「<君の好きにすればいい。
君の本当の形は、君しか知らない。誰も君の形を、縛ってなんかいない――――変われ>!!」
今日のライトノベルは電撃文庫から発売された「断章のグリム」です。
1巻初版は2006年4月に発行されました。
全17巻で完結です。
2006年って私が大学に入学した年ですね。
もうそんなに前なのか…
この作品は「Missing」でお馴染みの甲田学人氏が、Missingの次のシリーズで出したものになります。
つまり、ホラーですね。
しかも1巻から飛ばしており、痛いシーンやグロいシーンが割と出てきます。
甲田氏的には「メルヘン」とのことですが、うん、はい…(´・ω・`)
この「断章のグリム」シリーズの特徴としては、各巻で童話をモチーフにしているという点と、主人公など一部のキャラがちょっとした能力が使えるというところでしょうか。
童話のモチーフとしては、
1巻…灰かぶり(シンデレラ)
2巻…ヘンゼルとグレーテル
3、4巻…人魚姫
5、6巻…赤ずきん
7巻…金の卵をうむめんどり
8、9巻…なでしこ
10、11巻…いばら姫
12、13巻…しあわせな王子
14、15巻…ラプンツェル
16、17巻…白雪姫
となっています。
(2巻になっているのは上下巻)
童話というのは今でこそ子供向けの作品というイメージが強いですが、原本は割と残酷な描写が多く大人でも「ひぇっ…」となる結末が多いですしね。
それが甲田氏の手によってさらにパワーアップしたと思えば…
また、この「断章のグリム」はモチーフとなっている童話を独自の解釈も踏まえて、登場人物がモチーフ童話の登場キャラの誰に相当するのかを考える、ちょっとした推理要素もあります。
これがまた上手いんですね(・ω・)
泡禍の全容が明らかになったとき「そういうことだったんかー!?」となります。
登場キャラも自身の過去の経験のトラウマをベースにした能力が使えます。
能力の発動がトラウマって…さすが甲田作品…
しかしこの辺はMissingにはなかった要素ですし、こういう能力的なものが出てくることでよりライトノベル感が出るようになったシリーズですね(・ω・*)
ところでこの「断章グリム」の最終巻は2012年5月に発行されたのですが、この2年後の2014年1月にメディアワークス文庫から「時槻風乃と黒い童話の夜」というスピンオフ作品が発売されたました。3巻まで出ています。
こちらは断章のグリムで登場したヒロイン・時槻雪乃の姉・時槻風乃をメインに書かれた話です。
風乃さんは本編では雪乃の《断章》のオリジナルとして雪乃に取り憑いている亡霊という形で登場しますが、出番はそんなにありませんでしたね(´ω`)
そんな風乃さんを堪能したいなら、こちらの作品を読みましょう。
本編を読んでいなくても問題ないと思います。
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