心の奥底にしまったまま、家族の愛情にも恵まれず、
ただ頑固一徹に自分のポリシーを曲げない人生に、誰が手を貸してくれるのだろうか。
『ミリオンダラー・ベイビー』から4年ぶりに自身が主演を務めるこの作品。 役者としての才能と、
その役者人生の経験をフルに活かした監督業も非凡なき才能を発揮してきたクリント・イーストウッド。
同じ人間ドラマのように見えて、彼自身が『硫黄島からの手紙』や『父親たちの星条旗』で言い残したことを、
この朝鮮戦争従軍経験を持つ気難しい主人公ウォルトで語ろうとしたのだろうか。
元軍人、元自動車工だった気難しいウォルトは妻に先立たれ息子たち家族とも疎遠になり、
毎日単調な生活を送っていた。 隣人には何が因果かアジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)家族が
引っ越してきた。 自分のフィールドに踏み込まれたいyォルトもタオやその姉(アニー・ハー)と
関わることで、閉ざしていた心を開いていく。
愛車グラン・トリノ。 ウォルトにとって唯一心許せる息子だったのかもしれない。
最初は悪いグループに嫌々騙され、グラン・トリノを盗もうとしたタオだったが、共にシャイで不器用な
ところがお互いの距離を近づけ、いつしか年こそ離れているが、二人の間には友情が芽生える。は、
それぞれの人生を大きく変えていく。
それタオ家族との関わり合いを通じて、自身の朝鮮戦争でのトラウマを少しずつ癒していくと同時に、
そこには白・黒・黄の肌の色の違いを超えた、今まで持っていた概念を覆していくウォルトの姿もあった。
小さなふれあいの中で老いぼれた頑固親父が、人としての言葉の悪さとはうらはらに優しさや
温かさを注いでいく。 そんなウォルトを演じるイーストウッドの表情には、彼が今まで役者として演じてきた
強いキャラクターの片鱗がところどころ垣間見られた。
最後に丸腰で戦いに行くイーストウッドの姿に、タオたち家族を助ける以上に、そこに今後俳優として
映画に関わらない彼の想いが表されていたのだろうか。 そこには『夕陽のガンマン』のモンコや
『ダーティー・ハリー』のハリー・キャラハンのイーストウッドの代名詞の終焉を込めたエンディングのように感じた。
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>過去10年 映画ベスト10 にトライしてみました(笑)
ほうほう、それは面白い企画ですね!
> 結果、この作品が1位になりました!
それは素晴らしい^^
>よろしかったら、のぞいてみてくださいませ
はい、拝見させていただきますね~♪
完全に毎年のお楽しみ化している、映画ベスト10が満10周年!にふと気づき
過去10年 映画ベスト10 にトライしてみました(笑)
結果、この作品が1位になりました!
よろしかったら、のぞいてみてくださいませ
>私も、今回のイーストウッドの演技の中に、かつての彼の一部を観た気がしました。
これで、本当にもう映画には出ないのかなぁ~・・・と かなり寂しいです。
確かに役者としての彼も魅力的ですからね!
>でも、監督としてはまだまだやってくれそうなので、楽しみです!!!
そうですね^^
その力量はまだまだこれからでしょうけど^^
>きっと彼には、まだ言いたいこと、やりたいことがありますよね。
だと思います^^
>頑固な鎧を何重にも着てたウォルトだけど
中身は優しくて温かくて、こういう頑固親父は必要だなぁって思いました。
映画の世界だけでなく、昔気質の頑固おやじは少なくなりましたからねぇ(笑)?!
私も、今回のイーストウッドの演技の中に、かつての彼の一部を観た気がしました。
これで、本当にもう映画には出ないのかなぁ~・・・と かなり寂しいです。
でも、監督としてはまだまだやってくれそうなので、楽しみです!!!
