遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

ジョージ・ミラー監督『ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊』(2011年)

2023-12-30 21:17:58 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2023/12/29

・巨大な氷山が衝突し隔離状態になったコウテイペンギンのコロニーを、前作の主人公マンブルと息子エリックが中心になって解放する話。

・異なる立場(というか種族)が一致団結して、大きなトラブルを解決するという構造。

・わりとオーソドックスで手堅い様式だと思うけど、どうしてこうなったと思うくらいバランスがよくない。

・たぶん一番の原因はオキアミ。

・サイズ的に話に絡みようがないし、実際、作り手も持て余していたように見える。

・頻繁に出てくるわりに、登場時のエフェクトはワンパターンで、彼らの会話の内容も変わり映えしない。

・あそこまでオキアミに人格を持たせるなら、エサである魚類にもちゃんと意思がないとフェアじゃない。

・例えば、オキアミの目線で、「どんな種族もみんな仲良く」というペンギンたちの欺瞞を指摘するようなことはできたと思うけど、そういう感じでもなかった。

・最初のほうでマンブルがゾウアザラシを助けるところはいい導入だったけど、どうしてあんなにゼニガタアザラシは扱いが悪いんだろう。同じアザラシなのに。

・パフィンというペンギンのフリをした鳥が出てくる。鳥に詳しい人は一目なんだろうけど、後で調べたらホントにペンギンっぽくて驚いた。

・自分より人気者だったパフィンの正体がバレたあとに、マンブルが嬉しそうにタップダンスを踊り出すところは、わりとかっこわるい。たぶん説明が足りてない。

・マンブルの見た目がまだヒナ仕様を引きずっていたのも残念。

・前作は内面含めて未成熟の表現でもあったからいいんだけど、今回は見た目の区別以上の意味がない。

・もう子供がいるんだから、成長させてあげてほしかった。

・結構集中を保つのが難しくて、コロニー内の人間がどうだったのか把握できていない。

・トウゾクカモメなんて酷い和名つけられていてかわいそう。やつらだって一生懸命生きているのに。

・高いところから落下するのが、一大事なのかそうでもないのかがよくわからなかった。

・この時期、監督は大変だったんだろうなと、怒りのデスロードの口述筆記の内容を思い出して余計なことを考えてしまった。

(U-NEXT)

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かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第二部』

2023-12-29 13:14:00 | 観劇三昧

かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第二部』

2023/12/29

引き続き、カナダでの体験談。一部二部ともに短い。どうして分けたのかな。

野球のバットの持ち方を教えてあげただけで、親に通報された話。状況次第だけど、気の毒。

コロナ禍で一年の留学のうち5か月ステイホーム、3か月誰とも話さなかった。

ただ、誰とも話せない時期が一番よかったという話。

慣れない環境に適用できなくて、留学先で引きこもりになってしまう話はよく聞くけど、コロナ禍なだけで元気はあるので、自分と向き合う時間に使えたのかな。

それなら、日本にいてもできたんじゃないかという気もするけど、そんな簡単な話でもない。

その場所、その時期じゃないと思いつかないこともある。

大きな劇場で無観客、照明と撮影スタッフを集めて、即興要素の強そうな一人語りをする。

衝動的な語り口はそんな無鉄砲なシチュエーションとよく馴染んでいた。

少なくともスタッフさんには好かれているんだと思う。

そういうのはほんと大事だなと外側の部分が気になった作品だった。

 

■公演時期 2020/12/21
■キャスト 上川泰生
■スタッフ
株式会社アド広研
/じりん
/鎌谷哲也(CreationGroup.K)
/森口勉(CreationGroup.K)

■あらすじ
2019年9月からカナダ・トロントへ留学に飛び立った上川泰生。誰にも縛られず気楽な暮らしが出来ると考えていたが、、、英語にさっぱりついていけず、周りから怪しまれ警察に通報されたり、車の中で大きな男に襲われたり、アメリカ・ニューヨークで大きな男に囲まれお金を取られたり、、、生きていくことにもがいていた。そんな中やってきたコロナウイルス。ロックダウンによる3ヵ月間のステイホーム中、誰とも話すことは無かった。ひとりで過ごしたトロント郊外にある部屋の中で溜まりに溜まった言葉を吐き出した、身と魂の語り舞台。

