2019/6/2
「お金をかけずに生活を楽しむために」 つれづれ思うこと
「ドイツ人はお金をかけずに生活を楽しむ達人」とのことである。
お金をかけて生活を楽しむことは簡単だろう。しかし、お金をかけずに生活を楽しむには、それなりの工夫がいる。
「お金をかけずに」という点について、ドイツ人と私との共通点を考えてみることにした。
完全退職してから後、「サンデー毎日」的に、「時間はたっぷりとある生活」を過ごしている。10年以上前から現在に至るまで、「晴耕雨読が可能な生活」を送っているのだが・・・。晴耕雨読だけでは、楽しみは少ないので、「旅行」をしたり、「観光ボランティア」をしたりもしている。どれも「楽しいこと」だから続いている。
ドイツ人はお金をかけずにどういうふうに「生活を楽しむ」のであろうか・・・?
『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読み直してみた。その内容によると、「ドイツ人はお金をかけない娯楽が好き」とまとめられてあった。
休暇でよかった点(複数回答可のアンケートによる結果)
1位 「太陽の光と自然」 78%
2位 「家族と過ごす時間」 67%
3位 「普段住んでいる場所とは違う場所に行けたこと」 66%
となっている。
ドイツ人の休暇をとる主たる目的が想像できるデータである。
総じて、「海辺や山で自然を満喫すること、そして家族と一緒に時間を楽しむこと」を休暇の目的としている。「お金をかけずに」楽しむ方法として、一番人気があるのは、「サイクリング」とのことだ。自転車を買ってしまえば、あとはそれほど費用はかからない楽しみ方になる。ドイツでは、自転車を列車・車・船に乗せたりする場面をよく見かける。サイクリングコースも整備されている。国民が「お金をかけずに楽しむ」ために、国家挙げて法律的にも協力している。列車に自転車を乗せることを日本ほどうるさく規制していない。(日本のように袋に入れなくてもよい。多くの列車で、そのままで乗せることが可能。)
サイクリング以外に、ハイキングをしたり、湖で泳いだり、草地で寝転んで日光浴をしたり・・・と、自然を満喫することを楽しんでいるようだ。こういう娯楽が主である。だから、ほとんど「お金をかけずに」休暇を過ごしているようだ。
アンケート結果とも照合する。
以下、ドイツまたはドイツ人の特長を表現してみると
・ドイツ人はお金をかけない娯楽が好き(ケチ?倹約する人が多い)
・ドイツ=サイクリング天国
・自転車通勤は「クール(かっこいい)」と考える。
・豊かな緑を大切にして、散歩やジョギングなどを楽しむ人が多い。
・ウィンタースポーツも盛んに楽しんでいる。
・お金をかけずに快適な旅行ができる国。
・旅行では、一箇所に長期滞在するのが主流
一方、退職後の私の「生活の楽しみ方」を振り返ってみると・・・
・晴耕雨読の生活が基本で、畑作業を楽しんでいる。読書は書店・図書館の利用で。
・お金をかけずにできる旅行を楽しんでいる。青春18切符利用による「歩き旅」や旅先での「レンタル電動自転車利用」など。
・格安航空(ピーチ・ジェットスターなど)や安価なホテルを利用して、滞在型旅行を楽しんでいる。
「お金をかけない娯楽が好き」という面では、多くのドイツ人と同じだと言えるだろう。
もっとも、私の受け取っている年金額が大企業に勤めていた方に比べると少なく、(厚生年金受給者の平均額程度)だという状況もあり、豪華な旅行はできない。若いころに、老後生活に向けて、ある生命保険会社と「私的年金」を契約していたのだが、その生命保険会社が倒産してしまったので、老後生活の予定が減額になってしまった。今では、その保険の受取額は「ゼロ」になってしまった。人生、うまくいかない契約を結ぶ場合もあるものです。
その会社が倒産しなければ、死ぬまで「月々10万円」が私的年金としてプラスできていたのだが…。まあ、保険会社がつぶれることもありましたね。最近は、そういうニュースはありませんが…。銀行もいろいろありそうですね。今後とも、お互いに気を付けたいものです。
以上です。最後は、生命保険会社へのボヤキになってしまいました。
今後とも、今まで同様に年金収入の予算の範囲内で、「ケチ?倹約生活」を楽しんで過ごそうと思います。
お金をかけて生活を楽しむことは簡単だろう。しかし、お金をかけずに生活を楽しむには、それなりの工夫がいる。
「お金をかけずに」という点について、ドイツ人と私との共通点を考えてみることにした。
完全退職してから後、「サンデー毎日」的に、「時間はたっぷりとある生活」を過ごしている。10年以上前から現在に至るまで、「晴耕雨読が可能な生活」を送っているのだが・・・。晴耕雨読だけでは、楽しみは少ないので、「旅行」をしたり、「観光ボランティア」をしたりもしている。どれも「楽しいこと」だから続いている。
ドイツ人はお金をかけずにどういうふうに「生活を楽しむ」のであろうか・・・?