きっと彼には、まだ言いたいこと、やりたいことがありますよね。
頑固な鎧を何重にも着てたウォルトだけど
中身は優しくて温かくて、こういう頑固親父は必要だなぁって思いました。
>お久しぶりです。友人たちの圧倒的なオススメ、なんとか映画館の観賞に間に合いました。
おひさです^^
間に合ってよかったですね!
>おっしゃるように彼の演じた今までのキャラクターが脳裏に浮かんで、ウォルターの人間性を感じさせるものになっていましたよね。クリント・イーストウッドさん、役者をやめないで~って言いたいです。
やっぱ彼の引き際に相応しい映画だったと思います。惜しまれて幕を引く彼の役者としての姿が好きです!
テーマが深いし、かつ上質のエンターテイメントにもなっているのがすごいです。おっしゃるように彼の演じた今までのキャラクターが脳裏に浮かんで、ウォルターの人間性を感じさせるものになっていましたよね。クリント・イーストウッドさん、役者をやめないで~って言いたいです。
>劇場鑑賞派ですが、月2本の鑑賞ノルマです。
ということは年間20本くらいですね^^
>「グラン・トリノ」ラストは感動シーンとして
残ってます。
素晴らしい映画でしたね!
「グラン・トリノ」ラストは感動シーンとして
残ってます。
>またよらせていただきます。
はい、またお時間のあるときに覗いてみて下さい^^
TBどうもです。
またよらせていただきます。
>ブログ初心者で・・・いまいちトラックバックができていません。
いえいえ、そのうち慣れますよ^^
>久しぶりにみたクリント・イーストウッドは年を感じました。渋さも一段と増してました。いい映画でした。
その渋さと長年の役者経験が物を言った作品ですよね^^
トラックバックありがとうございます。
ブログ初心者で・・・いまいちトラックバックができていません。
久しぶりにみたクリント・イーストウッドは年を感じました。渋さも一段と増してました。
いい映画でした。
>静かに心にしみ込んでいくような映画でした。
ホント、そうでしたね^^
>電話でのシーンは、ちょっとグッときましたね。
これを観たのは、祖母が亡くなった直後だったので
なんだかウルっときてしまいました。
そのシーンが実生活と重なってしまったんですねぇ・・・。
>亡くなった祖母も、これとは違いますが似たような
感じでうちの父に話してたので。。。
そうでしたか。
>奥の深い作品でした。さすがイーストウッドです。
彼の役者としての姿が観れないのは残念ですが、役者としての経験のうえに
監督として更に手腕を活かしてほしいと思います!
静かに心にしみ込んでいくような映画でした。
電話でのシーンは、ちょっとグッときましたね。
これを観たのは、祖母が亡くなった直後だったので
なんだかウルっときてしまいました。
亡くなった祖母も、これとは違いますが似たような
感じでうちの父に話してたので。。。
奥の深い作品でした。さすがイーストウッドです。
>クリントイーストウッドが映画人生でこれまで演じてきた人物の一徹さを、本作で一つひとつ演じ、期待した行動と逆の決断をラストにしたことで、そのギャップがじわりと効果的に得られた感じでした。
仰るとおりだと思います。
彼の役者人生の全てを込めた作品となりましたね^^
期待した行動と逆の決断をラストにしたことで、そのギャップがじわりと効果的に
得られた感じでした。
>ラストに流れるイーストウッドの歌声(だと思ってるんですが)がまたいいし、心に染みるんですよね。
彼は音楽的センスもいいですからね~
>主人公が息子に別れの電話をかけるシーン。 もし、親父から唐突に電話があった時、その裏にあるメッセージに自分は気づけるだろうかって、すご~く不安になってしまいました(^^;
そうかもしれませんね~
でも、あの息子は鈍感過ぎました(笑)
ラストに流れるイーストウッドの歌声(だと思ってるんですが)がまたいいし、心に染みるんですよね。
主人公が息子に別れの電話をかけるシーン。
もし、親父から唐突に電話があった時、その裏にあるメッセージに自分は気づけるだろうかって、すご~く不安になってしまいました(^^;
>クリント・イーストウッドの俳優業引退説も囁かれましたが、こんなに貫禄のある演技を観ると俳優業もそして、監督業も情熱の続く限り続けて欲しいと思いました。
そうですよねぇ^^
まだまだ役者としての味は他の誰にもマネできないところがありますからね~ ただ彼としては脇に回ってということができないのかもしれませね?
