遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ホシノポケット朗読公演『月夜のでんしんばしら』

2020-06-29 13:56:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

ホシノポケット朗読公演『月夜のでんしんばしら』


2020/6/29

宮沢賢治の『月夜のでんしんばしら』をzoomを使って6人で読む朗読公演。配信。

ヨミガタリニストマッツさんによる『注文の多い料理店』の序文の朗読で始まる。

ちょっと芝居がかった読みと、背景との合成、画質の粗さまでバランスが取れていた。

本編も画面の暗さや演者の視線、担当の振り分け、動きなど、テキスト外の見せ方が練られている。チューニングがうまい。

夜、少年が電信柱の列の行進を目撃する話。 

石川啄木の「かぞへたる子なし一列驀地(ましぐら)に北に走れる電柱の数」の影響があるらしい。

六人六様の良い声と、変わった状況、繰り返しのオノマトペがファンタジーとしておもしろい。朗読の楽しさを余韻にしてテキストに戻って読み返したりする。

朗読の良さと読書の良さは違うので、楽しみ方は合ってると思う。

むしろ、作品を知らない人は先に読んでいたほうが飲み込みやすいかも。

更に自分でも読んでおくと、読み手の技術が認識しやすいのでさらにオススメ。

(2020/6/13配信)

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平岩時雄『99%の人が速くなる走り方』

2020-06-22 12:03:00 | 読書感想文




2020/6/22

プロのスポーツトレーナーによる走ることの重要性や、トレーニングの心構え、トレーニング方法を書いた本。

入門書だけあってすぐ読める。

特別競技を限定せず広く浅くという感じ。

「体がつぶれている」(関節に余計な負担がかかっている状態)という表現。

関節をうまく使うためには、使わない部分を意識するのも重要という考え方でいいのかな。

走るときにも、ペン(というか棒状の何か)が跳ねるように意識してバウンシングするといいらしい。

確かに余計な関節を使ってるとペンのように体は跳ねない。

QRコードでトレーニングの短い動画がついていてわかりやすい。

確かに似たようなことを学生時代にもやってた。

体の重心の探り方の説明も簡単。

手の上げ下げで微細な変化も意識することも大事みたいだけど、自分は体がなまりまくっていて、うまく認識できず。

もうちょっとちゃんと体に向き合わないとダメだなと反省。


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G/PITライブ ‪空宙空地‬『如水』

2020-06-21 00:32:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2020/6/20

薬剤師の女が、母親を死に至らしめた経緯を被告人として語る一人芝居。

最初に観たのが2016年に劇場で。その後は観劇三昧の配信で何度か観ている。

今回は名古屋の小劇場G/PITの上演をライブ配信で見る。

どうしても時間軸をいとも簡単に行き来しているように見えるおぐりさんに目が行く。

なごやんがつぶれているような汚い部屋で、若き日の「母」が楽しそうに飛び跳ねているところが好き。

最後の母→娘→母の切り替えが更に進化していて、もはや特殊効果のように見える。

もう人生の最後の最後で何もかも失ったように見える老婆と、そこに至る彼女の人生の豊かさが対比して描かれている。

決して後味のいい話ではないはずなのに、最終的には「人間すごい」に着地するからすごい。

日常の尊さを痛感する今の時期だからこそ、意味のある上演だったと思う。

(2020/6/11上演 アーカイブなし)

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札幌シェアター寄席「独りで演じるふたり会」

2020-06-19 02:58:42 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)
 
