「……まあ、たぶん幻覚なんだろうさ――死に際に見え、聞こえるって言うまぼろしだ。泡みたいなもんで、すぐにはじけて消えてなくなる儚い願望だ――ずいぶん不気味だがな」
今日のライトノベルは電撃文庫から発売されている「夜明けのブギーポップ」です。
初版は1999年5月に発行されました。
上遠野浩平氏によるブギーポップシリーズの5作目です。
この巻もブギーポップシリーズでは重要度が高いですね。
あらすじにもありますが、ブギーポップの誕生に関する話が出てきます。
同時に、ブギーポップシリーズの主役の一人である霧間凪が“正義の味方”となるきっかけを書いた作品でもあります。
そもそも霧間凪とは?
このブログでは全然取り上げていなかったのですが、1作目の「ブギーポップは笑わない」から登場している「炎の魔女」と呼ばれるスーパー女子高生です。
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大抵のブギーポップシリーズ作品に出てきますし、そのうちこのブログでも取り上げるであろう作品「ヴァルプルギスの後悔」では主役で登場します。
凪の父親であり、本作でも登場する霧間誠一もキーパーソンです。
作家である彼ですが、ブギーポップシリーズの各章の扉ページに自著の一節が書かれていることが多々あります。
霧間凪はシリーズを通しての重要人物ですが、本作に限っての重要キャラはやはり統和機構の合成人間・スケアクロウでしょう。
当時、謎の難病を患っており、また自分がどんな人間になるべきかを悩んでいた霧間凪は彼と話をして“正義の味方”になることを決めました。
また、ブギーポップの特徴である黒い筒のような大きな帽子と黒マントは、元々はスケアクロウが身に付けていたものでした。
スケアクロウが死の間際にブギーポップと会って会話をしますが、その際に譲ったのでしょう。
ブギーポップに冒頭に書いたセリフを言って「不気味な泡」としたのも彼です。
こう見ると、大物キャラの起源に影響与えまくってますね!
ちなみに、本作に登場するもう一人の合成人間、モ・マーダーもあの霧間誠一を殺した張本人だったり、今後取り上げる予定の「ビートのディシプリン」では主人公ピート・ビートの先頭指南もやったりと地味に存在感があったりします。
ブギーポップファンなら当然押さえておきたい作品です(`・ω・´)
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