・ヒッポファエHippophae ひっぽふぁえ
グミ科、中央アジア原産、サジー(沙棘)とも呼ばれオレンジ色をした酸っぱい実をつける。庭木、小果樹として植えられ比較的乾燥した亜熱帯、温帯の夏は暑く、冬は寒さの厳しいモンゴル、チベット高山地帯の環境の厳しい土地に多く生育する。高さ2~5mの落葉低木で枝にトゲガあり双葉で春に小さな黄色の花をつける。
9~10月に1cmほどのオレンジ色の黄色からオレンジがかった果実をつけ冬の間も実をつけ、実には暗褐色で光沢のある卵形の種子がある。ビタミン、ミネラル(鉄7.24mg/100g中)、ポリフェノールを多く含み甘い香りがする。
ジャム、ジュースとして、葉をお茶に利用する。果汁100g当りビタミンA効力は72μg、ビタミンEは2.8mgとレモン(全果1.6mg、果汁0.1mg)の2~30倍、 ビタミンCは277mgでキウイ(69mg)の4倍も含まれることから「ビタミンの宝庫」、「ゴールデンベリー」とも呼ばれる。
ヨーロッパ、ロシア、中国でその価値は認められている。ヨーロッパでヒッポファエオイルとして市販するが日本では北海道で少しずつ栽培が試みられている程度でまだ量産に至っていない。種子より抽出したオイルは日本でビタミンの豊富な天然オイル(サージオイル)とし植物オイルの主にオリーブオイル1:5の割合ぐらいで混合し美肌、育毛剤に用いられる。
果実にビタミンC(300mg%以上)、カロテン(3-4mg%)、ビタミンE(10-15mg%)、ビタミンB1(0.2-0.4mg%)、ビタミンB2(0.4-0.5mg%)、葉酸(0.5-0.8mg%)、リンゴ酸を含む。