遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

テッド・コッチェフ監督『ランボー』

2016-02-29 12:14:47 | DVD・VHS・動画など

 

ランボー [DVD]
クリエーター情報なし
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

(超メジャー作品なのでネタバレします)

2016/2/28

・ある警官が不用意にベトナム帰還兵のランボーを挑発した結果、街ごと壊滅させられる話。

・てっきり、異国の戦場で大暴れする話だと思っていたら、もっとスケールの小さい話だった。

・それでも、戦争の後遺症に苦しむ兵士の話は、今でも続くアメリカ映画の一大テーマで王道中の王道でもある。

・街は壊滅するんだけど、見ていると、どうしてもランボーに感情移入してしまう。

・若い警官に大怪我させたり、ガススタンド燃やしたり、やってることはひどいのに。

・最初に友達訪ねに行ったのに死んでいたとか、トラウマに苦しむシーンとか、逃げてるときに裂傷負って自分で縫合したりとか、そういうシーンはさまれると、なかなか嫌うことができない。

・ドーベルマンを殺す(たぶん)ところも絵では見せない。

・ランボーのセリフ量もちゃんとコントロールされている。巧み。

・不用意な警官がいかにも小さな街のお山の大将という風情。

・全体的に失礼でプライドが高く、イヤな感じが生々しい。

・どのジャンルにいてもおかしくない普遍的な小物。根っからの悪人に見えないところも性質が悪い。

・見ている人誰もが「お前じゃ絶対無理だろ」と思っているのに、自分の力不足を認められず、どんどん事態が悪化していく。

・「ここは俺の街だ」も、状況によってはかっこいいセリフになるはずなのに、「街はお前の所有物じゃねえよ」と思ってしまう。

・ライフルもって屋上でうろうろしているところとかも「おまえ、何したいんだよ」とツッコミたくなる。

・作中人物としてはかわいい。

・ランボーだったからよかったけど、並みの兵士だったら、トラウマに苦しんだ挙句、犯罪者として惨めに死んでいくだけの話になっていた。

・たぶん現実だったらそうなるのに、それをエンタメ作品として成立させるバランス感覚。

・なるほど名作だった。

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柿喰う客『へんてこレストラン』

2016-02-28 20:04:28 | 観劇三昧

2016/2/26

「演劇三昧」にて柿喰う客の3作目。

こどもと観る演劇プロジェクトでは2作目。

前に見た『ながぐつをはいたねこ』よりも短くて、わずか38分。

2014年なので1年後の作品なのかな。

同じ手法の別の話。こういう錬度の上げ方もある。

ほぼ原作『注文の多い料理店』どおりの展開。序文を最後に入れることで後味の悪さを避けている。賢い。

あいかわらず「演技」と言うより「語り」のスキルが高い。

子供相手の定石どおり、リズムで押す。

「あ!あ!」と「ずんずんずんずん、ずんずんずん!」の繰り返しが、観ている子供の心に刻まれていく。

特にずんずんのところはポーズ込みで真似したくなる。

演劇というより講談の印象に近い。

ものすごい体つかってるけど。ちらっと見える腹筋がものすごい。

そろそろ長編作品も観なくては。

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荒俣宏『すごい人のすごい話』

2016-02-27 22:23:18 | 読書感想文

 

すごい人のすごい話
クリエーター情報なし
イースト・プレス

2016/2/26

うっかり手を出して、読むのにえらい時間がかかってしまう。

荒俣宏がすごいと思っている人の話を聞きに行く対談集。歴史、生物、哲学、医学などなど、幅の広すぎるジャンルで十五人。

オランウータンは、ボルネオ島とスマトラ島にのみ生息しているとか、うっかりどうでもいい知識が頭に残ってしまう。

「中国でしかできない建築がある」という迫慶一郎さんの話。たしかに向こうにはアートばしった奇妙な建物が多いような気がする。

町山智宏さんの話はいつもおもしろい。

「アメコミのヒーローは国民感情にあわせて感情が揺れ動く」「ポピュラーカルチャーの現実への反映」の話。

日本にはほとんどない文化で興味深い。日本でやろうとすると、みんな引いてしまうのはなぜなんだろう。

早川暁さんの四国お遍路の話は、最近いろんなところでやっている市民マラソンの大会にも通じる話だと思う。

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ミカエル・ハフストローム監督『大脱出』(2013年)

