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女性差別事件としての草津町議リコール運動(続き)

2020-12-26 11:51:12 | 共生・反差別
 今回のリコール運動は法制度を悪用して公然と実行された女性差別事件、性被害女性へのヘイト事件です。

 性暴力・性犯罪の被害女性、セクハラ行為の被害女性に対してこれまで以上に心理的な圧力が加えられ、被害を訴えることが困難になるでしょう。

杉田氏「女性は嘘をつく」発言で「中傷始まった」。抗議無視する自民党へフラワーデモ参加者の怒りと涙  竹下郁子


性犯罪、被害女性9割近く「届け出ず」 埼玉県警が調査
  朝日新聞

 女性が安心して議員選挙に立候補することができなくなります。女性の政治参加を抑制することになります。
 男女格差を示す「ジェンダー・ギャップ指数2020」(世界経済フォーラム)によると、日本は総合スコアで121位、政治分野では144位(153か国中)となっています。

参考 『女性のいない民主主義』 前田健太郎  岩波書店(岩波新書)

 旧日本軍によって従軍慰安婦とさせられた女性たちが性被害を訴えた時にも被害者バッシングが起きました。そして、「従軍慰安婦は性被害者ではない」とするいわゆる歴史否定論も公然と主張されるようになりました。女性差別がレイシズムと結びつくと危険な社会状況が生じます。現に、慰安婦に対するヘイト言説を批判すると「反日」などと攻撃される事象が頻発しています。

 草津町のウェブサイトには、全国フェミニスト議員連盟の抗議文「新井祥子議員に対する草津町議会の除名処分と議長主導の住民投票に抗議します」と草津町議会の「貴団体からの抗議文に対する当議会の見解」が掲載されています。
 多くの人びとが無自覚なままに差別に加担してゆく社会構造が議会の「見解」に映し出されています。議会の「見解」では、リコールによる解職について「その責任はひとえに新井祥子氏自身の政治姿勢に由来するもの」として被害者に責任転嫁しています。「「民主主義を蔑ろにする」との言葉は、リコールに賛成してくださった町民の尊厳を、まさに「蔑ろにする」もの」という文言には差別行為に多数決を利用する悪質性がにじみ出ています。差別、人権侵害、「いじめ」を批判することは加害者の尊厳を蔑ろにするものでしょうか。この「見解」文書は、差別を認識することを課題として批判的に(criticalに)読み解くべきテキストであるとも言えます。

草津町議会としての 抗議文の対応について
  草津町ウェブサイト


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