遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

小泉徳宏監督『ちはやふる ー結びー』

2018-03-31 00:44:33 | 映画を見てきた

[MV] Perfume 「無限未来」

2018/3/28

・時間勘違いで最初の10分弱見逃す。

・落ち込みすぎて最初のほう何を見ても楽しくない。

・瑞沢高校の競技かるた部が全国大会に挑むなか、部長の真島太一が、学業との両立やエースの千早との関係に苦しみながら成長する話。

・原作はすっかり長期連載になって群像劇化しているけど、時間の制約がある映画では太一の成長にフォーカスを当てている。

・対戦相手の味わい深いエピソードはひととおりカットされているけど、桜沢先生の後姿だけ映ってるところとか、原作好きにはたまらない焦らし方で、全部描けないなりに配慮も感じる。全体的に脚色うまい。

・お話としては太一が中心でも、やっぱり千早がかるたをやりだすと見入ってしまう。

・広瀬すずの目付きとか少し乱れた髪とか札を払った後に和服の袖がふさっとなるところとか、一挙手一投足とにかくかっこいい。

・広瀬すずを見てこんな貫禄のある十代なんかいないよと思ったら彼女自身がまだ十代だった。

・どっからどう見ても美人でキラキラしている人にオタクのコスプレをさせるようなキャラ付けが苦手なので、本作のように最初から美人であることを前提にしてくれたほうが屈託なくて好き。

・松岡茉優が会場に現れるところ、ギャグだし実際笑ったんだけど、見ちゃいけないものを見てしまった後ろめたさのほうが強い。

・原作のいいところは登場人物の熱量が読み手に伝播していくところ。多少話が変わっていても、そこを抑えているので満足度は高い。

・むしろ、青春を描くには、終わることを前提としていない連載マンガよりも、時間の制約のある映画のほうが向いていると思う。

・作中の藤岡東高校のように、地域のアマチュア団体の猛者が集まって部活を作り、無名の高校が全国制覇を目指す感じが競技かるた独特とい感じで好き。サッカーのクラブチームと部活動みたいな感じなのかな。

・最終試合での小道具の使い方が上手かった。台詞ではなく絵で見せるのがおしゃれ。

・結局、千早は最後までどちらも選べず、ほとぼりが冷めたくらいの年代になってから、全然関係ない第三者と結婚するような気がする(見も蓋もない)。

<関連記事>

小泉徳宏監督『ちはやふる 上の句』

小泉徳宏監督『ちはやふる 下の句』

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ゲキバカ『ローヤの休日』(観フェス2018)

2018-03-30 00:12:17 | 観劇三昧:観フェス2018

観劇三昧:ゲキバカ『ローヤの休日』

2018/3/29

窃盗団の一人が、一緒に捕まった仲間達と刑務所から脱獄しようとする話。

オープニングから激しいダンス。

物語の前提となる事件、ダイヤを盗む過程を誰にでもわかるように抽象的に描く。

そういう見せ方自体はよくあるんだけど、体のキレ具合や情報の練りこみ方が抜群。

妙に自由度の高い囚人たちや、窃盗からの死刑、単純すぎる脱獄方法といった、ザワザワする前フリが終盤部で回収される。

オープニングのダンスを繰り返すことで物語として統一感が出る。こういう部分の構成の仕方がうまい。

主人公の苦悩部分と死刑の是非論みたいな部分は、どうつなげていいのかよく分からず。

ちょっと性格がアレな上司が、ハリウッド映画のラスボスみたい。イメージは『レオン』に出てくるあいつ。

お菓子の使い方が、警察の二人の性格を象徴的に表現していてよくできている。

※「エンタメ賞」に投票しました。

作品情報(観劇三昧HP)

劇団名 ゲキバカ
公演時期 2011/03/26
上演時間 01:44:43
地域:関東

出演者:
西川康太郎/伊藤今人/石黒圭一郎/鈴木ハルニ/渡辺 毅/中山貴裕(以上、ゲキバカ)/加藤靖久(AND ENDLESS)

スタッフ :
作・演出:柿ノ木タケヲ
照明:兼子慎平(LaSens)/音響:佐藤春平/角張正雄、竹田 雄/舞台監督:中西隆雄<東京>/宣伝美術:細田美装/写真:飯野高拓、和知明/衣裳:車 杏里/演出助手:海野デカ、とまべちゆうこ/記録・映像:KASSHAKA/制作:浅倉良徳、吉田千尋、宮崎正輝/企画・製作:ゲキバカ