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万博設計『YO RU TO RO TO RO』

2023-12-27 23:41:46 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/12/26

・解体中の巨大モニュメントの工事現場に紛れ込んだ、いろいろな立場の関係者たちが、語らい、惑う話。

・とりあえず今準備中の大阪万博を連想してしまうけど、あまり関連はなさそう。再演だし、高さ的に太陽の塔がモチーフだろうし。

・一般的ではない感覚かもしれないけど、個人的に工事中の巨大な作りかけの建物が好き。

・むき出しの柱や、精密に組み上げられた足場、赤白の巨大なクレーンなどを見ると無条件にわくわくする。

・夜中にこっそり入ってみたい、上ってみたい気持ちもわかるので、本作の場面設定はとても魅力的だった。

・その工事現場まではわかるけど、架空のキャラクターを模した巨大モニュメントを解体している工事なんて、よくこんな場面設定を思いつくものだ。

・着ぐるみの登場人物を出すことで、舞台上では見せられない、巨大モニュメントの外観も想像できる仕掛け。うまい。

・風や足音のような音響効果や薄暗い照明、足場やパイプの使い方で(たぶん)再現度も高い。臨場感がある。

・各登場人物の作品効果上の関係性がよくわからず、少し混乱してしまう。

・どちらかというと、言葉よりも、演出効果や身体表現の重要度のほうが高そうな作品なので、あんまり理解しようとしなくてもいいのかもしれない。

・物語というより祭りに参加する感じ。音楽もいい。

・他人またはほぼ他人と率直に語らったり、自己開示をしすぎのように思えるけど、もしかしてこの感覚には地域差があるのか。

・自分が警備員だったら、開始10分くらいで会話は無理と判断して警察を呼んでいると思う。手に負えん。

・実在しない存在をよりどころに、自身の存在を確かめようとしている人たちの話という言い方はできるのかもしれない。ドーナツと穴の関係性みたいな感じ。

・多かれ少なかれ、親が子供の実体よりもこう育ってほしいという自身の願望を見てしまうことはありがちだと思う。

・攻撃的なムキミちゃんが激しすぎて、気持ちがザワザワしてしまう。

・自身に足りないものを埋めようとする話だと思うと、もともとドーナツの穴側の存在である扉の人が、実在する人間を取り込んでいくのも、少しだけわかるような気がした。

(有料チケットを購入し仮想劇場ウイングフィールドにて視聴)

>おまけ。施工不良で立て直しになった実在していたビルを気が向いたときに撮影した画像。

これから取り壊すビル(2023/4/7)

まずは覆う(2023/4/24)

どんどん覆う(2023/5/27)

覆った(2023/6/17)

ちょっと期間空いてしまった(2023/8/25)

2023/8/29

ほぼ完了。クレーンむき出し。(2023/12/28)

 

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万博設計『鮟鱇婦人』

2023-12-26 21:20:44 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2023/12/25

病弱な母親を笑顔にするために、落語家になって死神を演じ続ける女の半生を描いた話。

86分の一人芝居。長尺。視聴環境の加減でだいぶん聞き逃し、見落としがある感じになってしまった。

劇中に落語パートあり。

ほぼ一人の登場人物が空気人間と演技する形式だが、後半一人二役以上を演じるパートもある。

母親のためとはいえ、芸事に対してどこまで人生をささげられるかという話でもあって、少し前に見たオパンポン創造社の『幸演会』のテーマと少し重なる。 

作中人物に脚本家や演者を重ねる見方はありきたりだけど、そうとしか言いようのない仕掛け。

表現を続けていると、自分の望まぬ形でも、自身の作品が誰かの生きる指標になることもある。

死後評価される画家も珍しくないくらいだから、作中の彼女はそれでも幸運なほうだったのかもしれない。

もう一回→もういいかい(希望?)→もういいかい(諦め)→まあだだよ…になる流れがとてもきれいだった。

(有料チケットを購入し仮想劇場ウイングフィールドにて視聴)

