遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

S.S.ラージャマウリ監督『RRR』(無発声応援上映)

2023-01-28 22:19:11 | 映画を見てきた

2023/1/28

衝動的にチケットを購入して上演直前に到着。

本編には間に合ったものの、とても凝っていたらしい会場ディスプレイを見ることができず。

あとでSNSを見ると、うちわを作ったり、ナートゥのあのポーズ決めたり、みんな楽しそうだった。うらやましい。

応援上映は、いい掛け声が入ると盛り上がるものなんだけど、今回は無発声応援上映。

熱いシーンで思い思いに、ペンライトを点灯させたり、タンバリンや鈴を鳴らす。

鳴り物もいいけど、釘をばらまくシーンで、鈴を持っている人が「しゃらららーん」と優しい音を出していた。

自転車に乗る人間としては、あのシーンがRRRのなかで一番嫌いだけど、この応援の寄り添い方は見事だった。

ナートゥは一緒に踊りたくなるし、実際に踊ってる人を見たくもなる。

発声はダメでも、踊るのはアリなのではないかと客の気楽さで妄想する。

あと、いいシーンは普通に見ちゃう。

大体全部おもしろいけど、二回見ても、やっぱりジェニーの扱いはもうちょっと何とかならないのかなと思ってしまった。

(サツゲキ 1/27)

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ピアース・ベロルツハイマー監督『キラーカブトガニ』

2023-01-22 00:04:00 | 映画を見てきた

2023/1/21

・放射能で狂暴化したカブトガニが田舎町を襲う話。

・生きた化石、二億年目の超進化。

・こういうタイプの映画、放射能の扱いが雑。

・原発を爆破処理するな。

・最初のふんわりしたCGで、この映画をどういう心づもりで見ればいいかわかる。

・これはいいかなと思って、はじめてクラフトビール買って飲みながら見た。

・カブトガニの動きがほぼルンバ。

・主人公は車椅子の青年。演者はディラン・ライリー・スナイダーさん。

・表情や足の感じから実際に車椅子が必要な人なのかなと思ったけど、検索してもそういう情報が出てこない。

・最初のゲームから、日本文化へのリスペクト強め。思い返してみれば、ポケモン感もある。

・登場人物の関係性がしっかりしている。みんないいやつなので安易に死んでほしくない。

・ラドゥも結構ひどいこと言っているんだけど、周りの彼への扱い見ていると気の毒になる。

・彼がベビーカブトガニに悪態ついているところ、アドリブっぽいけど、脚本にあるのかな。

・演者はChase Padgettさん。喋りが得意そうだからコメディアンなのかなと検索してみたら、かっこいい公式HP出てきた。メインはギタリストなんだろうか。

・主人公カップルはもちろん、軽口叩き合いながらも仲のいい兄と弟、教師とかつての教え子、職場の先輩と後輩。どの関係性もいい。

・メガネ先生がとても色っぽい。対カブトガニには無力だったけど、登場から存在感アピールが強い。

・スパナは長めの紐に結び付けて、ぶんぶん振り回したほうが、リーチも稼げるし破壊力もあがると思う。

・モンスターパニック映画って、いつ死んでもいいように、メイン以外にはあまり感情移入させないのがセオリーだと思うけど、わりと逆行している。

・後半のモードチェンジへの布石でもある。

・中盤から後半にかけて。前後の整合性よりも、やりたいことを優先するという選択に勇気をもらった。

・ロボットの弱点はそこじゃないだろ。

・エンドロールがイライラおもしろい。掃除するのかしないのかはっきりしろ。

・最後だけ真面目なの笑った。

・原題は「crabs!」。カニ。邦題のほうがいい。

(サツゲキ)