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90年会『第1話【僕らだって、ヒーローだ】』

2018-03-29 00:47:16 | 観劇三昧

観劇三昧:90年会『第1話【僕らだって、ヒーローだ】』

2018/3/28

予定していた演目が本番2週間前にできなくなってしまい、演目を変えてなんとか公演を遂行しようとする話。

実際に起こった出来事を、再構成して演劇作品の形にしている。

「トラブルをプラスに変える」とはよく聞くけど、そもそもトラブルはないほうがいいし、基本的には被害を最小限にするための精神論に過ぎないと思う。

それでも、劇中劇を多用したり、演技のメリハリだったり、個々の仲良し感だったり、悲壮感の漂わないギリギリのところを狙っている。

時間の制約がある以上、どこまでやるか、やれるかの判断はホントに難しいので、よくここまで組み立てたなという印象。

出田英人さんが普通の爽やかなお兄さんで大いに戸惑う。曹操。

脚本家どうしが書いたもの見せっこしているのは有効そうだし、脚本書けないときの泥のような雰囲気にも、とても共感してしまった。

役者さんはみんな魅力的なので、変化球ではない次の公演が楽しみ。

※ゴタカと楽ちゃんと三戸部くんがいた(他人の空似)。

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:90年会

公演時期 2018/03/18
上演時間 01:15:23
地域:関西

出演者:
池永百花/出田英人(劇団ZTON)/大牧ぽるん(激団しろっとそん)/木下航(熊の宅急便企画)/坂元恭平(ProductionDayze)/前田郁恵(劇団ZTON)

スタッフ :
作・演出:出田英人(劇団ZTON)、木下航(熊の宅急便企画)、大牧ぽるん(激団しろっとそん)
演出:

舞台監督:宝代裕規/照明:浜崎聡/音響:廣岡美祐(ゲキゲキ/劇団「劇団」)/映像:武信貴行(SP水曜劇場・観劇三昧)/スチール撮影:熊本将

あらすじ
「27歳」そんな歳で自身の信念のもと芝居をしている6人の役者。とある公演で出会い、友となり、自然な流れでユニット立ち上げと相成った。日々の討論、迷いなども乗り越えた先【本番日】の2週間前。僕たちは大きな壁にぶつかった…。
友情も家族も芝居も全部生でお見せします。これが90年会第一話だ!
「僕らだって、ヒーローだ」

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山本一成『人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』

2018-03-27 20:51:20 | 読書感想文

 

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

2018/1/17

最強の将棋ソフトPONANZAの開発者が、人工知能の発展していく過程を説明する本。

専門用語が可能な限りわかりやすく書かれていて、感覚的にわかった気になる。

一度に何万、何億手も先が読めるソフトはわりと昔からあったのに、どうして最近になって急激に強くなったのか。

機械学習だディープラーニングだと簡単に言ってしまいがちだけど、開発者側からすれば、「そんな単純なものではない」となる。

そして、その秘訣を「黒魔術」と表現する。

黒魔術の結果、人工知能がプログラマ(の言語能力)を卒業し、還元主義的な科学(性能が上がるほど性能向上の原因がわからない)から卒業し、ごく一部の天才からも卒業する。

ただ、人工知能は人間が利用するために作られている以上、人間がサンプルとなってデータが作られる。

人間がいい人であれば、人智を超えた人工知能もいい人であるという結論は、希望にも絶望にもなる。

あと、PDCA理論は、一般常識として覚えておきたい。

 

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劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】』(観フェス2018・2回目)

2018-03-26 00:14:16 | 観劇三昧:観フェス2018(再視聴)

観劇三昧:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【護王司馬懿編】』

2018/3/25

三国志の英雄達が、五行の精霊たちと決別して人間の世界の礎を築く話。

観フェス投票のための再視聴。→1回目

圧倒的なスケールの大きさと殺陣の迫力をうっとり楽しむ。

観劇三昧の日本橋店で、記念に何かひとつ買おうと思って、悩んだ挙句、本作の台本を購入したくらいファン感覚。

時系列が前後している意図とか、そう言えば魏延は「裏切り」と「隠れ有能」キャラの回収なのかなとか、最後はマンガの封神演義なのかなとか、どこまでも司馬懿がかわいいし孫権は凛々しいとか、色々考えながら見る。

