小千谷から(Ojiya kara)

新潟県中越大震災の、とある被災者からのメッセージ
(リンクはご自由にどうぞ。ただし転載はご遠慮ください。)

忘れられていく

2005年05月26日 11時03分09秒 | 新潟県中越大震災・地震
「なんか疲れたよね。」という声がちらほら聞かれる。
地震、大雪とがむしゃらに突っ走ってきて春が来て、気が張ってたのが一気に切れた。

バーンアウトしてしまった人もいる。
小千谷の復興のために!とすごく張り切ってた。
スッパリと休職し静養されているというけれど、大丈夫だろうか。

のんびり趣味のために使いたい時間も家の片付けと育児に追われて気ぜわしい。
やっと体操着に運動会の色布をつけた。きょうだい多いと大変。
アイロンではりつけられるタイプにしてよ~。

倒壊した建物。
地震でつぶれたのか雪でつぶれたのか解体業者が重機で崩したのか
一見なにもわからない。
「ナマナマしいね~」と通り行く人はしげしげと見るだけ。
ここはいつまでこの状態のままなんだろう。

ご近所さんにやっと業者さんが入った。
ガガガガーーという振動や突然の大きな物音に私はビクッとなる。

遠くにいる両親にはたぶんこんな生活理解されてない。
地震から半年以上経って雪が融け、そろそろ落ち着いたろう~と思われてる。
結婚するときに「なんでそんな遠いところに嫁に行く!」と大反対されたのもあるし
もともと私は両親には泣き言は言わない性格。
言ってもわかってもらえない、だから言う気もさらさらない。
何も言わなければ実の娘の実情もわからないのだから、これもちっちゃな「風化」かな。

好きな人が自分から関心がなくなるようなさびしい気持ちといえばいいのか。
ぽつーんと取り残されたような気持ち。
自衛隊が帰っていったとき私は涙が出るくらい悲しかった。
よそから嫁に来てるからかな。
他県ナンバーの車も日赤のマークもうれしかった。

なんでかな。
わけもなく涙が出る。
わざわざ電話する話でもないし、する人もいない。
なにがあったわけでもないのになんでこんなにさびしくなるんだろう。