2020/6/17

ジャンルも活動拠点も異なる2人がオンライン上で落語を披露しあう、配信ならではの催し。

札幌の舞台俳優の飛世早哉香さんは微笑亭乙姫として「たけのこ」を演じる。

演目は初めて聴く。検索してみると上方落語らしい。

塀をこえて生えてきたたけのこを、隣家からの間者に見立て美味しくいただこうとする話。

そんな見立てにつきあってくれるうえに、やれやれという感じで負け札を引いてもくれる隣のお武家さん、いいご近所付き合い。

たけのこお裾分けしてあげてほしい。

続いて東京を拠点に活動している飯干大嵩さん。専門は朗読。

演目は「長短」。気の長い長さんと気の短い短七が仲良くケンカする話。

淀みない語りでまくし立てる短七よりも、とにかく遅い長さんのほうがテンポ良く感じる不思議な聞き心地。

内容よりも語りの緩急で聴かせる。

本人の好みや、できるかどうかはさておき、どんな噺をやってほしいか想像するのも楽しい。

乙姫さんが「たちきり」やったらどんなになるんだろうとか。

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ヴィクター・フレミング監督『風と共に去りぬ』(1939年)※再視聴

2020-06-05 00:27:39 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

前回

2020/6/4

・スカーレットが人生の逆風に抗い続ける話。

・南北戦争前夜の南部アメリカから始まる。

・wikiによるとアメリカでは1939年の公開。日本の公開は1952年というところにも歴史を感じる。

・恵まれた家庭に生まれ、容姿にすぐれている彼女は、何の不自由もなく生きている。

・周囲から甘やかされ、世間を知らず、人を見下し、注文も多い。実際に知り合いにいても、好きにはなれないタイプの人だと思う。

・そんな彼女に大小さまざまな逆風が吹く。

・本命のアシュレーからフラれる。恋敵の出産に立ち会う。南北戦争の敗戦。極貧生活。強盗。多額の税金。両親と二人の夫、子どもまで死んでしまう。

・次々と襲ってくる試練に、そのプライドの高さで対抗する。目まぐるしく変わる環境に対しても屹立し続けるさまは、とにかくかっこいい。

・それは傲慢さと言ってもいい。場面場面でその気持ちの強さが良い結果も悪い結果も招く。

・逆境には強いけど、平和になるとやりすぎてしまう。

・信念と傲慢、愛情と執着は紙一重…というか、全く同質のものであることがよくわかる。

・人間性のいいとこ取りはできない。

・前にも同じことを書いた気がするけど、スカーレットが『北斗の拳』のラオウのように見えてくる。

・その関係性で見ると、ライバルのメラニーはケンシロウだし、アシュレーはユリアになる。完全に男女が逆転している。

・物語の主人公としてやっぱり魅力がある。どこからどう見ても、脈は無いし、頼りにもならないアシュレー(特に後半)に、最後の最後まで執着してしまう残念なところも含めて。

・恋敵メラニーとの奇妙な友情や、振り回しているようで結局振り回されている可哀想なバトラーを含む四者の関係が最後の最後まで続く。

・211分は確かに長いけど、変わり続ける社会と変わらない彼女を対照的に描くには必要な時間。

・そういえば、前に見た『リーマン・トリロジー』でもアイルランド人の土地への執着の強さを語っていた。

・スカーレットと同時期に、隣の州でリーマン三兄弟も右往左往していたんだろうと思うとちょっと不思議な気持ちになる。

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札幌シェアター『分断と循環』

2020-06-04 10:17:28 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

札幌シェアター企画演劇|多画面ひとり芝居『分断と循環』

2020/6/2

ある男が、帰宅後に、スマホで誰かと会話しながら、なぜか身支度を整えていく話。

ハンズフリーっぽい調子で話しているので、一人芝居の映像作品としては違和感が少ない。

一人芝居を二つの画面で撮影している。

効果としては、作品内の意味よりも、見た目の新鮮さのほうが大きい。

二つの角度から一人の行動を見守る、ひとつの画面内の見た目を小奇麗にしつつもうひとつの画面で全体を映す、二つの画面から演者が外れて衣服だけが飛んでくる。

チャット機能のライブ感も楽しい。「ただの舞台作品の配信」ではない、何か新しいものを足そうという意地を感じる。

全体で考えると循環も分断もしているように見えるけど、分断したものをひとつの作品としてまとめるのは難しそう。

遠藤洋平くんの日常感のある演技。

何かのきっかけで園子温監督とかにフックアップされないかなと思ったりする。相性よさそう。

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