悪劉備がやっぱりかっこいい。中国の歴史だ五行の龍だと恐ろしくロマンの詰まった世界観を、どこまでも人間だった劉備が悪知恵と腕力の限りを使って引っ掻き回す痛快さが、善悪を超えたかっこよさにつながっている。

最後もしっかり『三国志演義』ではなく、『覇道ナクシテ、泰平ヲミル』シリーズとしてまとめていた。

※「感動賞」に投票しました。

<作品情報>(観劇三昧HP)

劇団名:劇団ZTON

公演時期 2017/01/27
上演時間 02:07:04

出演者:

為房大輔/出田英人/高瀬川すてら/レストランまさひろ/図書菅/門石藤矢/前田郁恵/久保内啓朗/黒木柚真(以上、劇団ZTON)/黒原優梨/児島真理奈/渡辺健太/今池由佳/魚水幸之助/小野村優/小出太一(劇団暇だけどステキ)/土肥嬌也/平宅亮(本若)/御竹龍雪(笑撃武踊団)/浅場幸子/大塚洋太/尾崎秀明/竹折英雄(たてびと)/丹羽愛美/溝口大成(本若)

スタッフ : 
脚本・演出:河瀬仁誌 舞台監督:今井康平(CQ)/舞台美術:西本卓也(GiantGrammy)/照明:吉田一弥(GEKKEN Staffroom)/音響:児島塁(Quantum Leap*)/殺陣オペ:福島健太(本若)/衣装:鈴木貴子/ヘアメイク:滝沢侑子/小道具:劇団ZTON/殺陣・振付:為房大輔/宣伝美術:中森あやか/撮影:竹崎博人(Flat Box)/制作協力:尾崎雅久(尾崎商店)/企画・製作:劇団ZTON

あらすじ
舞台は古代中国大陸。 
この大陸には、遥か神話の時代から生きる“龍”と呼ばれる存在がいた。 
龍たちは大陸を治める資格を持つ者の前にのみ姿を現し、
その者に神託を下すことで大陸を支配していた。

後漢末期。長きに渡り漢王朝を支え続けた“炎の龍”は息絶え、
その混乱に乗じて、龍を凌駕する者・龍と決別する者・龍を信じぬ者はそれぞれの国を作る。
世は、三国志と呼ばれる黎明の時代へ突入する。

後に三国時代を終わらせる者、司馬懿仲達。
三国による天下分け目の大戦、赤壁の地にまだ兵卒に過ぎない司馬懿の姿があった。
それぞれの野望と信念を胸に、
龍に頼ることのない英傑たちは大陸全土を揺るがす大きな時代のうねりについに決着をつける。

ー道は途絶え、泰平の世が訪れるかー


【配役】劇団ZTONのHPより

司馬懿…黒原優梨
徐庶 …門石藤矢
陸遜 …渡辺健太

劉琦 …児島真理奈
魏延 …土肥嬌也

劉備 …為房大輔
関羽 …御竹龍雪
張飛 …平宅 亮

曹操 …出田英人
夏侯惇…レストランまさひろ
夏侯淵…久保内啓朗
水龍 …前田郁恵

許褚 …図書菅
黄龍 …今池由佳

孫権 …高瀬川すてら
周瑜 …小出太一
黄蓋 …魚水幸之助
風龍 …小野村優

観劇三昧友達招待プログラム
http://kan-geki.com/signup/signup_register.php?route_key=krldq2epb0pj659jr86k
※ここから会員登録をするとポイントがもらえるそうです

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】』

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【真王孫権編】』

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽王劉備編】』

関連作品:劇団ZTON『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【蝕王曹操編】』

関連作品:劇団ZTON『ティル・ナ・ノーグ 〜太陽の系譜〜』(観フェス2017)

