きみの靴の中の砂

5時間も決めかねているのだった





 午前4時の40号線 —— カーラジオも点けず、今は車のエンジン音しか聞こえない。2時間ほど前に遠くを走るサンタフェ鉄道の灯りが見えた。オクラホマシティから延びてきた路線だろう。夜明けまであと3時間。さっき、すっかり寝静まったアマリロの郊外を通過した。このスピードなら、昇った朝日がバックミラーに反射する頃には、ニューメキシコ州最大の都市アルバカーキに着く。

 さて、それから北上して25号線を州都サンタフェへ行くか、このまま西へ行くか、実はもう5時間も決めかねているのだった。

 

 

【Wynonna Judd - Tell Me Why】

 

 

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