※パンフと特典ポストカード

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新海誠監督『すずめの戸締まり』

2023-01-21 11:27:20 | 映画を見てきた

2023/1/20

・高校生の鈴芽が、閉じ師を名乗る男との出会いと、彼の呪いをとく旅を通じて、自身の失われた過去を取り戻そうとする話。

・新海誠監督作品はだいぶ見ているけど、前の『天気の子』がなんか暗かったので出遅れてしまう。

・今回は鈴芽がよく動く。義務感に使命感、恋愛感情、動機はいろいろだけど、危険を顧みず、とにかく動く。

・現代日本が舞台、普通の身体能力の女子高生を中心に据えて、ここまでアクションができるものなのか。

・鈴芽は、いかにも主人公という行動をとるけど、恐怖の感情がマヒしているような危うさもある。

・多くの死者が出た大災害を経験しているのに、何度か死ぬのが怖くないと言い切っている。最後のほうの選択もそんな彼女でなきゃ無理だったはず。

・たぶんそれは彼女の過去の辛い経験とつながっている。主人公の主人公らしさに理由がある。うまい。

・序盤はロードムービー調。戸締り活動をしながら、ベタな出会いと別れ。善人ばかりで見ていて気持ちいい。あんまりそこはリアルにしなくていいと思う。

・椅子の寝相が悪いという謎のディテールがかわいい。何かに抗った結果なのかもしれないけど。

・叔母、あんなこと言わされてほんとに可哀そう。鈴芽を後ろに乗せて、後悔に抗うように力強く自転車をこぐシーン好き。

・芹澤さんの「大学生が時間を無駄に使っている感じ」も好き。かなり気の毒だったけど悲壮感がない。

・ミステリアスなイケメンの正体が、ちょっと変わった家業を継いだだけの大学生というギャップがうまい。

・わざとそうしているんだろうけど、絶望的な状況から攻勢に転じるところの理屈がよくわからず。

・いつの間にか猫ちゃんたちが味方になっているところ、みんな理解して見ているんだろうか。勢いと雰囲気だけでも楽しめるんだけど。

・実際に起きた災害をどのようにエンタメ化していくのか問題は気になるところではある。

・大きな自然災害の発生が、個人の行動の成否に左右されすぎるのもなんか違うような。

・ある程度、任意で地震を収めたり起こしたりできるので、悪いことしようと思えばかなり悪いことできそうだし。

・ラストからエンドロールに続く流れがきれい。ああいうタイトルの出し方は憧れる。

(札幌シネマフロンティア)

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TAJIRI『プロレス深夜特急: プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』

2023-01-14 14:59:24 | 読書感想文

2023/1/14

プロレスラーTAJIRIが、アジア諸国やアメリカでプロレスの指導や試合、滞在時の様子を記録した本。

実際に深夜特急には乗らないけど、元WWEのスーパースターという経験を活かして、試合よりも移動、宿泊、飲食、練習、プロレスの華やかではない部分をおもしろおかしく書いている。

現地のプロレスラーやスタッフたちの話が、TAJIRI風に翻訳されている。

ほんとにふざけていて楽しい。意味だけでなく、ノリも伝わってくる。

プロレスを指導するときに、さりげなく出てくる目線の話や、リングに上がったら素の自分を見せないという話は演劇にも通じるところあるかもしれない。

彼が周囲から求められるのは、単に「元WWEだから」というわけではないとよくわかる本だった。

 

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札幌北斗高校演劇部『イチゴスプーン』

2023-01-13 23:33:27 | 演劇を見てきた

2023/1/11

超能力を持つ茶道部の部員たちが、学校の裏サイトの管理人を追い詰める話…なのかな。

茶道部は男子三人。のちに女子が加わる。茶道はしない。

各々の地味な超能力を見せ合いながら、下ネタを交えつつ、くだらない会話をする。

彼ら3人の掛け合いと舞台美術の良さで、冒頭5分のインパクトが強い。

透視能力のある男子のヌルヌルとした動き。

話している間、ずっと動いている。荒木飛呂彦作品に出てくるキャラクターっぽい。

動きと姿勢だけで結構笑ってしまった。

わりと強めの下ネタをねじ込んでいたり、組体操みたいなリアクションしたり、絶対に人を飽きさせまいという強い意志を感じた。

舞台美術は、輪郭線が印象的なモノトーン。

ちょっとチープさを残す書き割りも話の雰囲気にあっているのでちゃんと成立している。こういう工夫の仕方はおもしろい。

人数が多いぶん、まだまだ伸びしろもありそう。春フェスにも期待。

(かでるホール)