『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読み直してみた。その内容によると、「ドイツ人はお金をかけない娯楽が好き」とまとめられてあった。
休暇でよかった点(複数回答可のアンケートによる結果)
1位 「太陽の光と自然」 78%
2位 「家族と過ごす時間」 67%
3位 「普段住んでいる場所とは違う場所に行けたこと」 66%
となっている。
ドイツ人の休暇をとる主たる目的が想像できるデータである。
総じて、「海辺や山で自然を満喫すること、そして家族と一緒に時間を楽しむこと」を休暇の目的としている。「お金をかけずに」楽しむ方法として、一番人気があるのは、「サイクリング」とのことだ。自転車を買ってしまえば、あとはそれほど費用はかからない楽しみ方になる。ドイツでは、自転車を列車・車・船に乗せたりする場面をよく見かける。サイクリングコースも整備されている。国民が「お金をかけずに楽しむ」ために、国家挙げて法律的にも協力している。列車に自転車を乗せることを日本ほどうるさく規制していない。(日本のように袋に入れなくてもよい。多くの列車で、そのままで乗せることが可能。)
サイクリング以外に、ハイキングをしたり、湖で泳いだり、草地で寝転んで日光浴をしたり・・・と、自然を満喫することを楽しんでいるようだ。こういう娯楽が主である。だから、ほとんど「お金をかけずに」休暇を過ごしているようだ。
アンケート結果とも照合する。
以下、ドイツまたはドイツ人の特長を表現してみると
・ドイツ人はお金をかけない娯楽が好き(ケチ?倹約する人が多い)
・ドイツ=サイクリング天国
・自転車通勤は「クール(かっこいい)」と考える。
・豊かな緑を大切にして、散歩やジョギングなどを楽しむ人が多い。
・ウィンタースポーツも盛んに楽しんでいる。
・お金をかけずに快適な旅行ができる国。
・旅行では、一箇所に長期滞在するのが主流
一方、退職後の私の「生活の楽しみ方」を振り返ってみると・・・
・晴耕雨読の生活が基本で、畑作業を楽しんでいる。読書は書店・図書館の利用で。
・お金をかけずにできる旅行を楽しんでいる。青春18切符利用による「歩き旅」や旅先での「レンタル電動自転車利用」など。
・格安航空(ピーチ・ジェットスターなど)や安価なホテルを利用して、滞在型旅行を楽しんでいる。
「お金をかけない娯楽が好き」という面では、多くのドイツ人と同じだと言えるだろう。
もっとも、私の受け取っている年金額が大企業に勤めていた方に比べると少なく、(厚生年金受給者の平均額程度)だという状況もあり、豪華な旅行はできない。若いころに、老後生活に向けて、ある生命保険会社と「私的年金」を契約していたのだが、その生命保険会社が倒産してしまったので、老後生活の予定が減額になってしまった。今では、その保険の受取額は「ゼロ」になってしまった。人生、うまくいかない契約を結ぶ場合もあるものです。
その会社が倒産しなければ、死ぬまで「月々10万円」が私的年金としてプラスできていたのだが…。まあ、保険会社がつぶれることもありましたね。最近は、そういうニュースはありませんが…。銀行もいろいろありそうですね。今後とも、お互いに気を付けたいものです。
以上です。最後は、生命保険会社へのボヤキになってしまいました。
今後とも、今まで同様に年金収入の予算の範囲内で、「ケチ?倹約生活」を楽しんで過ごそうと思います。
<form action="https://gold.ap.teacup.com/applet/keke7761/1199/clap" method="POST"><input type="submit" value="拍手" /></form>
5

タグ: ドイツ人から学ぶ
2019/5/26
「『続き その2』」 つれづれ思うこと
前回のブログ『続き その1』の続きです。細切れになってしまい、申し訳ございません。
「時間に追われず、ゆとりのある生活がしたい」と考えているドイツ人は多い。日本人も同じようにゆとりある労働・生活をしようと願っているのだが、現実は厳しい。
現在の日本の労働環境はかなり厳しいものだ。非正規で働いている人が労働者全体の約3分の1に達している。彼らは「厚生年金制度」から外れている人が多いし、(つまり、ほとんどの人は国民年金制度のみによる年金生活になる見通し。)退職金制度のない契約で働いている場合が多いようだ。雇用条件が不安定のままで働いている。1年だけの契約や3年が過ぎた時点で契約はどうなるかわからない…など。こういう状況では、将来への展望は持ちにくい。
しかし、若者はどういうわけか、今の政権を支持する人が多いようだ。どう考えたって、彼らが高齢化する頃に、国民年金のみという年金をもらうだけで、苦労するに違いない。やはり、「正社員」(年金資金の半分は会社が負担してくれる点が正社員である最大の良さ)として長く働いてこそ、老後も安定するはずなのに…。昔は「会社で働く人=ほとんど正社員」だったのに、すっかり日本は変わってしまった。悪い方向へ…。こんな政権をなぜ支持するのだろうか?
