遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

鈴木大介『最貧困女子』

2016-03-31 12:52:09 | 読書感想文

 

最貧困女子 (幻冬舎新書)
クリエーター情報なし
幻冬舎

2016/3/29

まず貧困と貧乏は違うという言われなきゃ気付きにくい指摘から。

貧乏は幸せになりうるが、貧困はそうではない。

貧困女子に陥らないための三つの網、家族・地域・制度。

幼いころからDV被害にあっているような女性の場合、どの網もあっさり通過してしまう。

家から逃げ、地域から離れ、制度を利用するのが困難。

結果セックスワーク以外の居場所がなくなる。

他に選択肢はなく、救いようがない。

そういう経緯で風俗で働くしかない女性がいる一方、仕事や副業としてのセックスワーカーも増えている。

風俗を「仕事」として考える彼女たちは正しい方法で努力し、わざわざ風俗を選ぶくらいだから容姿もいい。

やむを得ずセックスワークをやっていた人は、自然、仕事がなくなり過激化・違法化せざるを得ない。どうにもならない。

筆者も「取材に耐え切れず、私は逃げた」と書いている。可視化で精一杯。

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安田公義監督『大魔神』(1966年)

2016-03-31 00:42:37 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

 

大魔神逆襲 デジタル・リマスター版 [DVD]
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角川映画

2016/3/29

子供のころは「大魔神ごっこ」で遊んでいたし、いちばん野球を見ていたのは「ハマの大魔神」のころだったのに、実際どんな話なのかさっぱり知らなかった。

戦国時代、謀反を起こした家老が、復活した大魔神に成敗される話。

83分の短い話なのに、序盤から中盤にかけて妙に長く感じる。

殿が家老の謀反に合い、息子と娘が出奔する。

とても丁寧に描かれているけど、予想どおりすぎて普通。

いつまでたっても大魔神が復活しない。

後半の37分間だけ見れば十分。

こうして、古典は断片化されていくのかもしれない。

復活した後は半世紀前の映画とは思えないくらい迫力がある。

大人が数人がかりで仕掛ける投石器や、台車に乗せた薪を燃やして大魔神に突入させるのがかっこいい。

まったく大魔神に効かなかったのも予想どおりだったけど。

 

特撮リボルテック002 大魔神 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み アクションフィギュア
クリエーター情報なし
海洋堂

かわいい。

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清水崇監督『呪怨 劇場版』(2002年)

2016-03-30 00:59:16 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

呪怨 劇場版 デラックス版 [DVD]
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ジェネオン エンタテインメント

2016/3/26

過去に一家惨殺事件が起きた家に引っ越してきた家族やヘルパーの女の子が、伽椰子と俊雄にひどい目にあわされる話。

序盤で、昨日見た「THE JUON」とほぼ同じだということに気づいて激しく後悔する。

驚かしポイントも似ているので、どうしても怖さが薄まってしまう。

ただ、それにしても、外国人版のほうが驚かせ方は丁寧。

何が違うのか、こちらの場合、伽椰子と俊雄が人を驚かすのに一生懸命やっているように見える。

幽霊たちの見た目が生身の人間にしか見えないので、被害者の誰も彼もが一様にぎゃーぎゃー言って腰を抜かすだけなのが、バカっぽく見えてしまう。

ほぼネタバレ状態で見ていることや、後発組のほうが有利なのを差し引いても、見せ方や出演者の俳優の演技力に結構差がある。

英語版は、幽霊たちが「生身に見えるからこそ怖い表現」をやっていたと思う。

監督は同じなので、こちらのほうはそのへんの見せ方がまだ整理されていなかったのかもしれない。

 

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逃避ラン「時間走(30分)」

2016-03-29 11:28:36 | 走メモ

2016/3/29

時間走(30分)

5.98km 37:53 6:20/km

前に走ってから3ヶ月近く空いてしまったので、とりあえずがんばり過ぎないように心がける。

サボりサボりやっていた筋トレが効いているのか、ブランクによる違和感はなく、「さくさく」足が運べる。

「どがどが」していないのは気持ちいい。

ただ、心肺系への負荷をほとんど感じなかったので、ぜんぜん鍛えたことにならないような気がする。

コースは決めていなかったが、雪があるときにはまず行かない東区のほうへ向かう。

15分過ぎても折り返しの目安になるような特徴的なポイントがなく、仕方なく東区ロイホとツタヤのところで折り返す。

ひとまず、江部乙のマラニックにエントリーした。どこかでフルに参加したいが、どれを走るかはまだ検討中。

どこがベストなんだろう。

※計測は「MY ASICS」使用。こんなにグネグネしていないので、数値は微妙。

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清水崇監督『THE JUON/呪怨』(2004年)