>ラストの余韻は上映後も残りました。
僕も未だに残っていますよ。
>さらっと、こんだけのものを作っちゃうのがにくいですね。まったく憎たらしいじい様です。
ホントですよね(笑)?
>あの眉間にしわ寄せて、すくっと立って、どぎゃーーんと銃を放つ姿を見てもらいたいですわ。
そこも同感ですが(汗)
>それにも全部決別します・・・と言ってるのでしょうかね。
仰る通りだと思いますよ!
あそこでカッコよく連中を倒していたら、
役者、やめられませんわ~ 状態ですから(笑)
クリント・イーストウッドの俳優業引退説も
囁かれましたが、こんなに貫禄のある演技を
観ると俳優業もそして、監督業も情熱の
続く限り続けて欲しいと思いました。
ラストの余韻は上映後も残りました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
見てると、若い人の方が、感動したーーー!とう声が多いような気がします。
大概、「夕陽のガンマン」とか「ダーティハリー」とか見てない世代。
あの眉間にしわ寄せて、すくっと立って、どぎゃーーんと銃を放つ姿を見てもらいたいですわ。
それにも全部決別します・・・と言ってるのでしょうかね。
>いつもTB有難うございます。
こちらこそ、いつもありがとうございます。
>今回もまた素敵なレビューになりましたね。
いい映画でしたね、まさに^^
>生憎と当方からのTBは通りませんが、記事は
大切に反映させて頂きます。
お手数とご迷惑をおかけしてすみませんm(__)m
>(大勢の方々が過去の映画を比喩に使われていましたが、"夕日のガンマン"がやっと出ました)
おっと、それは良かった(笑)
今回もまた素敵なレビューになりましたね。
生憎と当方からのTBは通りませんが、記事は
大切に反映させて頂きます。
(大勢の方々が過去の映画を比喩に使われていましたが、"夕日のガンマン"がやっと出ました)
>まだまだ俳優としてやってほしい、そう言う声も多く聞かれますが、チョイ役、端役、カメオ出演での出番は我々も本人も望まないでしょう。
そういうことですね!
そのぐらい覚悟のうえの発言だったでしょうし、最後の演技でした^^
>最初にタオを追い出すときにすっ転んで、撃ちそこないますが、もう自分は老いた、主役は無理と言っていた気がします。そしてそれはもうかつてのヒーローにはなれない自分が後に託すラストへとつながっていたと思えました。
役者としての引き際を心得ていたのでしょうね!
惜しまれて止めることが大事ですね^^
そう言う声も多く聞かれますが、
チョイ役、端役、カメオ出演での出番は
我々も本人も望まないでしょう。
最初にタオを追い出すときにすっ転んで、
撃ちそこないますが、もう自分は老いた、主役は無理
と言っていた気がします。
そしてそれはもうかつてのヒーローにはなれない自分が
後に託すラストへとつながっていたと思えました。
>京都楽しんでこられたようでなによりです。
はい、やや天候には恵まれませんでしたが(笑)
>私も近いうちに映画を見るために京都行きを計画しています(地元には来なくなってしまったので・・・)
ほうほう、それはオダジョーのですか(笑)?
>イーストウッドには感服してしまいますね。役者人生をこの作品で終えて、もはや悔い無しというのも分かる気がしました。
そうですね^^ 静かながら彼の役者魂の真髄を見せてもらった感じです!