「カローシ」などという言葉が、世界に通じる言葉になっている。不名誉な日本の現実である。悲しい日本の現実である。若者たちよ、「カローシ」しないように働いてくださいよ。
ちょっと、脱線しました。話を元へ戻します。
ドイツから学ぶべき点は、労働者中心の法律を多く作っていくべきだという点であろう。たとえば、ドイツには「閉店法」という法律がある。お金儲けが中心の発想ではなく、働く人を守るために作った昔からある法律らしい。
その法律によると、店を開ける時間が規制されている。夜8時から午前6時までは店を開けてはならないし、日曜と祝日の店の営業は原則として禁止されている。例外はあるが、ガソリンスタンド・薬局・空港・大きな駅の売店ぐらいに限られている。
ドイツには24時間営業のコンビニやスーパーはない。働く人中心に考えているからであり、会社の社長や国民もそのことを大切にしているようだ。国民性の違いもあるのだろう。
日本は、会社が儲かるかどうかが一番のポイントであり、ドイツは働く人が幸せかどうかがポイントになっているようだ。
24時間営業していないドイツでの生活は、一見不便なようだが、働く人のことを考えて、無理はさせない働き方を重視しているようだ。つまり、労働者中心の考え方が徹底しているらしい。だから、「カローシ」する人はいない。一方日本では、「カローシ」や「ストレスによる休職」、「うつ病による退職者」などが多い。
「おもてなし大国の日本」に対して、「サービス砂漠のドイツ」と言われる。ドイツでは、サービスが悪いが、それにはきちんとした理由があるのだ。
日本は世界一便利だが、その便利さを実現するために「忙しさ」という面が背後にあり、「忙しさ」が働く人を苦しめている。無理して誰が得しているのか? 労働者をこき使っている「会社」だ。会社は儲けを「内部留保」し、貯める一方だ。どんどんもうけを「内部留保」していっている。かわいそうなのは、労働者たちだろう。
行き過ぎた「おもてなし」が働く人たちを苦しめている。
「生きていくためには働いてお金を稼がなくてはならない。その点は日本人と同じだ。しかし我々日本人と比べると、ドイツ人はお金や消費に振り回されず、それ以外の価値を重視している印象が強い。つまり、『お金だけがすべてではない』と考える人の割合が、日本よりも多い。」
と著者の熊谷氏は述べている。
お金の奴隷にならないように、「ほどほどの生活をすることで満足している市民が圧倒的に多い」とも述べている。
月給を増やすことよりも、家族と過ごす時間を大切に考え、「休暇日数アップ」を希望する人が多い。
それでなくても、現在世界一年間の労働時間が短い国なのに、さらに休暇を求めようとするのだから…。国民性の違いを感じますね。
年間労働時間を比べてみると
2000時間超・・・ギリシャ 韓国 メキシコ
1700時間台・・・日本 アメリカ など
1600時間台・・・カナダ イギリス
1500時間台・・・フランス
それらに対して、ドイツは1300時間台なのだから、驚きだ。
日本よりも年間350時間も労働時間が少なくて、国の経済が回っているのだ!