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かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第一部』

2023-12-25 11:00:59 | 観劇三昧

2023/12/25

コロナ禍にカナダに行ってきて思ったことを声高に語る話。13分。短い。

舞台俳優らしい会場負けしない声量と語り口。内容的には若者が外国に行って思うようにいかなかった話なので、そんなに珍しい題材ではない。

カナダでもサドルだけ盗まれることもあるんだというのが発見だった。

短い映像なんだけど、ちょこちょこ編集が入っている。視点やモノクロの転換は違和感ないけど、すこしだけ時間が飛ぶような編集はライブ感(≠ライブ)が損なわれる感じがして、個人的にはノイズになってしまった。

一人で大きな劇場を借りて、照明や映像スタッフをつけて、しかも無観客でやるようなことなのかどうかはわからないけど、だからこそ伝えられるものがあるのかもしれない。

コロナ禍だからこそできたことでもある。

なので、企画の立ち上げから劇場やスタッフの手配、配信というような額縁部分も含めての作品になるんだと思う。

かみかわ企画『たいせいの舞台 カナダのおはなし 第一部』

■公演時期 2020/12/21
■キャスト 上川泰生
■スタッフ 株式会社アド広研/じりん/鎌谷哲也(CreationGroup.K)/森口勉(CreationGroup.K)
■あらすじ
2019年9月からカナダ・トロントへ留学に飛び立った上川泰生。誰にも縛られず気楽な暮らしが出来ると考えていたが、、、英語にさっぱりついていけず、周りから怪しまれ警察に通報されたり、車の中で大きな男に襲われたり、アメリカ・ニューヨークで大きな男に囲まれお金を取られたり、、、生きていくことにもがいていた。そんな中やってきたコロナウイルス。ロックダウンによる3ヵ月間のステイホーム中、誰とも話すことは無かった。ひとりで過ごしたトロント郊外にある部屋の中で溜まりに溜まった言葉を吐き出した、身と魂の語り舞台。

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クリス・バック、ファウン・ヴィーラスンソーン監督『ウィッシュ』

