きみの靴の中の砂

夏休みの宿題の絵日記

 

 

 フランスの小説家でジャーナリスト、加えて放送作家のロジェ・グルニエが、自分と写真の関係について、その著書『写真の秘密』の一項『ひとつの源泉』の冒頭でこんなことを書きとめている —— 『書くことの道に入ると、写真というのは、自分で撮ったかどうかにかかわらず、思い出や資料といったものを越えた存在となる。それは想像力のためのトランポリン、インスピレーションの源泉なのであって、わたしはそれなしに済ますことはできそうにない。エクリチュールは、残された熱のおかげで、フィルムがうまく撮影するのに成功したひとりの人物、あるときからはもうそこにはおらず、過去のなかに呑みこまれてしまった人物の奇妙な赤外線写真と、似たようなものとなるのだ。(宮下志朗訳)』

                    

 一枚の写真に定着された情景は実に多くを語る。

                    

 子供の頃の『夏休みの宿題の絵日記』 —— ぼくは、それを終える理由を見つけられないまま、今もまだ書き続けている。

 

 


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