ドイツには、「労働時間法」という法律で労働者を守っている。1日の労働時間は8時間以内が原則で、10時間を超えてはならない。超えた場合、他の日を少なくし、一日平均8時間以内にしなければ、経営者は罰せられる。
監督官庁による労働時間の監視が日本のように甘くはない。かなり厳しく監視されている。労働者を守るためである。罰金で済まない場合は、(悪質な違反の場合)刑事告発されるほどである。
経営者並びに管理職の任にあるものは、「労働時間法」をきっちり守ろうとするようである。さらに、有給休暇(ドイツでは30日)の消化率は100%が常識であり、日本とは大きく違う。日本では、消化率50%とのことである。先進国では最悪の消化率である。(ちなみに、私は職業柄、有給休暇を一年間で3日ぐらいしか取れなかった。毎年17日間ほど残していた。日本という国は、全体的に有給休暇を取りにくい仕組みになっている。一部の会社はとりやすいようだが・・・。)
ドイツの会社の管理職は、有給休暇を100%消化していない部下がいる場合、経営者又は組合から「あなたの人事管理能力は低いのではないか」とつっこまれるようである。だから、管理職はきちんと有給休暇をとれる状況にすることになる。そういう労働に関する伝統がある国なので、「長期休暇を取ることは労働者の当然の権利」になっている。一年中誰かが長期休暇を取っていても、会社は回っている。国民一人当たりのGDPランキングは、日本よりかなり上で、効率よく働いていることが分かる。日本はあくせく働いている人が多いにもかかわらず、「無駄な労働」が多いようだ。
有給休暇を取ると、罪悪感を感じる人(日本では63%もいるようだ)が多いのも、日本の国の現実なのである。アメリカやヨーロッパなどの国々では、ほとんどいないらしい。
ドイツでは「長期休暇はお互い様」ということになり、全員が遠慮なくとることになる。それで、会社をうまくいかせるのが、経営者や管理職の手腕なのだ。
長期休暇をお互いがとれる会社=ドイツの会社
有給休暇でさえ気兼ねしながら取る会社=日本の会社
この違いは大きい。「コンビニ経営は地獄だ」と漏らす経営者が出始めている現在の日本。
一旦コンビニ経営を始めると、「24時間営業」を契約させられる。契約違反をすると、違約金を1000万円以上も課されたというニュースは最近のことである。
「24時間営業」は国民にとっては便利だが、経営者の見通しが狂うと「地獄」が待っているようだ。恐ろしい労働環境は、コンビニ業界だけの話ではない。
今後の日本は、労働者が幸せに働けるように「労働者を守るための法律」を作っていくべきであろう。
ドイツが何もかも素晴らしいということを言いたいのではなく、ドイツから学ぶべきことは少しでも「日本流に」取り入れていくべき時代になっている、ということを言いたいわけです。
自民党政権は「企業の儲け中心の法律」ばかりを作ってきました。
労働者が幸せにならない法律がいろいろありそうです。自民党政権では、視点・観点の変化は起こりません。自民党以外の視点で、世の中を見て変革すべきでしょう。
次の国会議員選挙において、自民党政権が揺らぐことを期待しています。
金持ちがさらに豊かになれば、労働者も豊かになるという理論は、ウソでしたね。
金持ちが豊かになっていくにつれて、貧富の差がどんどん開いていきました。日本が(一見)発展するにつれ、かえって貧しい家庭が増えました。
*参考データ 貧困率について(OECD加盟国35か国中)
ワースト1 アメリカ 16.8%
ワースト2 日本 16.3%
(ただし、ひとり親世帯の貧困率比較では、日本がワースト1 になっている。特に母子家庭の貧困ぶりがデータではっきりしている。)
経済大国№1と№3の国において、ものすごく貧富の差が開いている。アメリカの経済理論によって、経済が栄えても、両国共に多くの国民は苦しんでいる。これは、やはり「政治が悪い」からであろう。大企業優遇・金持ち優遇の政治はストップさせなければならない!
選挙が近いようです。一票を大切に使いましょう。世の中を変革するのは、やはり、選挙の力です。
まとまりもなく、長くなりました。以上、まとめとします。(文脈が3回に分かれてしまい、読みにくかったと思います。この問題へのお付き合い、ありがとうございました。)
「時間に追われず、ゆとりのある生活がしたい」と考えているドイツ人は多い。日本人も同じようにゆとりある労働・生活をしようと願っているのだが、現実は厳しい。
現在の日本の労働環境はかなり厳しいものだ。非正規で働いている人が労働者全体の約3分の1に達している。彼らは「厚生年金制度」から外れている人が多いし、(つまり、ほとんどの人は国民年金制度のみによる年金生活になる見通し。)退職金制度のない契約で働いている場合が多いようだ。雇用条件が不安定のままで働いている。1年だけの契約や3年が過ぎた時点で契約はどうなるかわからない…など。こういう状況では、将来への展望は持ちにくい。
しかし、若者はどういうわけか、今の政権を支持する人が多いようだ。どう考えたって、彼らが高齢化する頃に、国民年金のみという年金をもらうだけで、苦労するに違いない。やはり、「正社員」(年金資金の半分は会社が負担してくれる点が正社員である最大の良さ)として長く働いてこそ、老後も安定するはずなのに…。昔は「会社で働く人=ほとんど正社員」だったのに、すっかり日本は変わってしまった。悪い方向へ…。こんな政権をなぜ支持するのだろうか?
