遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

アルフォンソ・キュアロン監督「ゼロ・グラビティ」

2013-11-29 00:22:39 | 映画を見てきた
2013/11/28

□最近、試写会がよく当たる。嬉しい。
□初めてIMAXで見る。映画館というよりスタジアム観戦という感じ。スクリーンでかすぎ。音の強弱のメリハリもすごい。
□前から3列目。迫力すごいけど目が疲れる。
□上演時間91分。これ以上は辛いかも。
□スペースシャトルの船外活動中に事故が起こり、宇宙に放り出された二人が生還をめざす話。
□ベテラン宇宙飛行士のジョージ・クルーニーがかっこよすぎる。
□ベテランじゃないエンジニアがサンドラ・ブロック。
□宇宙服脱ぐところがなんか色っぽい。
□むごい事故死をした人がたくさん。
□死体出す前にお人形を見せるエグい演出。
□登場しないのに悪者として存在感があるロシア。
□ストーリーの起伏はあまりない。
□「42」のときもそうだったけど、物語の展開ではなく題材そのものの強さを見せている。
□料理に例えると日本料理みたいな感じ。宇宙空間という素材を最大限に活かして味付けは最小限。
□宇宙空間描写にはものすごくこだわってるんだろうけど、そのこだわりのゴールは「自然に見せること」なので、わかりやすく「すげえ」とはならない。
□でもすげえ。
□ずっと前に見たビリーワイルダーの古典「翼よ!あれが巴里の灯火だ」を思い出す。あれも話の起伏はなかったけど、大西洋横断描写がリアルで、かなり長い時間一人で見せる。
□話の展開で驚かすことはせず、描写力勝負。
□アメリカ映画にはそういう伝統があるのかも。
□日本映画にもそういうのあるかな。どうだろう。
□閉塞感と開放感のギャップがきつい。絶対、宇宙に行きたくない。
□サンドラ・ブロックの気持ちが切り替わるところ。その動機がおもしろい。ちゃんと表情も変わる。
□ただ、前情報全く無しで見たほうがおもしろかったかも。
□映画はチラシなどにちゃんとあらすじを載せるから仕方ないけど、事故のようにこの作品に出会えたら、もっと興奮したと思う。
□傑作。だけど息苦しすぎて二度と見たくない。
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弦巻楽団「トワイライト」

2013-11-27 23:50:29 | 演劇を見てきた
2013/11/26

歯痛と前日の劇場間違いを乗り越え見に行く。
弦巻楽団の舞台装置はいつもかっこいい。
学校の何かの作業室っぽい部屋。
真ん中に作業用の大きなテーブルがあり、遠近感をだすために奥のほうが狭くなっている(たぶん)。
それを取り囲むパイプ椅子。
いかにも会話劇が始まりそうな雰囲気。
学習発表会の劇に、予定していた「猿蟹合戦」をそのまま上演するかどうかを話し合う。
近くの別の学校で「かちかち山」を上演しようとして児童間で傷害事件が起きたことから、自粛するべきではないかと議論になる。
問題の具体化をしないことで解決策が見つからずに泥沼化するという下手なクレーム対応を見ている感じだった。
ラスト近く。
チョキチョキ音と照明、装置が一体化して緊張感をあおるところ。よかった。
かなり極端な考え方をする先生が多く、会話劇というよりサイコホラー要素のほうが強かった。
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一周忌追善プロジェクト「映画 立川談志 ディレクターズ・カット」

2013-11-26 15:25:19 | DVD・VHS・動画など
映画 立川談志 ディレクターズ・カット 【DVD】
クリエーター情報なし
竹書房


2013/11/26

もともとDVDとCDばかりで知っているお方なので、お亡くなりになっても、今までと付き合い方が変わらないじゃないかと気づく。
映像の中の談志師匠は、最初の高座こそお亡くなりになる直前でヨレヨレだったが、元気なころの姿が中心だったので、他愛もなくゲラゲラ笑わされる。
個人的にライブで拝見したのは、立川志らく独演会のときだけ。
体調悪そうな印象も強かったので、少しだけしんみりもする。
収録されている演目は、「やかん」と「芝濱」のふたつ。
今さらながら「芝濱」のおかみさんがかわいい。機転を利かすタイプでないのがいい。
イリュージョン川柳もあった。
「家元が三尺下がって出刃を取る」なんて。
<江戸の風>についてはよくわからず。
書籍を読んだ時には、単に「わからない」ことを暗に言ってるもんだと思ったけど、信者からすると、そこに意味を求めてしまうものなのかなと思ったりする。

