・油角鮫Spiny dogfish あぶらつのざめ
ツノザメ科、北日本の太平洋側や日本海側において水深70~300 mに分布する。ツノザメ科の中でも細長い体形で、体色は灰色でときに青みを帯び、腹部に向かって体色は明るく主に魚類および頭足類(たこ・いか)を補食する。背びれに太いトゲがあることから、アブラツノザメと呼ばれる。
小型のサメで成熟は、雌では生後23年(全長約90cm)、雄では生後14年(全長約70cm)を要し産卵場は特定していないが卵胎生で2~5月に全長30 cm程度の稚魚を産む。最大で全長160~200cm、雌は60歳以上になるものもいる。かなり古い時代から漁獲していたが注目は、明治30年代末頃からで北海道、青森、秋田、石川県などで当初はマダラやオヒオヒョウなどを対象とした延縄(はえなわ)漁船の兼業としていた。
別名アブラザメともいい盛漁期は12月~6月で特に12月~2月に水揚げするものは、身が引き締まり旬とする。
油の比重の大きい(あぶら鮫、ひらがしら)でビタミンA(:皮膚の角化予防)が多く肝油となる。
他に刺身や煮物、照り焼き、から揚げ、フライ、煮こごり、かまぼこ原料として利用する。
100g中切り身生でエネルギー159kcal、水分72.4g、タンパク質16.8g、脂質9.4g、ビタミンA210μgほどを含む。アブラツノザメ頭部軟骨の多糖蛋白質でプロテオグリカン(PG:Proteoglycan)に骨粗しょう症の予防効果があることが分かっている。ビタミンAを多く含み肝油や軟骨エキス等の栄養補助食品の原料ともしている。
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