2016-02-26 23:19:23 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

大脱出 [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン

2016/2/25

スタローンがシュワルツェネッガーと一緒に刑務所から脱獄しようとする話。

スタローン(役名とかはいいわ)が、刑務所の設計士であると同時に、自ら受刑者として投獄され、脱獄することでセキュリティのチェックをしているという捻った設定。

シュワルツェネッガー(役名忘れた)は、「脱獄不可能」な刑務所で受刑者としてスタローンと出会う。

シュワルツェネッガーの姿はずいぶん昔の記憶しかなかったので、最初の登場シーンでは「政治家やったせいか役者として存在感薄くなっちゃったかなー。年なのかなー」という感じ。

でも、最後のクライマックスシーンの目つきはやばかった。人類史上最凶の流し目。

二大スターでゴリゴリ仲良くしているところが見所。セキュリティゆるすぎ。

細かいツッコミどころは置いといて、話の構成がしっかりしていて、娯楽作品としての職人的なよさを感じる。

ラスボスは、この二人相手によくがんばったと思う。

それにしても脱獄がテーマの映画って、こんなに人が死ぬものだっけ。

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吉岡優一郎『風俗嬢たちのリアル』

2016-02-25 21:31:15 | 読書感想文

 

風俗嬢たちのリアル
クリエーター情報なし
彩図社

2016/2/23

いろんな風俗嬢の身の上話。

サービスを提供する側からの話なので、お金や客あしらいの話が生々しくてよい。

1.キャバクラなどで、複数のお客さんに同じブランド品をおねだりして、買ってもらう。

2.一個残して全部売る。

3.それを身に着けて、さも「貴方からもらったプレゼントは気に入りましたよ」という体で各送り主に接客。

この話が好き。色々応用ができそう。

各インタビューのあとの後日談がポジネガ偏っていないところが、信用できる。

人それぞれという当たり前のことがわかる。

今も働いている人、心の病気になった人、別分野で働いている人といろいろだが、「お店が摘発されて音信不通」というのは、風俗業界ならでは。

そういうお店が必ずしも過激なサービスをしているというわけでもないようなので、理不尽な仕事だなと思う。

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村瀬秀信『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史』

2016-02-24 21:08:21 | 読書感想文

 

4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史 (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

2016/2/23

・ホエールズとベイスターズの球団史をさまざまな関係者の証言とともに振り返る本。

・歴史の教科書と言うには、著者のチーム愛が行間からあふれ出しすぎている。「俺が書かなきゃ誰が書く!」という使命感に満ちている。

・文章がなぜか時代劇研究家の春日太一さんの声で再生される。

・長年のファンならではの名言多し。

「大切なものはね。目には見えないんだよ」「最下位の長いトンネルを抜けると、そこはまたトンネルだった」「負けは全てを黒く塗りつぶす」「業」。

・直接的な自虐ネタなど、やりつくしてしまったんだろう。文学との親和性が高い。

・選手は選手で「球団は悪いよ。でも大好き(市川和正)」とか言っている。

・もともと漁業から始まった会社とは言え、漁師の比喩で全部説明できてしまう球団経営。

・石井琢朗の若手時代が、京浜アスレチックスの雰囲気によく似ていた。弱い、でも練習する。

・谷繁元信「僕が(後輩捕手に)聞かれていたことを全部教えていたのは、絶対に抜かれないからですよ」。よくよく読むと実戦経験が必要という意味だったけどかっこいい。

・一場と那須野のメール「2人で横浜に入って30勝しようね」かわいい。そして悲しい。

・須藤豊「結果は求めず成果を求めろ」は至言。

・三浦大輔のリーゼント誕生のきっかけ。自称「消去法のエース」。

・同じプロ選手に「キャッチボールから違う」と言わせる斉藤明夫。

・個人的に同姓のプロ野球選手である遠藤が尊敬されていてうれしい。

・駒田徳広の入団経緯が気の毒。そして、意外といろんなことを考えている。

・むかし、朝のニュースで「駒田は何を考えているかわからん」と散々なこと言われてたのに。

・著者はこんなにファンであることに苦しんでいるのに、愛に溢れてる。

・DV夫と嫁の関係と何が違うのか、しばらく考えたい。

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河崎実監督『地球防衛未亡人』(2014年)

