きみの本棚に、手書きの仏蘭西語で『夏の手帳』とタイトルを書き込まれたノートが十冊程残されている。それは、きみが好きだった夏の旅の記録、そして写真日記。 しかし、続編が書かれることは、最早、物理的ない。 きみの記述をなぞり、訪ねてみようかと、今朝、急に思い立ったのだった。 * 最初の頁。『旅の始まり。なぎさホテルの朝』 Shelley Fabares / Breaking Up Is Hard To Do