邦題はナチスが恐れた義足の女スパイで副題は伝説の諜報部員ヴァージニア・ホールですが、
原題は「A Woman of No Importance」で
副題はthe untold story of the American spy who helped win World War IIです。
相変わらず、邦題と原題では違いがあります。
本は彼女の生い立ちから晩年までが書かれています。
物語の中心は当然第二次世界大戦においてのフランスでのレジスタンス活動が度の様に展開していたかが分かります。
自分はこの事実に着いては知りませんでした。
イギリス特殊作戦執行部 (SOE)やアメリカCIA の前身OSSの特殊工作員としてナチス統治下のフランスに単身で潜入、
仲間の脱獄や破壊工作に従事、レジスタンスからも信頼され、
第二次世界大戦を勝利に導いた知られざる女性スパイの活躍を描く実話です。
その中で軍関係者の女性に対しての差別意識が良く描かれています。
特にインテリジェスの大切を分かっているのが彼女であり、SOE及びOSSの無能が分かります。
原題では「つまらぬ女」ですが、女性差別への皮肉としか思えません。
この本に描かれているレジスタンス活動は映画「The Longest Day」の中でも描かれています。
自分の持っている本に「D-DAY」著者ウィル・ファウラーが書いている
第2章「情報活動とレジスタンス」を再読しましたが、
書かれている内容は同様であり、本書の方が詳細であります。
何処に投下すればよいか、爆撃機に対しての誘導方法については感服しました。
現在では当たり前ですが、情報分析と対応作戦は別々に実施されていますが、
彼女はその両方を行なっている事は判断力と即効性の重要性が問われています。
そしてなんといってもピレネ-山脈を超えるシーンは凄いとしか言いようがありません、
自分も少し山を歩きますが、こんなところを超える力はありません。
ヴァージニア・ホール凄腕(すごうで)の女スパイがおられたことを心に刻んでおきたいと思いました。