2023-12-23 20:33:26 | 映画を見てきた

2023/12/22

・魔法使いの治める国に住む少女アーシャが、王に捕らえられた「人々の願いの力」を解放する話。

・国民は成人すると国王に自らの願いを差し出す。国王は毎月一人の願いを選んで大衆の前で叶える。

・この魔法使いの国王が、欧米のリアリティーショーでよく見かける圧の強いタイプの審査員みたい。

・一見、いいことをしているようにも見えるけど、願いを差し出した国民は、その願いを忘れてしまうから、国を支配するための仕組みでもある。

・外から見ているとこんな危なっかしい仕組みもないんだけど、内側から見るとわかりにくい。

・観たのは字幕版。小さな島国の一少女の歌がとにかく上手い。声質から違う。

・ただの状況紹介なのに、最初のロサス王国を紹介する歌からすごい物語が始まった感じがする。

・国王の正体を知って、追い込まれたアーシャが星に願いをかけると、星の化身みたいな何かが現れる。

・この星の化身、見た目が他となじんでない感じがするのと、ヒロインにとって都合が良すぎるので、あまり好きになれない。

・ヒロインを取り巻く若者たちがほどほどの存在感でよいバランス。口が悪いだけで結局いいやつだった彼と、ステルス性能を持つ彼女が好き。

・ニワトリのシーンは笑った。

・どんなに窮地に陥っても、スターが超自然的なパワーを発揮するか、ヒロインが歌えば何とかなる。

・特に歌が強い。悪役の国王がどんなに強い魔法を使っても、歌の前では力負けしている。

・脚本家がちまちま知恵を絞って強力な魔法を考えても無意味。かなしい。

・普通なら通らないけど、実際に音楽がすごいので通ってしまう。これで通るから話のスピード感もすごい。

・歌こそ真の魔法である(しかもそれは実在する)という作り手側の確固たる信念を感じる。

・ただ、本質的に音楽と悪は対立しないので、音楽が戦意高揚のプロパガンダに使われることだってあるし、結構あぶなっかしいテーマ性をはらんでいる。

・国王がヴィラン化する過程に説得力がある。守る意識が強すぎて、少しでもそれを脅かす存在があると、極端に攻撃的になる。

・完全に悪党扱いされていたものの、出発点は使命感や臆病さだったと思う。なので、何かしらの救済がほしかったけど、甘いんだろうか。

(TOHOシネマズすすきの)

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OrgofA『異邦人の庭』他

2023-12-22 00:00:56 | 演劇を見てきた

2023/12/20

・劇作家の男が、ある秘密を抱えながら、拘置所で死刑囚の女との面会と取材を重ねる話。

・配信含めて三回目の観劇。前は2021年と2022年。

・前回見たときよりも、最初の入り方が軽い感じ。

・今回は仙台、松本公演の報告会を兼ねていたり、会場が専用劇場ではないのでそういうバランスになったと思うけど、題材が重めなぶん今回の入り方が好みだったりする。

・舞台装置は従来通り。面会用のアクリル板をはさみ二人が会話する。最小限でたしかにツアー向き。

・今回はそんな舞台を囲むように客席が作られている。

・自分は比較的二人の顔が見えやすい中央よりの席。窓際のせいか意外なほど腰が冷える。

・演出効果は照明くらいで、とにかく演技勝負。

・前回から期間が空いているものの、話は大体わかるし、距離も近いので、演技に集中して観ることができた。

・詞葉は、7人を殺した死刑囚でありながら、犯行時の記憶を失っている。その記憶も完全に消え去っているわけではなく、悪夢のような記憶がよみがえる不安も抱えている。

・それゆえに死刑になるべく契約結婚を持ち掛け、つかの間で独特な新婚生活にちょっとうかれてしまっている。

・感情のレイヤーが幾層も重なっている。役者経験はほとんどないけど、演者的にはやりがいがありそうなのはわかる。

・一春さんが軽い失言をして表情だけで謝る雰囲気になっているところ好き。

・三回見るとあまり気にならなくなるけど、死刑執行の後押しになりかねない執行日の任意指定とその期限の設定、両親や配偶者の精神的負担が厳しそうな同意が必要という制度にはやっぱり納得できていない。

・張りつめた空気のまま終幕すると、余韻もそこそこにパーティーモードに切り替わる。

・明逸人さんは、終演後の言動のほうがより演技感強めになっていてちょっと不思議。

・だいぶん駆け足気味のツアー報告動画、突貫工事気味ながらテンションで乗り切る漫才コーナー。

・そして、さっきまで死刑囚をやっていた飛世早哉香さんが微笑亭乙姫として演じる落語『鈴ヶ森』。

・二人芝居のあとに落語を一席。スタミナと温度差がすごい。

・落語では演劇家族スイートホームの本庄一登くんがいじられていた。おいしいということでいいんだと思う。

(あけぼのアート&コミュニティーセンター 中ホール)

※今はWEBで読める戯曲が増えているので助かる。→戯曲アーカイブ 刈馬カオス『異邦人の庭』

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ジョージ・ミラー監督『ハッピーフィート』(2006年)

2023-12-20 21:55:32 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2023/12/18

・コウテイペンギンのマンブルが、深刻な魚不足の責任を押し付けられてコロニーから追放されるが、追放先で原因と解決策を見つけて帰還する話。

・たしかに同じ監督の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』っぽいと言われるとそんな気もする。少なくとも構成は似ている。