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井上雄彦監督『THE FIRST SLAM DUNK』(3回目)

2023-01-05 06:59:00 | 映画を見てきた

2023/1/2

IMAXでも見たくなって三回目。

リョータ目線の河田兄がデカい。

リョータ周りのサブストーリーが暗いとか、テンポが悪くなるとかネットの評判よくないので、そのへんも注意しながら見る。

母はかなりひどいことも言うけど、小学生リョータが転んだときに反射的に体が動いているし、事故の時も裏で手を合わせている。

深く傷ついているだけで、ちゃんとリョータにも愛がある。それは彼にも伝わっている。

だからこそ、自己憐憫そのものの「謝罪」が書かれた手紙を捨てて、「感謝」の言葉を選べたんだと思う。

湘北の切り込み隊長としての彼との役割と、母親のために一歩踏み出そうとするところがシンクロしている。

最後の「背伸びた?」は、過去に囚われていた母の心の時間を動かすことに成功したセリフと解釈した。

たしかに暗いし身内が事故死する話なんて既視感強いけど、家族の再生の話として見ても、かなりちゃんとしていたという結論。

(ユナイテッドシネマ札幌)

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玉田真也監督『そばかす』

2023-01-04 00:09:51 | 映画を見てきた

2023/1/3

・他者に恋愛感情を持たない女性が、周囲の理解が得られないことに悩みながらも、少しずつ幸せになろうとする話。

・世の中、恋愛が前提になっているイベントは多いけど、実際に生活の中で恋愛の優先順位が高い人はそこまで多くない。自分もわりとそんな感じ。

・自分の場合は、ただの加齢と人間嫌いだけど、そもそも恋愛感情を抱かないというタイプの人もいる。

・アセクシャルやアロマンティックのような言葉もあるそうだけど、作中でははっきりと明言されていない。

・観客はそんな人の話だとわかった状態で見るけど、現実だと本人ですら自覚できるまでかなり時間がかかりそう。

・本作は「(not)HIROIN movies」のシリーズの一環として作られている。どちらかというと、性的マイノリティが題材というより、恋愛ベースの社会システムへの疑問が出発点になっているような気がする。

・問題意識は共感するものの、「恋愛を描かない」のではなく、「恋愛しない」というテーマで起伏のある物語を作るのは大変そうだった。

・無理解な周囲との対立が中心になるけど、どうしても無理解さの味付けを濃くしないと、話が進まない。

・ラーメン屋の彼、悪人にも頭の悪い人にも見えないので、どうして蘇畑さんの話をもっと聞いてあげられなかったのか、よくわからなかった。

・地道に関係を作ってきた人があんなに真剣に話そうとしていたら、とりあえずは聞くよね、普通。

・中心人物はその蘇畑さん。演者は三浦透子さん。

・『ドライブ・マイ・カー』のときもそうだったけど、何も喋らなくても、ただそこにいるだけで不思議と間が持ってしまう。あと、何着ても似合う。本人の資質なのか、スタッフさんが優秀なのか。こういう時はたぶん両方。

・前田敦子さんが個性派俳優みたいなポジションになりつつある。公衆の面前で、政治家の父親にキレ散らかしているところ、痛快すぎて笑ってしまった。

・蘇畑さんの場合、恋愛感情はなくても、人間が嫌いではないし、コミュニケーション能力も低いわけではない。

・最後、蘇畑さんが走っちゃうところも共感しかない。ああいうときは走るもんだ。

・あと、自分も近所でぼーっとできる海がほしい。

(サツゲキ)

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川和⽥恵真監督『マイスモールランド』(2022年)

2023-01-03 00:28:07 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2023/1/2

・日本で暮らすクルド人家族が、在留資格を失って進退窮まる話。

・中心人物はサーリャ。17歳。小学生から日本に滞在していて、日本の学校で学び、日本人の友達もいて、日本の大学に行くだけの学力もあるのに、在留資格を失ったため、進学することができない。