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『INDEPENDENT:SPR18 札幌予選会』

2018-03-25 00:44:30 | 演劇を見てきた

2018/3/24

・仕事が終わって急いでコンカリへ。3分遅刻で最前列。

・20~25分位の一人芝居が4作品。

石鉢もも子『もしも前夜』。

・恋する女性とスマートスピーカーとの会話形式。

・話し相手が生身の人間じゃないだけでほぼ二人芝居。

・こんなに一人芝居っぽくない一人芝居も珍しい。

・AIの演技がうまい。抑揚と間の採り方。生身の人間とは一定の距離の置く絶妙なところをついている。

MC脂肪漢『座敷童子にかわれた男』

・一人語りと座敷童子との会話形式。

・冒頭から個性的な見た目と語り口に期待が高まる。

・座敷童子は妖怪なので目に見えないという仕掛け。

・MCというくらいだから、異ジャンルからの刺客なんだと思うので、もう少し得意分野が見たかったかも。

寺地ユイ『デイブレイクガールフレンド』

・ぬいぐるみと電話での会話形式。

・ぬいぐるみがいい演技をしている。特に終盤の達観した目つき。やれやれ感。

・一番オーソドックスな形式なので、役者としての地力が問われる感じ。

・のびしろはまだまだありそう。

安田せひろ『とおいの知覚』

・演者は動きのみ。別撮りの音声を流す形式。

・おそらく手紙を想定しているんだろうけど、ちょっと近文的な表現と、訥々とした語り口が心地いい。

・表現としては一番おもしろかった。

・こういう異業種を覗き見するような作品は好み。

・建設資材を見る目つきでプリンを見ているところ。

・文字どおり、巨大な余白を残す終わり方もかっこいい。

・本戦に残ったのは『もしも前夜』『デイブレイクガールフレンド』の二作品。

・どちらも近い年代の女性の恋愛話なので似たような題材なんだけど、役者としてのスキルの高さを採ったのかなという印象。

・安田さんの作品は一人芝居としてはエッジが利きすぎていたのかも。

・最前列だったので、イチゴやカラメルのにおいがわかった。

・あんまり自覚なかったけど、わりと鼻がいいほうなのかもしれない。もしくは、お腹が空いていたのかもしれない。

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モンゴルズシアターカンパニー『遊んで、お父さんーヒトラーvsフロイトー』(観フェス2018)

2018-03-24 00:03:38 | 観劇三昧:観フェス2018

観劇三昧:モンゴルズシアターカンパニー『遊んで、お父さんーヒトラーvsフロイトー』(観フェス2018)

2018/3/22

ユダヤ人医者ブロッホが、6歳のアドルフ・ヒトラーを治療するため、精神科医のフロイトを紹介する話。

実際にフロイトがヒトラーを診察した事実があるかどうかは、ちょっと検索しただけではよくわからず。

なにぶん6歳なのでヒトラー自身は舞台には登場せず、ブロッホ、フロイト、ヒトラーの両親の四人芝居。

ヒトラーのユダヤ人嫌悪は父親への嫌悪が原因という仮説。

ただ、家庭環境が異常すぎるので、そんなに単純ではないことも描かれている。

人種差別と反知性主義がとても近しいところにあるのが生々しい。

こういう話の通じない、手に負えない、口だけがひたすら達者な人、今でもよく見かける。

会場は、劇場ではなく、公民館みたいなところで、暗転でも光が漏れていたり、外の音が中に入ってきたりする環境。

こういうところでもこれだけ聞かせられる会話劇ができるというのが新鮮。

※「観劇ビギナー賞」に投票しました。

■作品情報(観劇三昧HP)
劇団名:モンゴルズシアターカンパニー
公演時期 2017/01/14
上演時間 01:00:51
地域:関西

出演者:
宮村信吾(劇団EN)/松原一純(A級MissingLink)/藤田和広/福良千尋

スタッフ :
作:くるみざわしん(光の領地)/演出:増田雄(モンゴルズシアターカンパニー)
あらすじ
1895年。クララ・ヒトラー(35)は毎晩悪夢にうなされている我が子アドルフ(6)が心配であった。ある日、自身の主治医であるエドゥアルド・ブロッホ(23)に相談すると、ある精神科医を紹介される。やってきた医師こそジグムント・フロイト(39)であった。フロイトはクララから子供の様態を聞きだし、やがて父親アロイスによる虐待が原因であることがわかってくる・・・。

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カムカムミニキーナ『クママーク』(観フェス2018・2回目)

