きみの靴の中の砂

なぎさホテルの朝





 きみの本棚に、手書きの仏蘭西語で『夏の手帳』とタイトルを書き込まれたノートが十冊程残されている。それは、きみが好きだった夏の旅の記録、そして写真日記。

 しかし、続編が書かれることは、最早、物理的ない。

 きみの記述をなぞり、訪ねてみようかと、今朝、急に思い立ったのだった。

                            

 最初の頁。『旅の始まり。なぎさホテルの朝』




Shelley Fabares / Breaking Up Is Hard To Do


 

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