きみの靴の中の砂

夜が更ける頃

 

 

 空腹を感じたら、それを満たすだけのなるたけ少量の粗食を摂り、陽の高いうちに眠くなれば、しばし居眠りをする。

 目覚めていれば、こぢんまりした一文をどこからか見つけてきて、ノートに書き写し、幾度か声に出して読み上げてみる。画家で言うデッサンのようなものだろうか…。

 

 そうするうちに夜が更ける。

 

 その過程でなにか閃くものがあって、なにかできそうな予感がしたら、チューブ入り生ワサビのように、きみのための新たな一行をギューッと搾り出す。

 

 

 

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