「カローシ」などという言葉が、世界に通じる言葉になっている。不名誉な日本の現実である。悲しい日本の現実である。若者たちよ、「カローシ」しないように働いてくださいよ。
ちょっと、脱線しました。話を元へ戻します。
ドイツから学ぶべき点は、労働者中心の法律を多く作っていくべきだという点であろう。たとえば、ドイツには「閉店法」という法律がある。お金儲けが中心の発想ではなく、働く人を守るために作った昔からある法律らしい。
その法律によると、店を開ける時間が規制されている。夜8時から午前6時までは店を開けてはならないし、日曜と祝日の店の営業は原則として禁止されている。例外はあるが、ガソリンスタンド・薬局・空港・大きな駅の売店ぐらいに限られている。
ドイツには24時間営業のコンビニやスーパーはない。働く人中心に考えているからであり、会社の社長や国民もそのことを大切にしているようだ。国民性の違いもあるのだろう。
日本は、会社が儲かるかどうかが一番のポイントであり、ドイツは働く人が幸せかどうかがポイントになっているようだ。
24時間営業していないドイツでの生活は、一見不便なようだが、働く人のことを考えて、無理はさせない働き方を重視しているようだ。つまり、労働者中心の考え方が徹底しているらしい。だから、「カローシ」する人はいない。一方日本では、「カローシ」や「ストレスによる休職」、「うつ病による退職者」などが多い。
「おもてなし大国の日本」に対して、「サービス砂漠のドイツ」と言われる。ドイツでは、サービスが悪いが、それにはきちんとした理由があるのだ。
日本は世界一便利だが、その便利さを実現するために「忙しさ」という面が背後にあり、「忙しさ」が働く人を苦しめている。無理して誰が得しているのか? 労働者をこき使っている「会社」だ。会社は儲けを「内部留保」し、貯める一方だ。どんどんもうけを「内部留保」していっている。かわいそうなのは、労働者たちだろう。
行き過ぎた「おもてなし」が働く人たちを苦しめている。
「生きていくためには働いてお金を稼がなくてはならない。その点は日本人と同じだ。しかし我々日本人と比べると、ドイツ人はお金や消費に振り回されず、それ以外の価値を重視している印象が強い。つまり、『お金だけがすべてではない』と考える人の割合が、日本よりも多い。」
と著者の熊谷氏は述べている。
お金の奴隷にならないように、「ほどほどの生活をすることで満足している市民が圧倒的に多い」とも述べている。
月給を増やすことよりも、家族と過ごす時間を大切に考え、「休暇日数アップ」を希望する人が多い。
それでなくても、現在世界一年間の労働時間が短い国なのに、さらに休暇を求めようとするのだから…。国民性の違いを感じますね。
年間労働時間を比べてみると
2000時間超・・・ギリシャ 韓国 メキシコ
1700時間台・・・日本 アメリカ など
1600時間台・・・カナダ イギリス
1500時間台・・・フランス
それらに対して、ドイツは1300時間台なのだから、驚きだ。
日本よりも年間350時間も労働時間が少なくて、国の経済が回っているのだ!
