きみの靴の中の砂

誰もいない

 

 

 半世紀前、美術館などで空いた時間に鑑賞したいとき、どの時間帯が良いかというと開館直後というのが相場だった。五十年経った今は、暇でお金持ちで元気な老人会が朝っぱらからバスで乗り付けるので、開館前に入口で行列を作っている。かつて、それを見て、回れ右して上野から帰ってきたことがあった(確か仏教美術の展示だったような記憶がある。取り分け、年寄り好みの企画だ)。あとから事情通に聞くと、ゆっくり観たいなら閉館小一時間前が宜しいと言う。

 秋の仁和寺も同様で、その時間帯は、言いようのない不思議な寂しさが漂っていた。

 
 
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