>京都ご出身なんですね。GWは充実されていたようで何よりです。 京都に行くと私は必ず大好きなお漬け物を数種買います。(笑)
正確に言うと大阪出身です^^ 京都には両親がリタイア後、居を構えました。 大学は京都でしたが大阪から通学していたので、実際に京都に住んだことはありません(汗) でも詳しいですよ^^
>”衝撃的なラスト”という予告通り、泣きながら震えてしまい... でも、その直後の・エンディングテーマとかぶさったラストシーンがとても爽やかで、心が安堵しました。
僕はあのラストシーンで今までに観たイーストウッドの多くの作品が走馬灯のように頭の中を回っていました。
>ミリオンダラー・ベイビー同様、色々と考えさせられる重い内容ですが、さすがクリント・イーストウッドと言わざるを得ません。
仰る通りだと僕も思いました。
>身内であるのに見せ掛けだけで心の無い長男の嫁や孫達と、当初は嫌悪していたアジア人/モン族のハートフルな人柄→それにより打ち解けていく関係の対比の描き方も上手いなと感じました。
そういうところがイーストウッドの派手でない演出と素晴らしい表現手法だと思います。 これは役者であり監督であるから出来るのことだと思うのですが。
>タオ役のBee Vangがとてもキュートで、あんな弟が欲しいな、なんて思ってしまった。^^
朴訥な感じでしたね^^
>PS あいにく私はブログをしていないので、URLをお知らせすることが出来ず・・・恐れ入ります。
もし始めたらその際にはお知らせしますね。
そうでしたか。 piyoさんも結構映画をご覧になるようなので是非簡単でもいいですからブログで記録としてご自身残してみませんか? そのときは一番にお知らせくださいね^^ これからもよろしくお願い致しますm(__)m
京都楽しんでこられたようでなによりです。
私も近いうちに映画を見るために京都行きを計画しています(地元には来なくなってしまったので・・・)
イーストウッドには感服してしまいますね。
役者人生をこの作品で終えて、もはや悔い無しというのも分かる気がしました。
京都ご出身なんですね。GWは充実されていたようで何よりです。
京都に行くと私は必ず大好きなお漬け物を数種買います。(笑)
さて、私はGW突入前夜のレイトショーでグラン・トリノを観ました。
”衝撃的なラスト”という予告通り、泣きながら震えてしまい...
でも、その直後の・エンディングテーマとかぶさった
ラストシーンがとても爽やかで、心が安堵しました。
ミリオンダラー・ベイビー同様、色々と考えさせられる重い内容ですが、
さすがクリント・イーストウッドと言わざるを得ません。
身内であるのに見せ掛けだけで心の無い長男の嫁や孫達と、
当初は嫌悪していたアジア人/モン族のハートフルな人柄→それにより
打ち解けていく関係の対比の描き方も上手いなと感じました。
タオ役のBee Vangがとてもキュートで、あんな弟が欲しいな、
なんて思ってしまった。^^
PS あいにく私はブログをしていないので、URLをお知らせすることが出来ず・・・恐れ入ります。
もし始めたらその際にはお知らせしますね。
>あの最期のシーンには・・グサッときました。。
思えば、役者最後の決意表明なのでしょうか。。
そうだと僕は感じましたが。
>この作品、観るまではダークで重いだけのものかと思ってましたが、予想以上にユーモアや優しさに溢れた作品でした。
イーストウッドだからこそ、描きえた映画だと思いました。
思えば、役者最後の決意表明なのでしょうか。。
この作品、観るまではダークで重いだけのものかと思ってましたが、
予想以上にユーモアや優しさに溢れた作品でした。
>俳優引退の花道にふさわしい作品でしたね。
本当にそうでした^^
この映画の彼の役者としてのエキスが全て注入されていたと思います。
>いつも訪問させて貰っています。
ありがとうございます^^
>私も同じように思いましたよ。最後のウォルト姿を見たとき、これまでのイーストウッドの演じた役柄の姿とオーバーラップして見ていました。これで主演作が最後とは思いたくないですが。
まだまだやれると思うのですが、彼の才能は今後監督に集中した姿で楽しんでいきたいと思います!