-196℃の部屋

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ちゃんとアク抜きしないとダメよ(`・ω・) ~プタキロサイド~

2011-02-16 23:19:21 | なんとなく有機化学がわかった気になる
ワラビって美味しいですよね( ・ω・)
ボクは結構山菜そばとか好きで、カップ麺なんかだと東洋水産の「マルちゃん 乱切り山菜そば」あたりがサッパリしてていい感じですね。安いし。

さておき、ワラビって生のやつは熱湯でぐつぐつして、所謂「アク抜き」って作業をしてから調理しますよね。
さて、何故そんなことをするのでしょう?
それは、発癌性を持つ有毒成分「プタキロサイド」を抜くためなのです!
実はある実験で、ワラビを熱水抽出したものが強い発癌性を示して、それを調べたらプタキロサイドだった、ということで明らかになったんだとか。
また、放牧した牛さんが、もっしゃもっしゃと大量のワラビを食べたら、急性出血性の中毒性が起こって、1週間経たずにお逝きになったという怖い例も。
いやぁ、侮れませんな、ワラビ!

さて、そのプタキロサイドとは何ぞや、と言うアナタのために!

これです↓



基本骨格は…なんて言うんだろ、ヒドリンダノンみたいな? 六員環に二重結合1つあるけど。
ベンゼン環に五員環が縮環したものを「インダン」って呼ぶけど、そのベンゼン環が還元されてシクロヘキサンになるとハイドロインダン…いろいろ略されて「ヒドリンダン」と呼ばれ、さらにその五員環上にカルボニルがつくと「ヒドリンダノン」となるのです。
ちなみに、インダンの五員環に二重結合があると「インデン」になるぞ!
こういう単純な骨格って天然物の主骨格になるようなものも多いしね。ヒドリンダノンなんかはアメフラシから単離されるようななんちゃらって化合物(名前度忘れした)のまんま主骨格だし。
で、そのヒドリンダノンみたいな骨格の六員環上にシクロプロパンがくっついてます。

さらに、水色で示した様にグリコシル基が1つあるますね。
グリコシル基ってのは名前のまんま、構造のまんまで、グルコースです。

ともあれ、このプタキロサイドが発癌性を示すわけだけど、果たしてこれはどう働いているのか…
とりあえずぐぐりぐぐり…

プタキロサイド(Wikipedia)
>発癌のメカニズムは、プタキロサイドが加水分解により真性発癌物質であるジエノン体となり、シクロプロパン環が開裂してカチオンが生成し、核酸塩基に結合してDNA鎖を切断する(特にAAAT部が損傷しやすい)ことによる。

( ・q・) …

…ごほん…まぁ、よくわからんね(ぉ
とりあえず加水分解されてジエノン体になるってあるけど、なんすか、グリコシル基が切れて、そのO原子がカルボニル酸素になったりするんすかね。五員環が開裂したりして。
で、五員環のケトンのα位のHが抜けて結合が倒れこみつつ、六員環上のOHが脱水で抜けるみたいな?
そうすればジエノンにはなるな、とりあえずは。
んで、シクロプロパン環が開裂してカチオンが生成する、と…
うーむ、カチオンの安定性から言えば三級カチオンが一番安定だから、六員環の付け根に+がくるのかなー
…とかなんとか…



ちなみに最初の図でプタキロサイドの隣に描いた「イルジンM」ってやつは、プタキロサイドと似てる骨格を持つけど、こっちは制癌剤としての効能があるらしいです。
やぁ、よくわからんですね、ってところで。

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