2023/2/16
自身の亡くなった父親が、本当に「ネット右翼」になっていたのか、家族への聞き込みなどを通して検証した本。
たとえ誤っていたとしても、仮説を信じて疎遠のままでいた方がラクだろうに、見たくないものに向き合い、わずかな違和感を放置せず、検証を重ねていく。
取材対象が家族であることが、かえって悩ましい。
家族だからこそできることではあるが、他人ならここまで律儀に検証する必要はない。
家族であってもなくても、ある人にとっては大切な人、ある人にとってはただのネット右翼ということは普通にある話。
なので、自分が読んだ印象と作者の結論はちょっとズレていたりする。
実際、誰から見ても「典型的なネット右翼」の人ってほとんど実在しないんじゃないだろうか。
行動と発言がズレている人はいる。逆に言えば、どんなにいいことをしていても、言葉の選択を間違えると大切な関係性を失うことになる。怖い。
父子双方から学ぶことが多い本だった。