今日のライトノベルは富士見ファンタジア文庫から発売された「SCAR/EDGE」シリーズです。
1巻初版は2004年11月に発行されました。
全4巻ですが、いずれもタイトルは「烙印よ、○○」となっており、私は勝手に「スカーエッジシリーズ」とか「烙印シリーズ」なんて呼んでます。
この作品も気付けば16年前なんですね…
この作品で気に入っているのは、やはり世界観と設定ですね。
7人の研究者集団によって“魂”が科学的に存在証明された世界。
人間の魂は二十六次元以上の高次元において波動の形を現出させる…ということを証明したらしいのです。
これによって「魂成学(ソウルトロジー)」と呼ばれる学問が発展し、この技術によって「烙印」という究極の身分証明が普及しました。
……いやー、もうなんかこういう設定だけで厨二心にキュンキュンきませんか?
二十六次元以上で波動の形を取るのが魂とかよくわからんけどなんかキュンキュンするじゃないですか!(・∀・)
そしてこの「烙印」を刻まれた人は0.000023%の確率で「傷(スカー)」と呼ばれる、いわゆる特殊能力を持つ人間が現れます。
そして、本作の主人公・キズナはこの「傷」を発現させた少年になります。
ここで!
キズナが「傷」を発現させるに至った過去の設定がまたインパクトあるんですよ!
以下、ネタバレになるかもしれませんが…
飛行機墜落事故に巻き込まれたキズナは同じ飛行機に乗り合わせた5人の人間に行かされました。
1人目は看護婦見習いの女性。
自身も両足を挟まれて身動きが取れない中、幼いキズナを引き上げて生き残った乗客に手持ちの治療用具と共に託し、自身は炎に巻かれて死にました。
2人目はイタリア人のシェフ。
彼は事故で左腕を失くしましたが、飛行機から脱出した後、サバイバル用のフライパンと小麦粉でろくに具のないピザを焼いて振る舞ってくれました。彼はこれが生涯最後の料理だと笑って死にました。
3人目と4人目はイギリス人と日本人の夫婦。
彼らはキズナが眠れるまで添い寝して英語の歌や昔話をしてくれました。
翌朝目覚めると、彼らは亡くなっていました。
5人目は老いた剣術家。
自身は内蔵に大怪我をしていたが、キズナに生き残るための術を教えて、最後は狼の群れからキズナを守り、彼に古い刀を託して死にました。
キズナ5人の命を削った優しさに触れたせいで「孤独」を欠落し、その結果これに由来した「傷」を開いた――
もうね、よくこんな設定を考え付いたなオイ!
って言葉しか出てこないっすよ。
特殊な能力を持つ主人公というのは、重い過去の出来事をきっかけに能力に目覚める…なんてのは割とある設定と思いますが、こんな心にくるような設定はなかなか見ないですね…
そんな世界観と設定を作り上げた著者は三田誠氏。
富士見ファンタジア、富士見ミステリー、角川スニーカー、電撃、GA…様々なライトノベルレーベルでヒット作をバシバシ出している作家さんで、現在でもバリバリ活動しています。
この記事を書いている最近だとアニメにもなった「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」あたりがヒットしているでしょうか。
この烙印シリーズもカッコいいアクションシーン多めで楽しいですよ!\(>ω<)/
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