紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

下拵え!

2018年04月27日 | 家づくり。素材の話(木・左官・工法など)

お料理などで「下拵え(したごしらえ)」なんて言いますよね。

どんな世界でも共通かと思いますが、当然家づくりにもバッチリ当てはまる言葉。特に自然の天然のものを扱うには、きっちりとした下拵えが必要です。あまり詳しくはありませんが、魚とかでも「食べやすく」「安全」「美味しく」「綺麗」にのために下拵えしたりするでしょ。

まったく「木」も同じ。木と木を組んでしまえば、カウンターが壁に取り付けられてしまえば、造付け家具として出来上がってしまえば、普通にしゅっと納まっているけど、そこまでに持っていくのに、それ相応の苦労と手間が必要です(でも出来上がったものにその苦労が見て取れたら、それもまた上手くないと思います)

その下拵えの手間が要らないのが「既製品」なんでしょね。レトルトを温めるだけと同じ様に、ただ送られてきた材料をビスで止めるだけ。下拵えの手間を全て大きな工場で済ませてくれている。そうなればとても楽ですものね。もちろんそれで出来うるだけ上手く感じよく造っていくという事も必要なことかと思いますが、弊社は「自然と手仕事を大切にしたいつまでも愛着をもってお住いいただける家づくり」を大切にしておりますので、生き方が違うわけですね。

と、能書きはこれくらいにしまして、今朝の工房。

尾崎棟梁が一枚の無垢板と格闘しておりました。

材料を必要な寸法に切り取って、ここから若手大工の堺君がカンナで仕上げていきますと、

良い杢目がでてきました。一気に男前になってきましたね!

まだ完成ではなく、これからまだまだ大変な工程も残っておりますが、今日はひとまずこれで終わり。

同じ工房では

ブラックチェリーの無垢板も加工されるを待っております。先ほどはタモという樹種ですが、こちらは赤い。木って面白いですね〜。

ちなみに、先ほどの原板とは違いますが、別のブラックチェリーの下拵えが終わっておりましたのでパチリ。写真の撮り具合でちょっと赤く見えませんが、こちらも綺麗な板ですよ。

そうそう。下拵えと言えば、

連休明けに棟上げのM様家の刻みは

こんな複雑な梁の木組み加工も終わり、土台・柱・梁と全て終わりました。

このように皆出番を待っております!

あとは運ばれて現場で組立てられるのみですね。この色んな種類のある凸凹加工も組まれてしまうと分からなくなっちゃうのも、ちょいと寂しい感じもしますが、これから一生お客様家を守る木組みですから、なが〜くずっと頑張ってよ!という所です。

最後に、下拵えされたものを

現場で張っている(これは吉野桧の床の無垢板)姿を。こちらは金龍寺丁のF様家。現場では現場で、また色などを見て間配りながら配置を考えて張っていくわけです。

もともと、無垢の木を出してくれる材木屋さんや、それを材料に挽いてくれる製材屋さんから含めて、やっぱり木の家は色々なプロが力を合せて出来上がっていきます。

今、当たり前のようにやれている事も、考えてみればそのシステムを創り維持している日本の家づくり社会も凄いもんでありまして、確実に日本の文化でありますね。

段々難しくなってきている部分もあるかと思いますが、やっぱり弊社はここをしっかり守って、お客様にいつまでも喜んでお住いいただけるお家を造ってまいりたいと思います。

というわけで、皆様GWをお楽しみくださいませ。弊社は暦通りの営業でございます。展示場もいつも通り毎週日曜日の開場です。よろしくお願いいたします!

和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)

 

 

 

 

 

 

 

 

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