2016-03-29 00:03:49 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション [DVD]
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ジェネオン エンタテインメント

2016/3/26

過去に一家惨殺事件が起きた家で、西洋人家族やヘルパーの女の子が、伽椰子と俊雄にひどい目にあわされる話。

日本が舞台で、完全にJホラーの見せ方なのに、出演している人のほとんどが西洋人という絵面に困惑する。

西洋人が英語で演じていても、フィクションラインを低めに抑え、淡々とした描写。

こういうときにことさら文化の違いを強調しないのは大事。

もともと伽椰子や俊雄の知識がなく、話の時制も前後しているので、全体像がうまくつかめない。

それでも怖いものは怖い。

展開の妙と言うより、シーンごとに「怖くていやな感じのするもの」に反応してしまう。

髪の毛とか写真の切り抜き方とか、心霊写真の表現とか、自宅なので遠慮なく「こわっ!」と言ってしまう。

ただ、見る順番を完全に間違えてしまったような感じはすごくする。

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カンタン・デュピュー監督『ラバー』(2010年)

2016-03-28 00:33:43 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

ラバー [DVD]
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トップ・マーシャル

2016/3/24

意思を持ったタイヤが人を襲う話。

タイヤが人を襲っても地味じゃないかと心配していたら、どういう原理か、タイヤが力むと目の前の人やモノが「パンク」する設定。

なので、モノはともかく、人に関してはひどいスプラッター表現になる。

どっちにしても、モンスター映画の限界に挑戦する極北の作品だと思っていたのに、タイヤが人を襲うシーンはひたすら単調で工夫が無い。

タイヤがシャワー中の女を覗くというギャグも地味。

場面を「タイヤが人を襲う世界」と「その世界を見物する人々」に分けるという、中途半端なメタ構造で退屈さをごまかそうとしている。

最初に見物の企画者っぽい人が、見物人たちに「すべての物事には理由は無い」と過去の名作映画を並べ立てるシーンがある。

それが本編のあらゆるシーンで、そのまま観客への言い訳にしている。

メタシーンの扱いもぜんぶ「理由は無い」という言葉で片付けられるので、ただただ「なんとなく」作っているようにしか見えない。

ジャンル映画を期待すると残念な気持ちになる。

何かのオマージュかもしれないけど、その前にやることはやってほしい。

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ピート・ドクター監督『インサイドヘッド』

2016-03-27 00:03:54 | DVD・VHS・動画など

 

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ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

