きみの靴の中の砂

無茶で強引な取り付け方




 『欠かせない持ち物』のことを、ファッション系のマスコミが『マストアイテム』と呼んで久しいが、この言葉は他のフィールドでも使われるようになったのだろうか。
 トラッドなファッションには、まだいくらか関心があるが、最新のそれには多少縁のなくなった今、そういう服飾分野の新語を使う機会もまた少ない。

 さて、漠然と『欠かせない持ち物』は何かと訊かれたら、真っ先に頭に浮かぶのは自分なりに練り上げてきた『取材ツール』をあげよう。
 最近は携帯に付いているデジカメにも高画質なものがあるので、わざわざ大きなデジタル・カメラを持ち歩く必要もなく、記事を写メにして自分のパソコンに送っておけば、昔の作家のように膨大な取材ノートを作る必要もない。メモをとる暇すらない場合は、携帯を簡便なボイスレコーダー代わりに使えば、あとは『簡単なメモをとるための小さなノートと資料をまとめておくファイルポケット』があればいい。どうしても長時間の録音が必要な時は、普段持ち歩いている iPod にマイクを取り付ければ用が足りる時代だ。

 今日は、タイトル・ピクチュアに掲げた『簡単なメモをとるための小さなノートと資料をまとめておくファイルポケット』について注釈を付けたい。なにしろ、行きついた結果はさほど高価なものではないが、ここまでに注ぎ込んだお金と時間は計りしれない。

 まず、写真にあるのは五種類のツール。左側に二冊の薄いノートがゴム紐で拘束されているが、それがモレスキンの『カイエ』と呼ばれるソフトカバーの方眼ノート。一冊が『To Do』、もう一冊が『取材ノート、あるいは創作ノート』である。そしてそれらを固定している、いわゆる本体が、同じモレスキンのメモポケット(中が六つに仕切られている)。筆記具は、ファーバーカステルの 『パーフェクトペンシル UFO』 と呼ばれるエクステンション・キャップに鉛筆削りが仕込んであるものにトンボ鉛筆の『木物語』という消しゴム付きの白木のリサイクル(全て廃材利用の)鉛筆の短くなったものが差してある。そのパーフェクトペンシルをメモポケット本体に固定しているのがトラベラーズノート用の『ペンホルダー S』で、この取り付け方法は見る人が見ればわかるだろうが、無茶で強引な取り付け方(底にフォルダーを差し込むための切り込みを入れた)を決行した。このセットの中で、自慢できるところがあるとすれば、その無茶で強引な取り付け方くらいか。

 六つに仕切られたメモポケットの内訳は、
1. 未整理の書類(錠剤が入っていることもある)
2. 自分の名刺(10枚くらい)
3. 他人からもらった名刺(未整理のもの)
4. 現時点で携帯していた方がいい重要書類や他人の名刺
5. 財布に入れておく程ではないが、利用頻度の比較的高いカード類(図書館の貸出カードなど)
6. メモ用紙代わりに使う情報カード(125mm×75mm)、ポストイット

 『6.』のおかげで、いざというときは、このメモポケットだけ持って外出しても不便はない。さらに近場に軽装で出かける時は『To Do』ノートだけ持つこともある。その場合、表紙裏のポケットに名刺を二、三枚入れておくことにしている。

 旅に出る時は、このセットに携帯と iPod、荷物に余裕があれば別に高画質のデジタルカメラと水筒を持つ。昔は水筒に白ワインを入れることもあったが、今は酒を止めたので、もっぱら紅茶にしている。


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“Bang en boomerang” Svenne & Lotta


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