ドイツには、「労働時間法」という法律で労働者を守っている。1日の労働時間は8時間以内が原則で、10時間を超えてはならない。超えた場合、他の日を少なくし、一日平均8時間以内にしなければ、経営者は罰せられる。
監督官庁による労働時間の監視が日本のように甘くはない。かなり厳しく監視されている。労働者を守るためである。罰金で済まない場合は、(悪質な違反の場合)刑事告発されるほどである。
経営者並びに管理職の任にあるものは、「労働時間法」をきっちり守ろうとするようである。さらに、有給休暇(ドイツでは30日)の消化率は100%が常識であり、日本とは大きく違う。日本では、消化率50%とのことである。先進国では最悪の消化率である。(ちなみに、私は職業柄、有給休暇を一年間で3日ぐらいしか取れなかった。毎年17日間ほど残していた。日本という国は、全体的に有給休暇を取りにくい仕組みになっている。一部の会社はとりやすいようだが・・・。)
ドイツの会社の管理職は、有給休暇を100%消化していない部下がいる場合、経営者又は組合から「あなたの人事管理能力は低いのではないか」とつっこまれるようである。だから、管理職はきちんと有給休暇をとれる状況にすることになる。そういう労働に関する伝統がある国なので、「長期休暇を取ることは労働者の当然の権利」になっている。一年中誰かが長期休暇を取っていても、会社は回っている。国民一人当たりのGDPランキングは、日本よりかなり上で、効率よく働いていることが分かる。日本はあくせく働いている人が多いにもかかわらず、「無駄な労働」が多いようだ。
有給休暇を取ると、罪悪感を感じる人(日本では63%もいるようだ)が多いのも、日本の国の現実なのである。アメリカやヨーロッパなどの国々では、ほとんどいないらしい。
ドイツでは「長期休暇はお互い様」ということになり、全員が遠慮なくとることになる。それで、会社をうまくいかせるのが、経営者や管理職の手腕なのだ。
長期休暇をお互いがとれる会社=ドイツの会社
有給休暇でさえ気兼ねしながら取る会社=日本の会社
この違いは大きい。「コンビニ経営は地獄だ」と漏らす経営者が出始めている現在の日本。
一旦コンビニ経営を始めると、「24時間営業」を契約させられる。契約違反をすると、違約金を1000万円以上も課されたというニュースは最近のことである。
「24時間営業」は国民にとっては便利だが、経営者の見通しが狂うと「地獄」が待っているようだ。恐ろしい労働環境は、コンビニ業界だけの話ではない。
今後の日本は、労働者が幸せに働けるように「労働者を守るための法律」を作っていくべきであろう。
ドイツが何もかも素晴らしいということを言いたいのではなく、ドイツから学ぶべきことは少しでも「日本流に」取り入れていくべき時代になっている、ということを言いたいわけです。
自民党政権は「企業の儲け中心の法律」ばかりを作ってきました。
労働者が幸せにならない法律がいろいろありそうです。自民党政権では、視点・観点の変化は起こりません。自民党以外の視点で、世の中を見て変革すべきでしょう。
次の国会議員選挙において、自民党政権が揺らぐことを期待しています。
金持ちがさらに豊かになれば、労働者も豊かになるという理論は、ウソでしたね。
金持ちが豊かになっていくにつれて、貧富の差がどんどん開いていきました。日本が(一見)発展するにつれ、かえって貧しい家庭が増えました。
*参考データ 貧困率について(OECD加盟国35か国中)
ワースト1 アメリカ 16.8%
ワースト2 日本 16.3%
(ただし、ひとり親世帯の貧困率比較では、日本がワースト1 になっている。特に母子家庭の貧困ぶりがデータではっきりしている。)
経済大国№1と№3の国において、ものすごく貧富の差が開いている。アメリカの経済理論によって、経済が栄えても、両国共に多くの国民は苦しんでいる。これは、やはり「政治が悪い」からであろう。大企業優遇・金持ち優遇の政治はストップさせなければならない!
選挙が近いようです。一票を大切に使いましょう。世の中を変革するのは、やはり、選挙の力です。
まとまりもなく、長くなりました。以上、まとめとします。(文脈が3回に分かれてしまい、読みにくかったと思います。この問題へのお付き合い、ありがとうございました。)
<form action="https://gold.ap.teacup.com/applet/keke7761/1197/clap" method="POST"><input type="submit" value="拍手" /></form>
4

タグ: ドイツの良さ
2019/5/16
「『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んで 【続き その1】」 つれづれ思うこと
*前回のブログの続きです。
どういう視点でその国を評価するかによって、その国は「豊か」なのか「貧しい(ゆとりがない )」かの感じ方が大きく違ってくるものである。
生活する面での安全性・便利さ・時間の正確さ・おもてなしの精神 などの視点からは、日本は世界一かもしれない。素晴らしい国=日本と評価されるケースが多い。
しかし、「生活が豊かであろうか?」という視点で見れば、豊かどころか・・・、実質は「貧しい(ゆとりがない )」生活を送っている人が多いのではないだろうか?