 2016/3/25

・ライリーの頭の中にいる感情たちが、それぞれ意思を持って本体を幸せにするため悪戦苦闘する話。

・その感情は、「ヨロコビ」「カナシミ」「ビビリ」「ムカムカ」「イカリ」の五人。

・主に「ヨロコビ」と「カナシミ」の物語なので、そのほかの三人は、あんまり役に立たない。

・特に「ムカムカ」がよくわからない。

・オープニング「感情の誕生」からの10分くらいで、世界観を一気に説明できている。しかもおもしろい。ヘタしたら泣ける。

・スタートダッシュにかけられる熱量がすごい。

・そして、最後まで退屈を感じることなく見られる。

・ストーリー、登場人物の愛らしさ、映像の美しさ、ギャグ、音楽。常にどれかが必ずおもしろい。

・字幕と吹替で続けて二回観ても平気だった。

・ホッケーのシーンがかっこいい。そのうちスポーツ中継だけのアニメが作れるかもしれない。

・抽象表現のところ、笑った。

・潜在意識の守衛どうしの会話もばかばかしすぎて好き。

・どう考え直しても「ヨロコビ」よりも「カナシミ」のほうに親近感がわく。

・というか、「イカリ」のほうが厄介なのでは。

・感情の中で「悪者」を作っていないのがいい。それぞれの属性に合わせてライリーの幸せを願っている。

・自分でこういう話を考えたら「感情たちの頭のなかの感情はどうなっているんだ?」と混乱しそう。

・「ライリー」という名前が他人とは思えない。

・吹き替え版で子供の嫌いなものが変わっている。でも、ブロッコリーのままでいいんじゃないだろうか。

・ビンボンの見た目がいくらなんでも怖い。

・ママが美人。

・こんなところであの男塾名物が見られるとは。

・かなり無理やりだと思っちゃうけど、観客としてはやっぱりあそこで解決してほしい。

・逆に考えると、時間を見れば大体の展開はわかってしまう。もはや水戸黄門感覚。

・ライリーには「よかったね」と言えるけど、現実世界にはヨロコビみたいな大事な感情をゴミ捨場で失ってしまったような子供も大勢いるんだろうなと思ってしまう。

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水田伸生監督『あやしい彼女』

2016-03-26 00:23:21 | 映画を見てきた

2016/3/24

試写会。

70歳を超えたおばあさんが突然若返る話。

設定自体には惹かれないけど、この「お題」でどんな娯楽作品が作れるかという大喜利だったと考えると、かなりレベルが高い。

クセの強いおばあさん役が倍賞美津子、若返ったおばあさん役に多部未華子。

おばあさんの言動がエキセントリックすぎて飲み込みづらかったり、『ローマの休日』オマージュが鼻についたりするものの、重要な伏線だったりもするのでガマンする。

そもそもおばあさんが元気すぎて、別に若返んなくたって十分幸せなんじゃないのと思ってしまう。

おばあさんは、特技の「歌」で「若いのに昭和の心がわかるアーティスト」として売れかける。

実際、多部未華子の歌がよい。

歌のシーンは結構長く尺を取っていたけど、勝算あってのキャスティングと編集だったんだと思う。

ただ、序盤の名曲のカバーと比べると後半のオリジナル曲でちょっとテンション下がる。

現実世界でもそういうことってありそうだけど、娯楽映画としてはちょっと残念。

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中田秀夫監督『リング2』(1998年)

2016-03-25 00:10:13 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

リング2 [DVD]
クリエーター情報なし
パイオニアLDC

2016/3/24

「2」とあるけど、「リング」シリーズの3作目。2作目『らせん』はNetflixに入っていなかった。

引き続き、呪いのビデオでたくさん死ぬ話。

「1」では隠し味程度しかなかったSF要素が強まり、ホラー要素が後退している。

全体的に各登場人物の存在感が薄まっていて、同じくらいの重要度の役が増えている。

ヒロインの中谷美紀がいなかったら群集劇になっていたかもしれない。そのヒロインにしても陰のある感じで共感要素が薄い。

誰が何をしたいのかよくわからず、集中が続かなかった。『らせん』が重要だったのかな。

医師役の小日向文夫さんが今回もかっこいい。

昔から頭がよすぎて周りの人間から理解が得られないことに慣れている、そんな「会話が下手な人」の役を意識的に演じているように見える。

昔の二枚目俳優っぽい浮世離れした演技にも見える。とにかく眼が離せなかった。

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英勉監督『貞子3D』(2012年)

2016-03-24 16:47:11 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

貞子3D 2Dバージョン(本編DVD)
クリエーター情報なし
角川書店

2016/3/23

・前の呪怨が怖かったので、薄めたかった。

・タイトルに3Dと付いているのに、iPhoneで見る暴挙。

・ただ、DVDで2Dversionを出すくらいだから勝算ある可能性も。

・呪いの動画を見た人たちが次々と怪死する話。

・映画の入口と出口でジャンルが違っていた。

・最初は一応ホラー映画の体で進行するけど、あるポイントからモンスター映画に変わる。

・最初のホラー要素は、全体的に大雑把。

・小さなスマホの画面から腕が飛び出してくるところとか、その腕が手首をつかむのにつかまれた人が後ろに吹っ飛ぶとか。

・ニコニコ動画の再現すらピンとこない。

・ネットユーザーの「404 Not Found」への本気の恨みは感じる。

・入試科目に容姿が含まれているのではないかというくらい、女子校の生徒が美形ぞろい。

・ほぼ恐怖は無く、たまにびっくりする感じ。

・ただ、「インターネット」と「ホラー」は相性がよさそう。

・心霊現象の原因になりそうな怨念は、その人が死んだあとでもSNSなど諸々の書き込みとしてネット上に残る。

・今じゃネットは身近なものだし、多少動作が不安定になっても不自然じゃないし、不思議現象が起きればそれなりに恐怖と説得力を確保できる。ような気がする。

・第三舞台の解散公演『深呼吸する惑星』と同じ考え方。

・ただ3Dとは合わない。3Dは臨場感が増すけど、作り手の作為も目立ってしまうので、恐怖表現のノイズになってしまう。

・3D邦画にありがちなやたら蝶や蛾を付け足したがる手口も「またか」と感じる。

・なお、人気ホラーシリーズの恐怖対象が、萌えキャラ化していくのは仕方ない。

・なので、作り手側も折り込み済みだったんだと思うけど、後半はすっかりモンスター映画。思い切った。

・ヒロインにとって問題なのは怪奇現象じゃなくて、敵の牙とスピード。

・耐久性はそんなに高くないから、武器があればそれなりに戦える。

・石原さとみが強い。

・貞子がすごくかわいい(重大なネタバレ)。

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