一月の第2日曜日。 そして昼下がり。 食卓には小さな水盤にキャベツの芯が生けてあって、そこから若い芽が五つ、六つ、見慣れない珍しい葉を延ばしている。他に焼きたてのパンとカボチャのスープがあって...。 「音楽はなにをかけようか?」とぼくが聞くと、きみは、「そうね、冬の歌を聞かせて」とキッチンから通る声で応える。 『冬の歌』って、それだけ? なんてハードルの高いリクエストなんだ! 【高野寛 - 冬物語】