・質の良い睡眠Good sleep しつのよいすいみん
厚生労働省では健康づくりのための睡眠指針 2014(26)・3月に~睡眠 12 箇条~として
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を
睡眠時間のパターンとして大脳・肉体の休息で深い眠りの期間が90~120分間で、後半に進むにしたがい持続時間は短くなります。
ノンレム睡眠non-REM sleepと脳以外は眠っているのに、脳は働き、夢を見るのはこの時で眼球が動くことが特徴の浅い眠りで最初は短く10分~30分レム睡眠REM sleepの質的に異なる二つの睡眠段階に分類しています。Rapid Eye Movement(急速眼球運動)が見られることから言われます。
入眠の前、起きている時間、運動量、精神負荷が増すとノンレム睡眠も長く深くなると言いいます。
人間の脳は3歳までに80%、6歳までに90%、12歳までに100%完成すると言い出生直後はレム睡眠が多く、12歳頃に大人と同程度に発達した脳ができあがるようです。睡眠は幼少期の脳の成長にも大きく影響していると考えられます。
日本人の睡眠時間が1960年代に8時間13分であった睡眠時間は、2015年に7時間15分、2021年経済協力開発機構OECDの調査によると7時間22分で世界WORST1の短さで減少しています。
新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及で、在宅勤務に切り替えた人の睡眠時間が長くなったという報告があります。近年のライフスタイルの要素が影響していると考えられます。
深いノンレム睡眠を徐波睡眠と呼び、入眠直後に質の良い深い睡眠が十分にとれると、成長ホルモン(アミノ酸191個からなるタンパク質)を多量に分泌し子どもの成長を促します。大人では傷んだ細胞を修復します。
成長ホルモンの分泌は徐波睡眠後30分で最大となり、成長ホルモンはメラトニン(トリプトファン⇒セロトニン⇒メラトニン)によっても分泌が促される時間帯のようです。
多くは午後10時から午前2時ないし深夜1〜3時に最大になるというのです。 成長ホルモンは子供では成長を促し、大人では日中の心身の疲れ、ストレスを解放、組織の修復に働きます。
質の良い深い睡眠は起床時から朝の陽ざし・新鮮な空気で気持ちのリラックスなど、良い睡眠から生まれるのです。そのための眠る前の準備で適度な疲労感・運動と、起床時のリフレッシュ、日中の最高のパフォーマンスという、睡眠中と覚醒時のコントラストがさらに良い循環にすることが重要といえます。
栄養バランスの良い食事は大事で、食べるものに気を付けるのはもちろんで、一般には就寝時間の2時間前までには食事を終えるのがよいでしょう。
年をとると朝型になるので睡眠時間は短くてOK、中高生は寝床での携帯電話の使用を控えて睡眠時間の確保が必要としています。
65歳以上の高齢者に対しては、長時間眠ろうと寝床で長く過ごしすぎると不眠につながるおそれがあるため年齢にあった睡眠時間でよいとしています。果たしてそうなのでしょうか?
年代別に 適切な睡眠時間として 10代前半までは8時間以上、25歳で8時間弱、45歳で6時間半、 65歳以上で 6時間でよいとしました。
睡眠は量よりも質であることがいわれます。質のよい眠りのポイントは、夜11時から夜中の2時までの間は最低でも眠ることのようです。
高齢者の睡眠は、浅く、途中で起きて、レム睡眠が少ない、というのが特徴といいます。高齢の私自身も、「夕方には横になって床に入って、朝は早朝に起きる」としても、実際の睡眠時間は3分の2~半分程度と考えた方がいいとの意見がありました。
ということからも高齢者、「65歳以上で 6時間でよい」には、抵抗を感じます。疲れやすい、単に横になっている時間を含まないのであれば納得しますが、一般的に考えると乳児では睡眠時間で高齢者のウトウトは睡眠時間外のようにも受け取れます。
「体内時計のリズムを保つ。」事は、予定が狂うと慌てると同様にして免疫機能にも不調をきたすことは充分に考えられます。体内時計で、夕方から就寝だと深夜0時から2時にうとうとになります。
朝型、宵ぱり型と個人差があるように思えます。私は、早朝型です。高齢者で24時就寝、遅起きの方もいらっしゃいます。高齢者では特に個人差が大きく、一概に睡眠時間が少なくて良いということは、言えないように思われます。
質の良い睡眠は、各自の体内時計で規則正しい生活、栄養バランスの良い食事で成長ホルモン・メラトニンを生成しています。一般に社会の構造上夜になると分泌が多く昼は少ないようです。
各自の体内時計で適度な運動・栄養のバランスが快適な睡眠をもたらすといえるでしょう。
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