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軍事研究がもたらす悲劇

2020-10-15 19:40:28 | 平和
「マンハッタン計画」と科学者たち
 アメリカで原爆開発計画(マンハッタン計画)が始まったのは、ドイツが核兵器を開発することの危険性を科学者らが警告したことがきっかけでした。しかしその後、アメリカ政府は、ドイツにもはや原爆開発能力はないことがわかっていても、戦後の対ソ連政策に利用するために、原爆の開発を推進しました。科学者レオ・シラードは他の科学者の署名も集めて、日本への無警告の原爆投下をやめさせようとしました。しかし、「ヒロシマ」「ナガサキ」の惨劇は起きてしまいました。

『届かなかった手紙 原爆開発「マンハッタン計画」科学者たちの叫び』 大平一枝  KADOKAWA

アラン・チューリングの自死
 第2次大戦時、ドイツ軍の暗号システム「エニグマ」の解読にイギリスの数学者アラン・チューリング(1912~1954)が成功。その結果、イギリスはドイツに対して優位に立つことができました。戦後、暗号解読の事実は国家機密とされ、チューリングも監視対象にされました。彼は同性愛者であることを理由に逮捕され、獄中で自死しました。軍事研究の暗い側面を象徴する事件です。

映画「イミテーション・ゲーム」(モルテン・ティルドゥム監督)
チューリングによる「エニグマ」解読とその後を描いた作品です。
「イミテーション・ゲーム」公式サイト

 学術会議委員任命拒否事件の背景には、軍事研究を拡大推進したいという政府の思惑があるのでしょう。軍事研究の危険な姿を知る必要があると思います。


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