生活の豊かさは、「働くことの幸せ度」のよって、大きな認識がもたらされる。労働が幸せな人は人生そのものを幸せだと認識する人が多い。「労働条件」「労働環境」という視点から、日本を考えてみると、「貧しい国だなあ!」と認識してしまう。
年間労働時間・年間休日日数・一日の労働時間の制限(残業時間の制限)・休みがとりやすいかどうか などの観点から日本を見つめ直してみると、「日本の貧しい労働環境」が浮かび上がってくる。
祝日が増えてきて、以前に比べると、「年間休日日数」は増えてきているのだが・・・、実は「休暇が取りにくい」職場が多い。一部の大手企業は休暇を取りやすい仕組みになっているようだが、日本全体は休暇が取りにくい仕組みのままなのである。
(ここから続きです。)
ドイツ人が「低賃金にもかかわらず、生活に満足している点」をデータで調べてみた。
統計ポータル「スタティスタ」によると、アンケート調査で「自分の生活に満足していますか?」という問いに対して、
「非常に満足している」もしくは「かなり満足している」と答えた人の比率は、93%に達している。
一方、日本での同じようなアンケートでは、74%ほどである。20ポイントほど日本が低い。
「時間的なゆとり」という面での比較においては、日独間の格差がはっきりしてくるようだ。
こちらもアンケート調査によると、ドイツ人(4100万人の就業者)の約91%が、「現在の労働時間に満足している」と答えている。
日本人は約69%にとどまっている。22ポイントほど日本が低い。
また、経済協力開発機構(OECD)が実施した、各国市民の生活満足度についてのアンケートに結果によると、ドイツ人の満足度は7だった。10が満点で、OECD(38か国)平均は6.5であった。日本人の満足度は、5.9で平均値よりも低い。(38か国中29位)
日本の男性平均収入は500万円前後(女性は260万円ほど)というデータだが、男性の手取りは100万円ほど低い額だろう。手取りの日独比較においては、ドイツ人の方が少ないようだ。(ドイツ人の平均手取り額は290万円ほどらしい。さらに、ドイツでの消費税は19%もあり、節約生活をする人が多いようだ。)
金銭的には、日本人の方がやや豊からしいが、「生活の満足感」という観点では、ドイツ(その他OECD加盟国の多くの国々)に負けているようだ。
世界のレベルで見ると、日本人は「それなりに金銭的には豊かに暮らしている人」が多いようだ。近年は、実質賃金がどんどん低下してきている…。社会保険料や介護保険料などがどんどん高くなり、手取りがどんどん減ってきている。「10年後には、年金制度は破綻か?」などという記事が週刊誌に載ったりするようになってきた。年金制度が破たんすることはないが、年金受け取り額が減っていくことは予想される。
将来の不安、老後の不安などで、「時間にゆとりを感じられずに忙しく働いている」や「ゆっくりと退職後生活を過ごせない人」がどんどん増えてきている日本である。
それに対して、ドイツでは、「現状に満足」している人(現役ならびに退職後の人)が非常に多いようだ。
その背景を探ってみたい。
(この続きは「続き その2」へ)
どういう視点でその国を評価するかによって、その国は「豊か」なのか「貧しい(ゆとりがない )」かの感じ方が大きく違ってくるものである。
生活する面での安全性・便利さ・時間の正確さ・おもてなしの精神 などの視点からは、日本は世界一かもしれない。素晴らしい国=日本と評価されるケースが多い。
しかし、「生活が豊かであろうか?」という視点で見れば、豊かどころか・・・、実質は「貧しい(ゆとりがない )」生活を送っている人が多いのではないだろうか?
生活の豊かさは、「働くことの幸せ度」のよって、大きな認識がもたらされる。労働が幸せな人は人生そのものを幸せだと認識する人が多い。「労働条件」「労働環境」という視点から、日本を考えてみると、「貧しい国だなあ!」と認識してしまう。
年間労働時間・年間休日日数・一日の労働時間の制限(残業時間の制限)・休みがとりやすいかどうか などの観点から日本を見つめ直してみると、「日本の貧しい労働環境」が浮かび上がってくる。
祝日が増えてきて、以前に比べると、「年間休日日数」は増えてきているのだが・・・、実は「休暇が取りにくい」職場が多い。一部の大手企業は休暇を取りやすい仕組みになっているようだが、日本全体は休暇が取りにくい仕組みのままなのである。
(ここから続きです。)
ドイツ人が「低賃金にもかかわらず、生活に満足している点」をデータで調べてみた。
統計ポータル「スタティスタ」によると、アンケート調査で「自分の生活に満足していますか?」という問いに対して、
「非常に満足している」もしくは「かなり満足している」と答えた人の比率は、93%に達している。
一方、日本での同じようなアンケートでは、74%ほどである。20ポイントほど日本が低い。
「時間的なゆとり」という面での比較においては、日独間の格差がはっきりしてくるようだ。
こちらもアンケート調査によると、ドイツ人(4100万人の就業者)の約91%が、「現在の労働時間に満足している」と答えている。
日本人は約69%にとどまっている。22ポイントほど日本が低い。
また、経済協力開発機構(OECD)が実施した、各国市民の生活満足度についてのアンケートに結果によると、ドイツ人の満足度は7だった。10が満点で、OECD(38か国)平均は6.5であった。日本人の満足度は、5.9で平均値よりも低い。(38か国中29位)
日本の男性平均収入は500万円前後(女性は260万円ほど)というデータだが、男性の手取りは100万円ほど低い額だろう。手取りの日独比較においては、ドイツ人の方が少ないようだ。(ドイツ人の平均手取り額は290万円ほどらしい。さらに、ドイツでの消費税は19%もあり、節約生活をする人が多いようだ。)