2018-03-23 00:25:07 | 観劇三昧:観フェス2018(再視聴)

観劇三昧:カムカムミニキーナ『クママーク』

2018/3/22

熊野の山村が滅びていく様を、八咫烏の子孫たちや死後の世界など、古事記や日本書紀のエピソードを練りこみながら描いた話。

観フェス投票のため再視聴。→1回目

公演HPを観ると「再生」の物語とあるけど、作品単体で見ると「滅び」の物語に見える。

ちょいちょいよみがえりエピソードはあるものの、ジリ貧感のほうが強い。

凹凸と言っても、普通はプラマイゼロにはならず、どちらかには偏るものなので仕方ないのかも。

色々他の作品を見た後でも、やっぱり一人語りの迫力と正確さが段違い。

松村明さん、八嶋智人さんはもちろんだけど、明らかに若手の未来さんの一人語りも遜色なく、劇団としての凄味を感じる。

二人同時に一人語りをしているシーンでは、意味が取れなくても音として心地よい。

話全体の意味がつかめたとは言いがたいけど、古事記や日本書紀といった下敷き部分が現実部分を侵食していく混沌ぶりが見所になるんだと思う。

※「芸術賞」に投票しました。

作品情報(観劇三昧HP)

劇団名:カムカムミニキーナ
公演時期 2013/10/31
上演時間 01:52:10
地域:関東

出演者:
松村武/八嶋智人/山崎樹範/藤田記子/未来/小林類/田原靖子/佐藤恭子/中島栄治郎/田端玲実/長谷部洋子/吉田晋一/亀岡孝洋/元尾裕介/篠崎祐樹/藍山彩/中野大地/正木航平

スタッフ :
作・演出:松村武
舞台監督:原田讓二/美術:中根聡子/照明:林之弘(六工房)/音楽:土屋玲子/音響:山下菜美子(mintAvenue inc.)/音響オペレーター:中島有城/衣裳:木村猛志(衣匠也)/衣裳製作:伊藤陽子・小島明子/衣裳進行:和泉みか/演出助手:山田翠/演出補:藤條学/所作指導:森貞文則/大道具製作:東宝舞台/小道具協力:高津装飾美術/運搬:新日本物流/宣伝・舞台・パンフ写真:宮木和佳子/宣伝美術:増井史織・小島由莉子/WEB製作:長谷川達之(サージネット)/制作助手:鈴木誠/制作:横井絹江/企画・製作:カムカムミニキーナ

あらすじ
「23年目。復活の年。」
古事記。歌舞伎。古き良き日本の古典文化の要素を、『神話』というファンタジーの世界観の中で、壮大かつ演劇的に表現。
『クママーク』のテーマは『復活』。5年振りの出演となる山崎樹範や、3年振りの出演となる吉田晋一。この2人の”復活”が、23年目を迎えるカムカムミニキーナに、新たな”復活の年”を呼び込む。

【CAST】 (映像内エンドロールより)
淵沢 (フチザワ) 松村武
八十女(ヤソメ)  八嶋智人
南無吉(ナムキチ) 山崎樹範
清美 (キヨミ)  藤田記子
葺音 (フキネ)  未来
熊飼 (クマガイ) 小林類
須勢理(スセリ)  田原靖子
石押子(イワオシコ)佐藤恭子
熊野部千代定(クマノベチヨサダ)中島栄治郎
井氷鹿(イヒカ)  田端玲実
志木 (シキ)   長谷部洋子
八十猛(ヤソタケル)吉田晋一
浅見校長 亀岡孝洋
聖(ヒジリ)・亜業イン 元尾裕介
八十翔(ヤソカケル) 篠崎祐樹
おお・とつ 藍山彩
八十中(ヤソアタル) 中野大地
八十渡(ヤソワタル) 正木航平

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アトミック☆グース『イカサマノネット』(観フェス2018)

2018-03-22 00:26:18 | 観劇三昧:観フェス2018

観劇三昧:アトミック☆グース『イカサマノネット』(観フェス2018)

2018/3/15

読者プレゼントの宝くじを発送し忘れてしまった雑誌編集部が、当選者から5億円の当選宝くじを横取りしようとする話。

たまたま元詐欺師の人を集めて座談会企画をしようとしていたので、彼らの力を借りようとするという展開。

そう判断した理由がよくわからないのと、事前に当選者へ番号入りの画像を送るのは明らかに設定のための設定なので、どこまで真剣に見ていいのかよくわからなくなってしまう。

