オセロゲームでは『隅を取るのが有利』とあの頃既に知っていたから、ぼくはイチ子と対戦するとき出来るだけそうしないようにしていた。 イチ子も『隅を取れば有利』を知ってか知らでか、わざとそれを避けているようにも見て取れた。 だからぼくは、否が応にもイチ子が隅を取らざるを得ないよう、更に念のいったテクニックを駆使する必要があった。 その結果、惨敗十四という、ぼくの偉業は達成された。