ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そのものが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
by 茨木 のり子
今日、以前のノートを
ふとしたことから、
読み返す事になりました。
その1ページに、
自分で記していたのが上記の詩です。
「ばかものよ」
この一語が、
今の私の心に突き刺さりました。
幼少の頃、
父から「ばかもの」と
叱られた記憶も蘇りました。(笑)
この頃の私に、
必要だからこそ、
この詩と
再会したのだと思います。
「ばかものよ」
奥が深い言葉です。