・主人公のマンブルだけ成長が遅いのか、羽の生え替りが中途半端でヒナ感を残している。

・ペンギン間の描き分けに苦労している感じはする。

・若干の違いは感じるものの、見た目だけでは主人公以外のコウテイペンギンの区別がつかない。

・現実的にコウテイとアデリーとイワトビが野生下で同じエリアに集まることはあるんだろうか。

・歌が下手だと軽んじられるのはともかく、ダンスをすると怒られるという社会が残念すぎる。

・手話の歴史の本に書いてあった、身振りは品がないので控えるように言われていた時代があった話と重なる。ほんとよくわからない。

・ディズニー映画『ウィッシュ』を見てからこの感想を書いているので複雑な気持ちになる。歌至上主義のペンギンコロニーが古臭い価値観扱いされている。

・とにかくアザラシ怖すぎ。ゼニガタアザラシかな。後で出てくるゾウアザラシとの扱いが違いすぎる。

・アザラシはああ見えて氷上でもそこそこ動けるから、相手がペンギンならそんなに後れを取らないような。

・一見、ペタペタ歩くペンギンとタップダンスは相性がよさそうだけど、雪の上で生身の脚を使って踊るので、いまいち気持ち良い音が出ない。

・動きは素敵だけど、期待している音の感じと少し違う。

・ペンギンたちが歌やタップで盛り上がっているだけならそういう世界観だと思えるけど、それらを見た人間たちが一緒に楽しんでしまうと、現実とファンタジーの境界線がうやむやになってしまって気持ち悪い。

・唐突に出てくる「ペンギン語」という言葉。

・アデリーペンギンのアミーゴズがかわいい。たぶん個性付けのために頭になんかついているので、ちょっとマカロニ系のペンギンかと思った。

・わりとペンギン描写がリアルなので、かえってファンタジーの部分が飲み込みにくい歪さを感じた。

(U-NEXT)

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サン=テグジュペリ『星の王子さま』

2023-12-14 21:20:54 | 読書感想文

2023/12/14

砂漠に不時着した飛行士が、不思議な少年と出会っていくつかの不思議な星の話を聞く話。

話は知っているし、読んでもいると思うけど、ちゃんと読んでたか自信なかったので、内藤濯訳と浅岡夢二訳で読んでみる。

有名な「大切なものは目には見えない」という言葉。意外と何度も出てくる。

大切なことは繰り返し語るべし。

もうだいぶん大人なので、子供には大切なものが見えていて、大人はそれを失っているという話には飽き飽きとしているものの、ひとつの希望で見え方が引っ繰り返るようなエピソードには色々応用できそう。

ただのバラと特別なバラとの違い。

苦しい状況でもうまく補助線を引くと、感じ方を変えられる。

子供と人形の掛け合いが好き。取り上げると泣く。それが幸福なんだという。

ほどよい飛躍もある不思議な話なので、折に触れて読み返していきたい。

 

 

 

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宮崎県立宮崎南高等学校『誰かのための、 芋けんぴ』

2023-12-13 22:10:45 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

宮崎県立宮崎南高等学校『誰かのための、 芋けんぴ』(OPENREC)

2023/12/13

学校をサボっている高校生が、偶然出会った仕事ひとやすみ中の父親と、学校の先生と話しているうちに少しだけ前向きな気持ちになる話。

本作もセリフがだいぶん聞き取れないので、聞き取れたところをもとに頭の中で補完しつつ見る。2023年は全部こんな感じなのか。

タイトルが斬新。バックの大空+少しの雲。幕が上がってセリフのない時間がとても長く続く。

とにかく他とは違うことをしてやろうという強い意思を感じる。

ツカミ部分が強い。さんざん溜めて、手堅い。

構成はシンプルで、笑いの構図を意識した組み立て方が手馴れている。

子供に弱音をはく大人の頼りなさが、見ていてつらい。

そんなに弱々しくしないと成立しないような話でもないような気はする。

何きっかけで彼女が前向きになったのかはよくわからなかったけど、たぶん作り手は沈黙の力を信じているんだと思う。

とかく饒舌になりがちな演劇作品に一石を投じる作品だった。

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