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两京十五日

2025-03-10 | 本・ゲーム・音楽
两京十五日 马伯庸


中国の作家マー・ボーヨン(馬伯庸)の歴史小説「两京十五日」。
Ⅰ-凶兆ー、Ⅱ-天命ー の2巻合わせて900ページ超えという大長編、ハヤカワミステリから。
ハヤカワミステリはペーパーバック調になって、カッコ良くなったねぇ。

Ⅰ-凶兆ーの解説(Amazonから)
1425年、明の皇太子・朱瞻基は遷都を図る皇帝に命じられ、首都の北京から南京へと遣わされる。だが、長江を下り南京へと到着したその時、朱瞻基の船は爆破され、彼の命が狙われていることが判明する。朝廷に恨みを持つ、反逆者の仕業なのか? さらに皇帝が危篤との報が届き朱瞻基は窮地で出会った、切れ者の捕吏・呉定縁、才気に満ちた下級役人・于謙、秘密を抱えた女医・蘇荊渓らと南京脱出と北京帰還を目指す。敵が事を決するまで十五日。幾千里にも亘る決死行が、今始まる。歴史サスペンス×冒険小説の超大作!

Ⅱ-天命ーの解説(Amazonから)
皇帝暗殺まで残り七日。宿敵・梁興甫との交戦によって分断された皇太子一行は、陸路と水路に分かれて北京を目指す。追手の猛攻はさらに激しくなり、次々と倒れていく仲間たち。逃亡先で皇太子は敵対している白蓮教徒の男とであい、衝撃の真実を告げられる……


読み始めたら止まらない。寝る間も惜しんで読みたいと思う本に、久しぶりに出会った。
北京に帰還して大団円と思いきや、呉定縁(ごていえん)の素性、蘇荊渓(そけいけい)の本当の狙いが明らかになるなど、最後まで目が離せない。
明の歴史、とりわけ永楽帝、洪熙帝、宣徳帝のあたりを知っていると、この冒険小説の中に深く入っていける。
呉定縁、蘇荊渓らオリジナルの魅力的な人物はもちろん、皇太子・朱瞻基(しゅせんき)や于謙(うけん)、鄭和(ていわ)といった実在の人物も、わたしの脳内では以前見たテレビドラマの俳優の顔で、派手な戦闘や立ち回りをしていたw
中国の人は案外故事成語や漢詩の素養があるのだが(案外って失礼か?w)、それらが頻繁に于謙の口から出てくるのも楽しい。
白蓮教については、弾圧される邪教とは違う描写も多く、面白かった。
この本も、ドラマ化してくれたらいいな。


マー・ボーヨンの歴史小説は、日本語に訳されているものがまだ少なく、今年に入って出版された「西遊記事変」も評判が良さそうなので、是非読みたい。
しかし本も高くなって、友人はkindleでセールになったときに買うと言うが、わたしは本はやっぱり紙で読みたい派。
なので4月になったら図書館にリクエストする。(今年度はもう予算がないそうで…orz)


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