ブランド総合研究所は6月20日、番号ポータビリティ(MNP)開始以降の携帯キャリア乗り換え実態に関する調査結果を公表した。
(中略)
携帯キャリアの乗り換えを考える際に最も重視した項目は「料金(料金プラン、割引サービスなど)」。乗り換え目的項目の半数を超える55.4%を占め、「携帯電話機」の19.2%、「携帯キャリアのネットワーク(エリア、通話品質など)」の18.1%を大きく上回った。端末の機能そのものや通信エリアなどにおける差別化要素は少なくなってきており、携帯キャリアの変更、乗り換えを検討する場合は「料金」が検討項目の中心になるという消費者心理を克明に示しているとする。
乗り換え後の料金は「安くなった」が全体の50.5%を占めた一方、「高くなった」と答えた人も22.6%存在した。その印象も「予想より安くなった」が17.7%、「予想通り」が38.8%、「予想より高くなった」が29.8%。乗り換えの主目的が料金だっただけに、「期待がはずれた」という印象を持つ人もかなり多いことを明示する。
ただし、料金に対する評価は乗り換え先の携帯キャリアによって大きく異なる。携帯キャリア別に見ると、ソフトバンクモバイルは「安くなった」が74.6%で「高くなった」の9.9%を大きく上回った。
ITmedia D モバイル:キャリア乗り換え、3割が「期待はずれ。予想より高くなった」──ブランド総研調べ
このアンケート調査によると、MNPする主目的の過半数が料金を安くするために移転しているようだ。
しかし、図を見ると、auやDoCoMoへ移転したユーザーは実際には「安くなった」が「高くなった」よりもわずかに多いだけだ。
それに比べて、ソフトバンクに移転したユーザーの3/4が「安くなった」と回答している。「ホワイトプラン」や「オレンジプラン(X)」など他社よりも安い料金設定なのだから当然とも言える結果だ。
しかし、ソフトバンクへ移転したユーザーにも「高くなった」と回答する人も1割存在する。これは料金システムを良く理解しなかったためと済ましていいのだろうか?
ここからは推測だが、やはり「新スーパーボーナス」による端末の割賦販売が影響していると思われる。月額980円の「ホワイトプラン」だと思っていたが、端末によってはさらに2千円近く請求が発生する場合がある。これでは確かに期待通り安くならなかった感じてもおかしくない。
店頭では説明があるかもしれないが、お客は「お持ち帰り 頭金0円」と大きく表示された端末を選ぶと、実は毎月数百円から2千円前後の支払いが生じると店員の説明を聞いてから初めて知るのでは「騙された」と感じるのも無理はない。行き過ぎた「0円」表示が誤解を招いているというのをいまだに改善しようともしないのは問題がないのだろうか?
ただ、料金は他社よりも安いが、157(総合案内)や一部のソフトバンクショップの対応はまだまだひどい部分もあるので、ソフトバンクに料金以外の面で過大な期待はしない方がいいだろう。そういう面を重視するユーザーはDoCoMoやauの方が良さそうだ。