※特典は「新釈サゲ集」。
※らい坊は意外とスリム。
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吉田大八監督「桐島、部活やめるってよ」

2013-11-23 23:20:21 | DVD・VHS・動画など
桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)
クリエーター情報なし
バップ


2013/11/18

□見た人の反応がいちいち過剰すぎて、ずっと二の足を踏んでいたが、ようやく見る。
□「桐島」が部活をやめることにより、ザワザワする周囲の人たちを描いた話。
□同じ時間軸のなかで、複数の登場人物に焦点を当てながら同じ出来事を描く方法。
□桐島は姿を現さない。
□むかし、田村正和不在で古畑任三郎の特番をやっていたあの感じ。
□見た目のいい人、体育会系、吹奏楽部、映画部の人たちなどの視点がある。
□情報の小出しの仕方が上手でほとんどストレスなく見られる。うまい。
□バレー部員がほんとにバレー部の部員にしか見えない。役者感がない。アメリカ映画の野球描写並にホンモノ感がある。
□会話から取ることのできる情報量の不完全さが非常にそれっぽい。
□桐島不在を推進力として話が進んでいるわりに、桐島についての決着がよくわからず、モヤモヤする。
□自分の高校時代は、文化系でもなかったし、体育会系にもなりきれなかったので、特に誰かに感情移入することもなく、淡々と見終わってしまう。
□序盤が淡々としすぎて少し飽きる。映画館だと、また違った反応になりそうだけど。
□熱く楽しんだ人は、登場人物の誰かにちゃんと感情移入できたからじゃないかな。
□映画部の人たちも、一見イケてないように見えて、正しくサブカル系の修行をしているように見える。うらやましい。
□映画部が出てくると何だかほっこりする。もっと見たい。
□映画部の前田君による女の子走りで笑う。
□かっこいい組が、そこまでかっこよくなくてもいいんじゃないかというくらい見た目がいい。むごい。
□とにかく橋本愛が目立つ。そこは話とあまり関係ないっぽい。後半のサービスショットよかった。
□クライマックスの持っていきかた。抑制が効いていて雄弁。うまいうまい。
□ちゃんといいフィルムで撮ってるんだろうなあ。

※DVDって買ったら2枚組なの?
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星くずロンリネス「さむらいスター 富士時代の四天王」

2013-11-22 10:31:13 | 演劇を見てきた
2013/11/21

都市伝説で噂されていた富士時代(明治前の100年間)が実在していて、その頃の武士がタイムスリップしてくる話。
小難しくなさそうな感じが好み。
現代と過去の出来事が同時進行する。
役者さんの数が多い。パンフで数えたら若い人が17人。殺陣の狭いこと。
最近、若い役者さんを見ることが少なくなってきたので、得した気分になる。
まとめるほうは大変だろうけど。
映像をたくさん使っていて、いちいち手間のかかることをしているという印象。
お話のテーマとか進行とかはなんか誤魔化されたような気がするけど、そのへんは脳内補正をしながら見る。
クライマックスの戦いはもっとおもしろくなりそう。精一杯かな。どうだろ。
役者さんでは、熊谷嶺くんの存在感が頭ひとつ抜けていると思った。
あと、パンフの文字数も多い。
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高畑勲監督「かぐや姫の物語」

2013-11-20 21:05:09 | 映画を見てきた
2013/11/19

□試写会に当選したので見てくる。
□竹から生まれたかぐや姫が月に帰るまでの話。
□思ったより原作どおりでびっくり。
□2時間以上あるのに。
□序盤は退屈だったけど、話が展開していくにしたがって集中できた。
□まさか、かぐや姫に感情移入できるとは。
□地井武男さんがおじいさん役。2012年6月にお亡くなりになっているから、それ以前にアフレコしたのかな。それを2013年11月に公開ってすごい話。
□そのおじいさんに結構笑わされる。しんみり。
□予告編にも出てきたかぐや姫が走るシーン。いちばん楽しかった。話にはあんまり関係なかったけど、絵が気持ちよかったからそれでいい。何度でも見たい。
□侍女のマスコット感。造形の気持ちよさが尋常じゃない。こいつ見てるだけで楽しい。
□ナギナタですら萌えアイテム。
□月の人のあいつの顔。
□声優陣が派手なわりに悪目立ちしている人はいなかった。みんないい仕事してた。
□今なぜ竹取物語なのかはよくわからなかった。
□高畑勲監督は1935年生まれ。重鎮。
□ここまでくると世間のニーズなんか関係なさそうだし、巨匠と呼ばれるような人しか撮ることのできない題材を巨匠らしい自由さで撮ってやったという感じ。
□ただ、古典的な題材を描写力で引き付けるやり方は、細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」と同じ。
□高畑勲対細田守と考えると熱い。
□どっちのヒロインもかなりかわいい。
□古典勝負でどっちがよかったかを考えると、何時間でもつぶせそう。
□クライマックスの描写のそっけなさがいい。感情が運命にねじ伏せられる瞬間。巨匠の余裕か。
□寝殿描写が参考になる。DVD買いたい。
□原作どおりに描いたところで、どう見てもSF。
□そういう意味で竹取物語という原作は強い。やっぱ変な話だったわーと思い出す。
□世相を反映するような深い意味とかあったりするんだろうか。
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三谷幸喜 作・演出「恐れを知らぬ川上音二郎一座」