編集部側の人たちは、自身の手配ミス→横領→教唆の三段階でエグい。

最後のネタばらしも受け止めにくくて、過去の新人たちが辞めた理由は、お金以上に先輩や上司の人格の問題じゃないかと思ってしまう。そりゃ怒るわ。

それにしても「犯罪者は更正できない」みたいな記事を本気で書くつもりだったんだろうか。

雑誌『お金と暮らし』の特集記事が案外おもしろそう。「虫は友達、ペットは食料」特集ってひどい。

※観劇ビギナー賞に投票。

■作品情報(観劇三昧HP)

劇団名:アトミック☆グース
公演時期 2015/10/16
上演時間 01:54:16
地域:中部

出演者:
下郷鍵/市谷もめん/森浩晃/鈴村鳴海/小栗久史(座うたざ)/宮谷達也(演劇組織KIMYO)/若葉泰季(演劇組織KIMYO)/山田美波/田口佳名子

スタッフ :
作・演出:西田正也/制作:池田博之・小野由加里
照明:瀧泉千尋/音響:エスパー渡辺/舞台美術:岡田 保/小道具:DP工房/宣伝美術:MOTHER (チラシデザイン)・鈴木智代 (ヘアメイク)/舞台監督:柴田頼克

あらすじ
『月刊 お金と暮らし』を発行する出版社、お金と暮らし出版。
訳あってそこに集う元詐欺師の集団と編集部員たち。
と、ひょんな事から手に入ってしまった宝くじの当たり券。
当選金額数億円! さあ、どうする元詐欺師たち!
この当選券の行方は?本来の権利は誰のもの?
もしかして横取り可能?
巨額当選券を巡って9人が織りなすイカサマ九重奏(ノネット)!

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幾原邦彦監督『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』(1999年)

2018-03-21 00:44:37 | DVD・VHS・動画など

 

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録【劇場版】 [DVD]
クリエーター情報なし
キングレコード

2018/3/20

・王子様に憧れるあまり自分自身が王子様になろうとした「少女天上ウテナ」が、「姫宮アンシー」とともに、ある世界から脱出しようとする話。

・テレビシリーズを見終わってから結構間が空いてしまったことや、最終回(というか終盤部分ほとんど)がよく分からなかったこと、事前に難解だという前情報が入っていたことから、心配しながら見る。

・結果、楽しかった。

・バラの花吹雪とか、映画のスクリーンを意識した引き絵が多用されている。映画館で見たかった。

・テレビシリーズのパラレルワールド的な位置づけ。

・ウテナが学生服を着てちゃんと男装している。

・たぶんテレビシリーズをやってた当時から「あれのどこが男装なんだ」というツッコミはあったんだと思う。

・そんな服装をはじめ、各登場人物の個性や役割はほとんど変わらないのに、全員どことなく違う。

・というか、テレビシリーズが長くよくわからなくなっていた各人の個性を整理しなおした感じ。

・その結果、生徒会長の妹である七実が牛としてしか登場していない。不憫。ねずみ男みたいな立ち位置で好きだったのに。

・他の生徒会メンバーは、顔が濃ゆい感じになっていたけど、存在感は薄くなっていた。

・天上ウテナ視点で描かれたテレビシリーズはバッドエンドと見ていいと思うけど、映画版は姫宮アンシー視点によるリベンジマッチになっている感じ。

・テレビシリーズだってあんな世界観なんだから、あれ自体、実は誰かの妄想だったとか、何らかのかりそめの世界だったとしてもおかしくはない。

・1984年のビューティフルドリーマーの影響下にあったりするんだろうか。新編のほうのまどマギも同じような作りになっているような気がする。

・最後は完全に去年見た韓国映画『お嬢さん』だった。

・とにかく胡散臭い場所だった「あそこ」が、きちんと崩壊してくれてよかった。

・全体的にテレビシリーズのモヤモヤを払拭できたんだけど、最後の風景を見る限り、もしかしたら『テルマ&ルイーズ』みたいな結末だったと解釈するべきかもしれない。結局よくわからない。

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