金銭的には、日本人の方がやや豊からしいが、「生活の満足感」という観点では、ドイツ(その他OECD加盟国の多くの国々)に負けているようだ。
世界のレベルで見ると、日本人は「それなりに金銭的には豊かに暮らしている人」が多いようだ。近年は、実質賃金がどんどん低下してきている…。社会保険料や介護保険料などがどんどん高くなり、手取りがどんどん減ってきている。「10年後には、年金制度は破綻か?」などという記事が週刊誌に載ったりするようになってきた。年金制度が破たんすることはないが、年金受け取り額が減っていくことは予想される。
将来の不安、老後の不安などで、「時間にゆとりを感じられずに忙しく働いている」や「ゆっくりと退職後生活を過ごせない人」がどんどん増えてきている日本である。
それに対して、ドイツでは、「現状に満足」している人(現役ならびに退職後の人)が非常に多いようだ。
その背景を探ってみたい。
(この続きは「続き その2」へ)
<form action="https://gold.ap.teacup.com/applet/keke7761/1196/clap" method="POST"><input type="submit" value="拍手" /></form>
4

タグ: ブログの続き
2019/5/12
「『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んで」 つれづれ思うこと
青春新書『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』(熊谷徹著)から学ぶこと・共感することは多かった。
私の退職後の生活スタイル・生き方に通ずるところが多々あるように思えた。
(ほんの少しだが・・・)本の内容を紹介したい。
川口マーン惠美著『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』を読んだ直後は、日本がいかに素晴らしい国であるかを印象付けられたものだった。この本はよく売れて、ベストセラー本になった。さらに、続編のような『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』も読んだが、どちらも「日本はすばらしい国だ!」という内容の本である。
しかし「素晴らしい点」の中身についてよく考えてみると、「日本人の働いている様子・状態を考えてみると、そんなに素晴らしい国だろうか?」と、疑問だらけだった。だから、『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』の内容は、違う視点をもたらしてくれた。「ドイツはすばらしい」と、感心した次第である。
川口マーン惠美氏の視点から「日本人の勤勉さ」・「時間の正確さ」・「おもてなしの精神」などにスポットをあてて比べてみると、「日本の優位」が強調できることになる。惠美氏の指摘に文句をつけるつもりはないが、視点を変えて比べてみると、「日本は息苦しい国、疲れている人が多い国」だという点で、ドイツやヨーロッパの国々に負けているように思える。
そういう感想を持ったのは、『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んだからである。
著者の熊谷徹氏も惠美氏同様にドイツで生活されている。二人が書かれた本を対比的に読むとそれぞれの視点の違いがよくわかる。
(この続きは、次のブログ『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んで【続き その1】へ)
私の退職後の生活スタイル・生き方に通ずるところが多々あるように思えた。
(ほんの少しだが・・・)本の内容を紹介したい。
川口マーン惠美著『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』を読んだ直後は、日本がいかに素晴らしい国であるかを印象付けられたものだった。この本はよく売れて、ベストセラー本になった。さらに、続編のような『住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち』も読んだが、どちらも「日本はすばらしい国だ!」という内容の本である。
しかし「素晴らしい点」の中身についてよく考えてみると、「日本人の働いている様子・状態を考えてみると、そんなに素晴らしい国だろうか?」と、疑問だらけだった。だから、『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』の内容は、違う視点をもたらしてくれた。「ドイツはすばらしい」と、感心した次第である。
川口マーン惠美氏の視点から「日本人の勤勉さ」・「時間の正確さ」・「おもてなしの精神」などにスポットをあてて比べてみると、「日本の優位」が強調できることになる。惠美氏の指摘に文句をつけるつもりはないが、視点を変えて比べてみると、「日本は息苦しい国、疲れている人が多い国」だという点で、ドイツやヨーロッパの国々に負けているように思える。
そういう感想を持ったのは、『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んだからである。
著者の熊谷徹氏も惠美氏同様にドイツで生活されている。二人が書かれた本を対比的に読むとそれぞれの視点の違いがよくわかる。
(この続きは、次のブログ『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』を読んで【続き その1】へ)
<form action="https://gold.ap.teacup.com/applet/keke7761/1195/clap" method="POST"><input type="submit" value="拍手" /></form>