2016-02-23 20:55:02 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

地球防衛未亡人 【DVD】
クリエーター情報なし
竹書房

2016/2/23

地球防衛軍みたいなところのエースパイロットであるダン隊員(壇蜜)が、怪獣と戦う話。

壇蜜ありきの企画だと思うんだけど、壇蜜の場違い感がすごい。

なんでこういうジャンルになったんだろう。

エースパイロットって言っても、他にパイロットでてこないし。

ゆるいのはしょうがないとして、雑な中国disや東電会見パロディなど、モラル的に問題のありそうなシーンが多い。

オスプレイとメスプレイとか、地球防衛軍の略称がJAPとか、戦闘機がジャップヤローとか、こういうギャグをおもしろいと思える人は、どういう人なんだろう。

センスがおっさんくさい(かなり無神経なほうの)。

それなりにキャリアある人もいるだろうに、こういうセリフを言わされる役者さんたちが気の毒。

壇蜜自身に罪はなさそうなのでくらくらしてしまう。

演技は通常時の棒読みぶりと喘ぐときのギャップがすごかった。

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リュック・ベンソン監督『LUCY/ルーシー 』

2016-02-22 22:53:10 | DVD・VHS・動画など

 

LUCY/ルーシー [DVD]
クリエーター情報なし
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

2016/2/22

ごく普通の女性ルーシーが、無理やり麻薬の運び屋をやらされた結果、脳を極限まで使える超人になってしまった話。

そのルーシー役には、スカーレット・ヨハンソン。ヒロイン顔でもあるし、ヒーロー顔でもある。

マフィア側の韓国系のボスが前田日明に似ている。

怖いし迫力があるんだけど、両目にキュウリパックしていたり、トランクを開けるときに結構びびっていたりして、愛嬌がある。

敵のパントマイムお兄さんともどもかわいい。

超人が悪を退治するアクション映画というより、うっかり生物史上の最高の知性を手に入れた人間が、残されたわずかな時間で何をすべきなのかという哲学的な話に展開する。

どんどん脳を活性化させていく彼女を、パーセンテージで表現していく演出がいい煽り。かっこいい。

『レオン』の監督でもあるリュック・ベンソンが『アルジャーノンに花束を』を映画にしたらこうなる、という感じ。

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メナヘム・ゴーラン監督『オーバー・ザ・トップ』

2016-02-21 23:28:23 | DVD・VHS・動画など

 

オーバー・ザ・トップ [DVD]
クリエーター情報なし
TCエンタテインメント

2016/2/21

スタローンが、コンボイでのドライブとアームレスリングを通じて、仲の悪かった息子と和解する話。

息子がほんと小生意気なんだけど、ちょいちょいユーモアをはさんでくるので、最初からそんなに悪いやつに見えない。

なんで子供があんなに演技がうまいんだ。『ペーパームーン』の雰囲気に似ている。

アームレスリングの世界選手権が始まってからは、完全に少年ジャンプの世界。

絶対王者が無名の主人公に一目置いていたり、そんなに必要とは思えない技の数を誇るやつがいたりで、30年前の作品とは思えないくらい身近に感じる。

試合中に、妙にリアリティショーっぽいインタビューを挿入するのもテンポがいいし、なんか笑える。

父の息子愛がすがすがしい。コンボイで寝てるところとか、どんだけ好きなんだよ。

色々間違ったこともやってるけど、この父親ぶりにはあこがれる。ただ、この父性は自分の中にはない。

コンボイは最初のほうがかっこいい。

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リドリー・スコット監督『オデッセイ』

2016-02-20 19:53:10 | 映画を見てきた

2016/2/19

火星に取り残されたマッド・デイモンが、水も酸素もほとんどないなか、どうにかして救助が来るまで生き残ろうとする話。

「あれ?今の宇宙科学ってここまで進んでたっけ」というくらい火星描写に違和感がない。

ちょっと薄着過ぎないかと思ったくらい。

取り残された側も、地球の技術者も、彼を取り残した他の乗組員も最善を尽くしていた。

みんな賢い。共通言語としてのユーモアも使いこなしていてかっこいい。

それだけ最善を尽くしていても、うまくいかないことはあれば泥臭い方法だって取るよっていうのは、どこの現場でも結構よくあることのような気がする。

主人公が他の乗組員を気遣っているところもいい。

ことあるごとに「食べる」シーンをはさんでいるのは、しんどい話なのに、あんまり暗くならないようにする工夫だと思う。

映画館の売店ではジャガイモをふかしておいたほうがいい。北海道だし。まだ間に合う。

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