シャワーからウッドデッキに戻ったイチ子が、シトラスノートの風を連れている。 コロンかと聞くと、「もしかしたら、ボディソープがそんな香だったかも...」と笑う。 日本では万作の花が咲く頃だっただろうか —— 今から十五年も前のケアンズのビーチクラブでのことだ。