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チョコレートの科学~ココアバターに潜むもの~

2011-02-11 00:10:30 | なんとなく有機化学がわかった気になる
タイトルに捻りなくてさーせん(つд`)
というわけで、前回に引き続いてチョコレート関連のお話。

今回はココアバターです。
ココアバターってのは、手作りチョコとか作るとき、整形しやすいように加えたりするやつです。
これはカカオ豆の約半分を占める天然油脂で、ローストしたカカオ豆をすり潰してできるペースト(カカオマス)から採れるとか。
天然油脂と言ったけど、じゃあその主成分は何か? っていうのが気になるところですね。

…え、別に気にならない? おれは気になるんだよ!ヾ(>д<)ノ

てわけで、その主成分はこういうやつらです↓


炭素数とか間違ってたらゴメン(´・ω・`)
いわゆる「トリアシルグリセロール」ってやつです。グリセロール(グリセリン)をアシル化したもんですね。
名前の略称でPOPやらPOSやらあるけど、これはそれぞれオレイン酸のO、パルミチン酸のP、ステアリン酸のSを表していて、グリセロールのOHをどんなカルボン酸でアシル化してるかで決められます。
とまぁ、こんな化合物がココアバターの80%以上を占めてるわけです。

そんなココアバターは、常温では固体だけど、体温付近では急激に溶けるという特性があります。
これっていうのは天然油脂では結構珍しい性質らしい。
実際にある温度でのSFI(Solid Fatty Index, 固体脂質含有量:その油脂中での固体で存在している割合を表す指標)を見てみると、10℃ではパーム油が約60%、バターが約40%、ラードが約30%程度に対して、ココアバターは約90%という値となっている。
しかし、25℃くらいから急激にパーセンテージが下がり、35℃では初めの差なんてなんのその、SFIは0%となってしまいます。
こういう風に「ある温度で急激にSFI値が下がる」油脂を「縦型の油脂」なんて呼ぶそうです(グラフが縦軸にSFI、横軸に温度を取っているため)。

そして、市販のチョコレートはココアバターだけではなく、パーム油やナタネ油、ヒマワリ油などの植物性油脂をブレンドすることで、チョコの硬さを調節しているらしい。
冬場の口どけのいいチョコってのは、融点の低い植物性油脂をブレンドしているんですって( ・ω・)

いやぁ、チョコ食べたくなってきましたなぁ。
ビターチョコ食べたいぜ。


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