9月は鮭の遡上するシーズン。道民が呼ぶアキアジ(鮭)は、アイヌ民族の生活に欠かす事の出来ない大切な魚で、シペ(本当の食べ物)とかカムイチェプ(神の魚)と呼ぶそうです。
アイヌ語のアシリチェプノミは新しい鮭(アシリチェップ)を迎える儀式で、「川をきれいにしますから、海からたくさんの鮭を上がらせて下さい」と、カムイノミ(神への祈り)で豊漁を祈り、その年最初に採れた鮭を捧げる儀式だそうで、知識として片隅にはあったのですが、実際に見た事は無かったので行って来ました。
明治以降、川をのぼる鮭の全面禁漁に伴い儀式は消滅しましたが、アイヌ民族復権のひとつとして、1982年(昭和57年)におおよそ100年ぶりに復活し、今は道内各地で行われているそうですが、最初が札幌だそうで又ひとつ無知がバレましたが… ※札幌市のHPを参照しました。
開会式は1時ですが、昼頃には受付を済ませ募金をしてアイヌ料理の試食。いただいたリーフレットには儀式の進行の説明がありとてもありがたいです。保存版にします。
いただいたのはチェプオハウにイナキビご飯。生の鮭がどっさり入り、先日ウポポイでいただいたものよりおふくろの味と言う感じで美味しい! ドリンクまですみません。
準備している間に川辺に下りてみると、ポチャと跳ねる音がしたのは鮭でしょうか?
イナウがたくさんありましたが側に柳の枝があり、朝から削っていたのでしょうね。開会の前ですが国会議員の方のご挨拶、この日は2時から代表戦候補の討論会があるそうでご検討をお祈りします。そして早川実行委員長のご挨拶で儀式がスタート。
ところで若い人や女性が頭に巻いているのがマンタプシ、年配男性の冠をサパンペ・パウンペと呼ぶそうですが後者は一人ずつ形が違います。これは好みによるのか地域とかの違いなのか?知りたいことが一つ増えました。
シントコサンケと呼ばれる利き酒は、儀式で使用するトノト(御神酒)の品定めで、その結果を祭司のエシカに報告。その後トゥキ(酒杯)とイクパスイ(棒酒箸)が配られカムイへの祈りが始まり、酒の滴を捧げるのですが、その神は太陽の神に始まり村の神や海の神など20にも。
神聖な儀式であるのに、行儀悪く喉がゴクッとなる体の反応には…困ったものですが。
カムイノミを終えた後は女性によるイチャルパ。果物など捧げものが運ばれ、供物とイナウを捧げ先祖の霊に祈ります。参加者が済んだ後は女性限定で、残ったイナウの数だけ一般の人も参加もOKで、よりアイヌ文化の理解につながると良いですね。
儀式が終った後は、各地の保存会の皆さんによる古式舞踊の披露で、最後は一般の方も参加しての輪踊りで盛り上がりました。
個人的に興味があったのが、右端の男性が腰に下げたパーカッション。初めて見ましたが曲によって使い分けるのか?地域によるのか? またも知りたい事が増えた一日でした。