所感だ。
今話では特にリュックに激しく感情移入できる。 自分にとっての時計を10年以上巻き戻した。
若く野心に溢れ、また組織や社会や国が成長過程にある段階なら自分の思い通りにならなければ
「くだらねえ! 辞めてやらあ!!」
と大啖呵切れるがそうでなくなると、特にここ4、5年くらいの日本だともう出世レースとか栄達とか
より一先ず今の場所で安定が欲しい。完全に駄目になってから考えれば良しで大博打やる余裕は
もう無いのだ。 この小説が書かれた当時の日本の精神状態にならないと感情移入できないだろう。
28話に入ってフランソワーズ、タルエル、セバスチャン、エドモン、ギョームとペリーヌ物語後半の
「マロクール篇」 の主要人物が全て揃う。 予備知識無しで読む独立した話か、マロクール篇への
伏線として読むかで物語世界の見え方が全く違ってくる。 自分的にはどちらの読み方でも名作だが!