2019/11/21
・TGR2018で大賞を受賞した『TEA FOR TWO』と同じ関根信一さんの脚本。
・1980年から2005年までのゲイを取り巻く環境が描かれた『TEA FOR TWO』に対して、本作は2014年の脚本。
・題材も登場人物も違うけど、ゲイを取り巻く環境が変化し続けているという部分では繋がっている。
・今や必ず死ぬ病気ではない。かと言って、検査結果が当事者や関係者に与える影響は少なくない。
・陽性の人気者、陽性で孤独な人、陰性だけど不安がぬぐえない人、完全に陰性、支援者に家族。いろいろ。
・そのキワの部分まで作品の題材にできるというのは、それだけ世の中が進歩しているからなんだと思う。
・ちょっと前なら、差別に苦しみ病気で死んで悲しいというだけの物語になっているイメージ。
・状況が変われば言葉も進化する。
・「HIVポジティブ」という言葉もちょっと前まで単に日本語で「陽性」だったと思うし「セイフセックス」ももっと一般的な言葉になればいいのに。
・医学が進歩すればするほど、お母さんの過剰なリアクションがズレてくる。作劇としては都合悪いけど、世の中としてはよい方向に進んでいると言えそう。
・むしろ、サプライズに犬をプレゼントするという行為のほうがハラハラする。
・予防線はあるものの、諸々克服できなかったらどうするんだと、愛犬家でもないのに心配になってしまう。
・ちょっと前のシーンでも生身の人間がプレゼント扱いされているのでなおさら。
・プレゼント役を頼む人も受ける人もメンタルが強い。
・二人の共通の友人役に池江蘭さん。その人その役のまま、コメディ方向にもシリアス方向にも振れて頼もしい。ほろ酔いでシリアスな話するのも塩梅がいい。
・普段三枚目キャラの大人が酒の力を借りて普段言えないマジメなことを言う状況、色んな作品に出てくると思うけど、そういうの好み。
・HIVポジティブの孤独なほう、ケンちゃんは太陽くんと対比する存在なのかなと心配していたら、後のシーンで普通にみんなとダベっててホッとした。よかった。
(2019/11/21 20:00の回)
■キャスト
林田太陽(フリーター):若月篤
坂井真人(公務員):小松悟
久保田充(ブリーダー):恒本礼透
林田敦子(太陽の母):塩谷舞
望月裕二(学生):上松遼平
内田仁美(ボランティア):池江蘭
泉健吾(フリーター):伊達昌俊
■スタッフ
作:関根信一(劇団フライングステージ)
演出:夏目大介
演出補佐:米沢春花(劇団fireworks)
照明:平賀友美(劇団fireworks)
音楽:山崎耕佑(劇団fireworks)
司会:村形潤
制作:小川しおり(劇団fireworks)
フライヤーデザイン:ぢるぢる
宣伝美術:むらかみなお
※当日パンフ参照(なにぶん手入力なもので誤りがあればご指摘ください)