遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

阪元裕吾監督『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

2023-03-27 23:28:50 | 映画を見てきた

2023/3/27

・殺し屋協会に所属する若手の女子殺し屋コンビ、ちさととまひろが、その立場を狙う殺し屋兄弟に襲われる話。

・前作ですっかりキャラ立ちしている女子二人に対して、新顔のむさくるしい殺し屋兄弟。

・話はこの殺し屋底辺兄弟にずいぶん寄り添って作られている。

・のちのち殺される敵役だろうに、こんなにひたむきな連中でいいんだろうかと心配になってくる。

・オープニングの乱闘。アパート内の狭すぎる空間で殺陣とも言えないような泥臭い乱闘が展開する。

・そのあと、銀行強盗と戦う、ちさととまひろも楽しい。

・今どき銀行強盗もないだろうとも思うけど、殺し屋にボッコボコにされる役割としてはちょうどいい。

・変に人間性を出されると生々しくて見てられない。

・なぜか「花束みたいな恋をした」の話題が出てくる。

・実在作品を作中に出すのは、実在感というか、それこそ生々しさが増すから、意図がよくわからない。

・普通の人たちとの対比…というには微妙だし。

・着ぐるみ同士の小競り合いが地味に楽しい。一応、頭が取れないように気にしているし、二人の関係性の範囲で戦っているのがおもしろい。

・ちさととまひろのもちょもちょした会話がかわいい。中身があんまりないのに間が持つ。

・自分の感覚だと、ちさとの演技は感情過多に思えるけど、殺し屋が感情を制御できているほうがおかしいとも言えるし、多少いびつな方がいいのかもしれない。

・将棋のルールを知っていたのが意外。

・お金よりも約束をやぶったことに怒る。

・死体の処理、あんなに雑でいいものなのか。

・処理班まわりのサブストーリー楽しい。ポイントごとの出番できっちり話ができている。

・サブマシンガンっぽいもの乱射しているのが唐突すぎて笑った。どういう精神構造しているんだ。

・ついに二組が戦うシーン。もうとにかく爽やかなんだけど、殺し屋特有の感覚のズレみたいなものも残す。すごいバランス感覚。

・まひろの動きのキレが完全にアスリートのそれ。アクション俳優として安心して見ることができる。

・最後のシーン、まひろが持っている本が気になってしまい、せっかく会話が頭に入ってこなかった。

(札幌シネマフロンティア)

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阪元裕吾監督『ある用務員』(2021年)

2023-03-20 22:43:39 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2023/3/20

用務員として働いている男が、ヤクザの娘を守るために学校で殺し屋たちと戦う話。

彼はカタギではなく、そのヤクザから色々な戦闘技術を仕込まれている。

用務員要素はあんまりない。あのモップで何を拭いていたんだろう。

高校生組があんまり高校生に見えない。

序盤の人間関係にそこまで興味が持てず、実際よくわからなかったものの、学校での殺し合いになってからが面白かった。

特に『ベイビーわるきゅーれ』組が存在感で頭ひとつ抜けていた。

明らかにアクションの強い伊澤彩織さん、髙石あかりさんのヤカラ演技。

類型的と言えば類型的だし、初期の構想段階ではここまで魅力的な存在になることは想定してなかったんじゃないかと予想。

同じ世界の中の話なのかパラレル的な感じなのか気になったけど、役名が違った。

『ベイビーわるきゅーれ』の続編を早く見たい。

(U-NEXT)

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ロドリゴ・グランデ監督『エンド・オブ・トンネル』(2016年)

2023-03-11 21:41:35 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2023/3/11

車椅子の男が、銀行強盗の狙う金をかすめ取ろうとする話。

銀行強盗はできないが、銀行強盗を狙うことならできるという発想がおもしろい。

敵の作業場と彼の家、それらと銀行をつなぐトンネル、ものすごく狭い空間で行われるサスペンス。

小道具の使い方も、窮地の切り抜け方もうまい。伏線がしっかり機能している。

ビスケットのところだけ、伏線というより、前フリ感があった。あれはどうして出てきたんだっけ。

登場人物それぞれにもきちんと見せ場が与えられている。

あれだけゴチャゴチャしてても、きれいにあるべきラストにたどり着く。

脚本としての機能美が楽しめる。たぶん、こういう話で逆バコを試みるといいんだと思う。

ちょこっと見るつもりが気になって最後まで見てしまった。

無駄の少ないよくできたサスペンスだった。

(U-NEXT)

【追記】見直したらビスケット部分、序盤に経緯含めてちゃんと説明あった。ぼんやりしすぎていた。

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立川譲監督『BLUE GIANT』

2023-03-06 15:44:31 | 映画を見てきた

2023/3/6

・世界一のジャズプレイヤーになるために上京してきた青年が、凄腕ピアニストと即席ドラマーと組んで、日本最高のクラブ「SO BLUE」でのライブを目指す話。

・原作は未読だけど、前評判がとてもよかった。音楽、上原ひとみも後押し。

・最初のうちは何の話をしてても語尾にだべだべ付いてて、ここまで露骨な話し方するもんかと心配になる。

・仲間集めから始まって、トラブルとステップアップ、最後に感動的なライブと、エンタメとして強い構成。

・原作マンガの再現ではなく、原作マンガが表現しようとしていたジャズなるものを、アニメ表現で目指す感じ。

・このへんは『THE FIRST SLAMDUNK』のアプローチと似ている。

・「抜群にうまいわけではないが、大きな可能性を感じさせる演奏」を再現するのは大変そう。

・実際できているのかどうかを判別するのは大変だけど、映像効果が補助してくれる。正攻法ではないかもしれないけど、せっかくのアニメなのでアリだと思う。

・CGとCG以外のところがきっぱり分かれていて、ちょっと落ち着かない。

・ステージ上の人が特別に見えるというのは舞台表現ではよくあることなので、そういうもんだと自分の頭の中で調整しながら見る。

・実際、主人公がステージで演奏を始めると、別人になる。明らかに「特別な人間である」という説得力がある。映像効果もあるけど、姿勢や動きもあるのかな。

・たぶん原作ではもっと丁寧に書かれているんだろうなと思われる人がちょこちょこ出てくる。

・長期連載のマンガを2時間におさめるのは大変。原作ファンは嬉しいだろうし、本作に関しては未読の自分も原作を追いかけたくなった。

・素人を加えることで、かえって調和が生まれるという表現は見事。どのジャンルにも通じる話。

・中盤から後半にかけてのライブの畳みかけ。音楽も映像も熱量がものすごい。

・ピアニスト雪祈の話し方。何を話しかけられても真っすぐ返してこない言葉の選択が面白い。

・エンタメ作品として最も効果的な範囲におさまる大怪我に、観客として少し後ろめたい気持ちになる。

・この音量とこの大きさで見てこそという感じ。これこそ映画館で見なきゃダメなタイプの作品だった。

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