味噌Miso; Soybean paste みそ
醤油と共に中国より日本に導入している代表的な調味料で未醤(みしょう)より転じて味噌となったといわれ醤油に比べ熟成の度合いは少ない。1982年(昭和57年)9月30日に全国味噌工業共同組合連合会、健康づくり委員会によってミソカ(30日)に引っ掛けて消費減少に歯止めをかけることをねらいとして毎月30日を「味噌の日」と制定した。
味噌の消費量は、関西より関東で多く消費するが国民健康・栄養調査により1日に1950年(s25年)30.1g、1960年(s35年)26gと減少傾向を示し最近では、15gを下回る。食生活が和洋中華と多様化、ファミリーレストランでの外食、何よりも3食の味噌汁を取ることへの減塩運動があげられる。味噌の消費拡大は難しいが味噌の良さを見なおし日本の伝統食として利用の仕方を様々に考えていくことは必要。水の代わりに豆乳を入れたり、スキムミルクを溶かし込んだりして濃厚な風味を楽しめ、栄養価が高まる。
味噌づくりは、昔から「寒仕込み」といって、雑菌が繁殖しにくい1月~2月ごろに行うのが一般的で、大豆を主にして、それに米、麦、麹、食塩を加えて発酵、分解を1週間~1年数ヶ月かけ貯蔵して熟成させた醸造品をいう。原料、食塩の量(5%~15%)、生産地によって種類がある。アミノカルボニル反応によって熟成が進むにつれて褐色に変化していく。味噌の多くは、米味噌が全体の80%を占める。特有の香り、保存性があり、魚肉、畜鳥肉の保存、臭み消しにも用いられている。
味噌汁の汁の実には動植物がひろく使われる。他に煮物、焼き物、田楽、酢味噌合え、柚子味噌、山椒味噌、味噌漬け、鉄火味噌、たいみそにと応用範囲が広い。長時間の加熱は、香りを損なうので仕上げの直前に混ぜるようにするのがよい。熟成度を高めるほど大豆が軟化して消化しやすくなる。味噌汁の1回分15g、米味噌で2~0.9gの食塩、タンパク質2~1.5g程度で味噌特有の芳香が食欲を増進させ、汁にすることにより実だくさんにして栄養バランスを取ることができる。
大豆のサポニン(渋み、苦味の成分)が動脈硬化予防に役立つ。味噌に含むジピコリン酸Dipicolinic acid(アルカロイド)が放射能を排出するといわれる。
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