2013-11-11 23:09:16 | DVD・VHS・動画など
恐れを知らぬ川上音二郎一座 [DVD]
クリエーター情報なし
東宝ビデオ


2013/11/10

□川上音二郎の一座がアメリカに渡ってデタラメの「ベニスの商人」を上演する話。
□設定は明治32年(西暦1899年)だそう。
□座長の川上音二郎はユースケ・サンタマリア、妻の貞奴は常盤貴子。
□この二人を天性の舞台人の役に起用する一方、演技のド素人である裏方さんの役に、戸田恵子、堺雅人、堺正章といった本物の猛者たちを置くという攻撃的な配役。
□冒頭。講釈師として登場する堺正章の10分以上続く語りが圧巻。声ガラガラだったけど超かっこいい。
□講釈にあわせて動く常盤貴子がすごくかわいい。特にヘラヘラしている顔。
□ユースケはいつものユースケだった。テレビで見ている感じと同じ。舞台でも感じが変わらないというのはすごいことなのかもしれない。
□ユースケが瀬戸カトリーヌと登場した時に流れる不穏感。
□デタラメな演劇のバックステージ物と言えば、かつて三谷自身が書いた「ショウ マスト ゴー オン」。
□あの阿南健治さんが「器用な役者さん」として活躍するあたりに月日の流れを感じる。
□今回は、豪華キャストひとりひとりにしっかりと見せ場を作ることを意識して作ったとのこと。
□特典映像にあった三谷幸喜の話だと、商業演劇とはそういうものらしい。
□堀内敬子が津軽弁でまくしたてるところとか、浅野和之の女形ぶりとか、いちいち拍手したくなるような演技が随所に見られる。
□当て書きは元々やっていたことなんだけど、シチュエーションよりもケレン味を優先させている感じ。
□三谷さんは、こと演劇に関してはほんとに器用。
□普段なら貞奴がある決意するシーンとか、もうひと要素ほしいなと思ってしまうんだけど、今回はそっちじゃないんだな。
□脚本家の仕事としては、オールスターの役者さんたちが思う存分演技で暴れられる頑丈なリングを作ったという感じ。
□少し時期は離れるけど、映画「ステキな金縛り」は、こういう商業演劇の雰囲気でやりたかったのかなと、なんとなく腑に落ちる。
□舞台だったらこんなにちゃんと見せられるのにね。
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コンカリーニョ プロデュース「茶の間は血まみれ」

2013-11-09 19:48:21 | 演劇を見てきた
2013/11/9

タイトルがタイトルだけに、どんだけ陰惨な話なのかとドキドキしながら見に行く。
結果、血まみれのシーンはなかったので、血が苦手な人でも安心。
チラシに「僕の家族についてお話しします。」とあるとおり、札幌の演出家・脚本家の弦巻啓太さんの半自伝的なお話。
中心は父子のディスコミュニケーション。
個人よりも普遍性を重視した印象。
「わが町」の感じを目指したのかもしれない。
話の展開が淡々としているので、父親と息子の緊張感が楽しむための生命線。
父親役は柴田智之さん。
緊張感を振りまき方がすごい。
ガンガン行くところとジワジワ迫るところで緩急もついている。
機械的に「ふるふる…」し続けるシーンが、個人的に一番おもしろかった。
あとは、かとうしゅうやさんのジャンプがきれいだった。

※パンフのあいさつ文に血まみれ感があった。
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松本人志監督「さや侍」

