・鰆、狭腹、小腹、馬鮫魚Spanish mackerel さわら(さごし)
サバ科に属する。季節により移動する回遊魚で北海道南部以南でとくに産卵期に瀬戸内海で多く水揚げしている。関西以西ではサゴシと呼ばれ成長すると体長が1m、重さ5kgにもなる。
成長するに従いサゴシ(青箭魚:サゴチとも・40~50cm)、ナギ(50~60cm)、サワラ(60cm 以上)ともいう。名前は腹部が狭いという意味の狭腹(さはら)、旬が春で魚偏に春をつけ鰆(さわら)とした説がある。
細長く頭の小さい銀白色をした駿足のスマートな魚で4~5月の産卵期が旬。花盛りの頃に獲れるサワラを和歌山では「桜鰆」と呼び、サワラを春の使者ともしている。真子(まこ)といわれる卵巣は、旬の食材と一緒に煮物に使われたり、からすみがつくられる。白子は、吸い物、味噌汁に使われる。10月からは寒さわらとして油がのってらおいしく食べられる。肉質が柔らかく身割れしやすい魚なので取り扱いは、丁寧におこなう。
一般に、尾頭付きで頭のほうが好まれるがサワラは、尾っぽのほうがおいしいという。白身であっさりとした感じもするが実は赤身魚で大海を長距離回遊するのが特徴で脂肪が9.7%と比較的多く新鮮でアニサキス(-20℃2日で死滅)の寄生虫の危険性のないものは刺身に、押し寿司、塩焼き、焼き魚、西京焼き、粕づけ、フライ、煮込み料理にする。魚肉にくせのないことから西洋料理、中華料理にも使われ、クリーム煮、グラタン、衣あげに調理する。
100g中でエネルギー177kcal、水分68.6g、蛋白質20.1g、脂質9.7g、炭水化物0.1gを含み、カリウム(490mg/100g:浸透圧の調整、高血圧予防)、ビタミンB2(0.35mg/100g:エネルギー代謝に関与)、ナイアシン(9.5mg/100g:胃腸疾患・皮膚炎の改善)、EPA(0.5g/100g)DHA(1.2g/100g)を特徴的成分として含む。
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