・DASH食Dietary Approaches to Stop Hypertension diet だっしゅしょく
DASH食事プランは1990年代にアメリカで勧められた高血圧予防のための食事療法です。
高血圧降下によって冠動脈疾患、脳卒中のリスクを低下させる可能性があるとの報告があります。
野菜、果物、低脂肪の乳製品を中心とした、飽和脂肪酸や総脂肪、コレステロールの量が少ない食事としています。
ある特定の成分、食品ではなく食品全体からの組み合わせを中心にした食事療法として考え出されたのが、DASH食(ダッシュしょく)です。
現代の食事で不足しがちな成分のカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、良質なたんぱく質などを多く含み、これらの栄養素は血圧を下げる作用のあることが知られている成分です。
カリウム:ナトリウム(食塩)の排出を促し降圧に働く
カルシウム:精神安定作用、神経の刺激感受性に対する鎮静作用、酵素活性化作用に働く
マグネシウム:カルシウム(Ca)を定着させ、ビタミンB群の保持・活性化、蛋白質の合成、刺激の伝達、酵素活性に働く
食物繊維:血糖値を上昇させない。脂肪、コレステロールの吸収を押さえるのに働く
良質なたんぱく質:血管の弾力性を保つのに働く
食品の組み合わせを改善して血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖、尿酸をコントロールできる点です。
DASH食事プランではこれらを豊富に含む食品を積極的に摂取し、さらに脂肪(特に飽和脂肪酸)摂取を減らす食事療法となっています。
飽和脂肪酸は血圧を上げる働きがあり、低脂肪の乳製品の摂取は、飽和脂肪酸の摂取量を抑えながらカルシウムを摂ることができ、これらの効果によって、DASH食が血圧の低下につながるのです。
欧米型の食事にありがちな高脂肪、高カロリーな食事から低脂肪、低カロリーな食事への転換を示しています。
世界各国を比較した塩分摂取量のデータは少なく塩分摂取量はアメリカ合衆国 8.0g(ナトリウム3200mg)、イギリス 8.0g、フランス 7.5g、オーストラリア 6.2gと、欧米諸国は日本10gより少ないです。コメを主食とするアジアの国々は全体的に多く、例えば、韓国は9.9gです。
近年では、アメリカでは4g未満、ヨーロッパでは、日本と同様に6g未満が目標です。
DASH食事プランは塩分制限を含まないものですが、日本人向けには、さらに食塩の制限を加えるとさらに血圧に対する効果は高まるとしています。成人のナトリウムの推定必要量600mg(食塩で1.5g)といわれています。
増やしたい食品として
・果物・野菜・ナッツ・大豆・魚・肉は鶏肉(皮を除く)
・小麦は全粒・低脂肪の牛乳・ヨーグルト・チーズ
減らしたい食品として
・牛肉・豚肉・甘いお菓子(脂肪分にも注意)
・砂糖を含むソフトドリンク
診察室血圧140/90mmHg未満、家庭血圧135/85mmHg未満を目安にしています。高血圧症に特定の食べ物が効くというようなことはないですが、生活習慣全般を改善することで予防や治療をすることができます。
健康で長生きするために、若い時期からよい生活習慣を身につけることが大切なようです。
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