2013-11-05 23:16:33 | DVD・VHS・動画など
さや侍 [DVD]
クリエーター情報なし
よしもとアール・アンド・シー


2013/11/3

□落ちぶれた侍が、30日以内に子供を笑わせないと切腹させられてしまうという話。
□國村隼の徐々に顔がほころんでいる演技が見どころ。
□映画自体はいつ面白くなるのか、いつ面白くなるのかと待っているうちに終わった。
□決め技のない者どうしのプロレスの試合みたい。
□あの松本人志がこの題材でお話を作って、なぜおもしろくないのかが不思議でしかたないので、考え込んでしまう。
□元々ダウンタウンは好きだし、今も好きだけど、最近テレビ見てないから「好き」が目減りしているのかも。単なるファン向け作品でもないはずなんだけど。
□笑いをテーマにしているのにいまいち笑えないとことか、セリフが素人臭いのとか、細かい不備なら大体擁護できるし、巧さを見せたいんじゃないのもわかる。
□ただ、作り手はお客さんにどう楽しんでほしかったのかわからない。
□邪推だけど、お笑い芸人さんは「笑い」が唯一絶対の目標なのに対して、映画の目標は色々なので、何を書いていいのかわからなくなってるような。
□あと、お笑いの専門家がお笑いを題材にして映画を作ったのに、お笑いについて何も発見できず。出し惜しみされてるのかな。
□素人でもわかるような知見が見せられないはずないだろうに。照れてるのかな。照れるなら作品全体の完成度がないと。
□柔術の試合で、腕十字(=笑い)だけすごい選手が、適当に脚とか首とか引っ張って関節技を決めようとしている感じ。
□それで勝てないんだからブーイングもしたくなる。腕十字やれよと。
□他の技は腕十字より簡単そうに見えたのかな。
□チャンピオンクラスのボクサーが、大した対策もせずに総合の試合に出てコロッと負ける感じにも似ている。手を抜いたわけではないんだろうけど。
□脚本的には、徐々に周囲の人たちを巻き込んでいく感じとか、親子の過去の話とか、もう少しスムーズにならんものか。
□単純に、同じ設定でもっと上手に書ける脚本家が、日本に100人以上はいるんじゃないだろうか。本人が書く意味あるのかな。
□あと、腹筋善之助さんが元気そうでよかった。
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虚淵玄監督『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』

2013-11-04 20:39:27 | 映画を見てきた
2013/11/3

□「子供が魔法少女になりたいと二度と言わなくなる」でおなじみのTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の新編劇場版。
□TVシリーズと劇場版を一通り押さえた上で見る。
□いつもの魔法少女たちが、がんばっているうちに何と戦っているのかわからなくなる話。
□ネタバレ対策であらすじを抽象化してみた。もはやあらすじとは言えない。
□序盤。魔法少女たちサービスしすぎ。TV版を見た人たちが見たかった、かっこいいシーンばかり。
□かえってハラハラする。
□マミさんにくっついてるあいつとか、超かわいいんだけど、見てると不安にしかならない。
□このあたりの不安感は、いきなり劇場版を見た人には全く伝わらないような。
□序盤の戦闘シーンもすごく普通に流してしまいそう。
□強そうなサヤカが見られたのはよかったけど。
□異空間演出を担当した「劇団イヌカレー」ぶりが拡大している。
□このあたりが初見の人が楽しむ生命線。
□すごいけど、すごいにすごいを重ねると慣れちゃって普通になる現象の一歩手前。劇場版劇団イヌカレー。
□教室とか住宅とかバスとか日常風景の絵面だけでもクラクラする。ポニョ感ある。
□それにしても、これだけパロディだの二次創作だの氾濫している作品で、よく劇場版に見合うアイディアが出てきたもんだなと思う。
□序盤の少女達の活躍ぶりも、劇団イヌカレーの増長ぶりも、最後まで見てしまえばすべて計算づくだったとわかる。
□途中の細かい理屈の説明はよくわからなかった。
□しかし、マンガ家の遠藤浩輝先生がツイートしてた「寓話として完結した傑作」という表現がしっくりきた。理屈ではないのだな。
□「まさか、あの子があんなになってしまうなんて!!」と二回思った。
□一回目はともかく、二回目のあの子に関しては、なんであんなことになってたんだろう。
□このへんの「まさか!」も、TVシリーズ全部クリアしたあとじゃないと全くわからなさそう。
□TVシリーズを見てから見るのがおすすめ。というか必須。
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