・加えて働くと不法労働になってしまう。

・家族四人生きていかなければならないが、働くことは許されない。保障もない。なんなんだ、この制度のバグ。

・結果、家族を養わなければならない父親は、「不法労働」で、あの悪名高き入管に収容されてしまう。

・こういう問題って、日本人の無関心さが招いているものなので、ほぼ全ての日本人に関係のある話。

・例えば、誰でもいいけど、身近にいる普通の高校生やその家族が、何も悪いことをしていないのに突然拘束されてしまう状況を想像してみてほしい。

・本作では難民だけど、そんなカテゴリ分けなんて、時代の雰囲気でいくらでも変容する。

・前に見た難民映画祭がよかったので、UNHCRにはできるだけ募金するようにしているけど、今後も続けたい。

・小銭程度の寄付でも応援の姿勢を示すのは大事なはず。

・もちろん日本に住んでいるクルド人のなかにも色んな人はいる。無条件で善人というわけではない。いいところも悪いところもあるという点では日本人と同じ。

・状況的にやむを得ないとはいえ、クルド語と日本語を流暢に話すサーリャが通訳としてヤングケアラー化している様子は『Codaコーダ あいのうた』と重なる。

・サーニャを演じるのはモデルの嵐莉菜さん。

・5か国のマルチルーツを持っているとは言え、こういうときこそ当事者キャスティングじゃないないかと思ったけど、浅はかだった。

・現行制度への批判と捉えられかねない内容なので、当事者は目立つようなことができないとのこと。

・同じ理由でドキュメンタリーとしては作れない。

・身の安全のため映画に出ることもできないって、本当にこれは日本の話なんだろうか。

・しんどい映画だったけど、一年に一本くらいは見ておかないといけないタイプの作品。

・この作品を社会派映画として語りつつ、青春映画およびエンタメ映画としても評価するライムスターの宇多丸さんは心が強い。

(U-NEXT)

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井上雄彦監督『THE FIRST SLAM DUNK』(2回目)

2023-01-02 21:03:00 | 映画を見てきた

2022/12/31

冬休みが始まったからなのか、ほとんど客席が埋まっている。前方の上手端側の席で見る。

今回は本来の主人公櫻木花道に注目して見る。

脇役にまわってみると、素人なので一人だけ動きがおかしいし、実写映画の中にアニメのキャラが一人いるような異物感。

実際、アニメなんだけど、周りがリアルに描けているだけに、不気味さが際立つ。相手チームの目線では怖いと思う。

そして、切ない。

原作を読んだときも、一回目を見たときも、今回もやっぱり櫻木がかわいそう。

話を盛り上げる重要な要素ではあるんだけど、悪化リスクの高いケガを押し殺してプレイを続行させる、そして見ている側が感動してしまうのは、やっぱり悪趣味ではある。

映画を終わったあと、若者男子四人組に写真を撮ってもらうように頼まれる。

スラムダンク見るために全国の映画館を回っているらしい。

湘北ユニフォームに着替え、スクリーンの前でポーズを決める(スタッフさんの許可をもらっているそう)。楽しそう。

そんな彼らをスマホごしにみながら、青春のおすそ分けをしてもらった気持ちになった。

(ユナイテッドシネマ札幌)

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紅白劇合戦2022「年の瀬!即興大合戦」(2022年12月31日19時)

2023-01-01 22:00:28 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2022/12/31

名古屋を拠点に活動されている役者さん4人が、お題にあわせて45分間の即興演劇をつくる企画。

大晦日のイベントにしては演者の負担が大きいし、そもそも即興で45分は長いと思ったけど、そこはさすがの手練れたち。

お題は「トイレを我慢する4人」。

トイレの順番争いのようなベタな展開になるのはイヤだなと思っていたら、ちゃんと全然違う方向に進んでいた。

中内さんのレシーブ力を信じて強引めのパスを出す天野さん、いたたまれないおぐりさんの嘆きぶり。

そして、ピラミッド内ピラミッドで着地する構成。

ほとんど中だるみなく、きれいに決めてみせた。お見事。

せっかくなので、年越しイベントも引き続き視聴。

新型コロナに罹患したりしてなかなか残念な年末ではあったけど、こういうイレギュラーな年越しは楽しく、だいぶん中和することができた。

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