映画『キャッツ』メイキング映像(A Look Inside)
2020/1/27
・腕に覚えのある猫達が年に一度の舞踏会に集まる話。
・超メジャー作なのに舞台で見たことがない。原作は確か読んだ。なので、ほぼ初キャッツ。
・それが映画でいいのかなと思いつつ、巷の感想を見て怖いもの見たさが勝る。
・ただ、演劇自体を見慣れているのでそんなに不安はない。猫がちょっと人型だったくらいで驚いていては、名作『11ぴきのネコ』は楽しめない。
・とはいえ、わりと生々しいゴミの集積場っぽいところで、隙間隙間からどう見ても人型の何かが出てくるとギョッとはする。
・普通、舞台は全体で見るけど、映画は集中して見るのでデフォルメが効きにくい。苦手な人がいるのも納得。
・まず頭の中のメモリを「演劇9映画1」にしっかり合わせて見るのがコツ。
・最初に次々と個性的なネコ達が登場する。少年マンガなら選手入場シーンにあたる。一番盛り上がる部分なので楽しい。
・とにかく歌っている。普通のミュージカルと比べても多い。歌のシーンをバトルに置き換えたらドラゴンボールみたいになりそう。これはこれで楽しい。
・ぐうたら猫のところのネズミとゴキブリのシーンだけは気持ち悪かった。ネズミはほったらかしで、ゴキブリをボリボリ食べるのも変な感じ。
・ネズミに子供をキャスティングしたせいでコンプラ的に食べられなかったのかなと邪推。
・中盤の舞踏会が始まる手前。とにかく歌える踊れる人たちが集まっている、ただただ楽しいシーン。
・それでも、節々でCGなのかなんなのか、身体表現+αがあるように見えて、演者の身体能力の素晴らしさが目減りしているような。映画の効果が話を強化する方向に働いていない感じ。
・視覚表現がとにかく具体的なので、「手品と魔法は別なのでは?」と、たぶん舞台なら気にならなさそうなところも気になってしまう。
・気球も物理法則で飛んでいるように見えるので、ウルトラクイズの罰ゲームを連想してしまう。
・なかなか見る機会のない舞台とは違って、この規模の座組みいつでも楽しめるようになったという意味では貴重だし、実験映画としても興味深いものの、やっぱり舞台か、本気で撮影した舞台の映像を見たいなという感想に落ち着いた。