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日本人として日々の暮らしの中で思うこと、知りたかったこと

世界中で深刻なプラごみ問題 韓国ではごみ戦争の様相

2019-03-21 19:21:37 | トピックス
今年に入ってから「フィリピンに不法輸出された韓国発ゴミ5100トン、韓国に戻る」というニュースがあった。

詳しく言うと、昨年7月21日と10月20日に2度にわたって韓国発プラスチックゴミ6500トンが数十個のコンテナに入れられてフィリピンに運ばれ、このうち5100トンはフィリピン・ミンダナオ島のある廃棄物輸入業者所有の敷地に放置され、残りはミンダナオ島のあるターミナルに50個余りのコンテナに保管されたままフィリピン関税庁に押収された状態だったことに対し、フィリピン環境団体が立ち上がり、韓国産ゴミが韓国に送り返送されることになった」というニュースであった。

フィリピンの現地日刊紙「フィリピンスター」はフィリピン関税庁関係者がメディアに「関連手続きが順調に進められれば、昨年韓国ゴミが入った状態でフィリピンに入ってきたコンテナ51個が来週韓国に返送されるだろう」と話したと報じている。

実はコンテナを輸出した韓国-フィリピン合弁会社はコンテナの中身は合成プラスチックだと届けていたのだが、コンテナの中には使ったおむつやバッテリー、電球、電子製品、医療廃棄物などゴミが大量に入っていたため直ちに押収され、この事実は国際環境団体グリーンピースが不法輸出された韓国廃棄物がフィリピン現地に放置されている様子を公開して知られるようになったのだそうだ。

その後、フィリピン環境団体エコウェスト連合(EcoWaste Coalition)」は昨年11月15日に在フィリピン韓国大使館前でデモを開き、環境団体はプラスチックゴミの不法輸出を糾弾し、プラスチックゴミをクリスマス前に韓国に返送するよう要求し、フィリピン当局も韓国政府にゴミの回収を求めた、という経緯だったようだ。

引用;
https://japanese.joins.com/article/700/248700.html

この事態の背景には、昨年の春頃からの韓国での「ごみ戦争」があったのだ。

以下は、2018/4/8(日) 午後 3:52ヤフーブログに投稿した記事より。



日本やアメリカのごみを輸入している「リサイクルごみの輸入大国」になっていることで、自国の地域ごみの回収が滞るようになってしまっているという凄まじい現状を抱えているようなのだ。

日米からでるプラごみは、自国のプラごみよりも良質で、リサイクルして資源化しやすいために、韓国は大量に輸入し、一方では今までは自国のプラごみを中国に輸出してきたらしいのだが、中国が今年の1月から、韓国のプラごみの輸入を止めたことや、日米以外に、オランダや香港のプラごみまで輸入するようになったため、韓国国内にプラごみがたまる一方となっているそうなのだ。(朝鮮日報 2018/4/4記事より)

ありとあらゆる製品の原料である原油の輸入価格は変動することも多く、内需より輸出が主である韓国にとっては、プラごみのリサイクルは、重要な資源でもあるということだと思う。

しかし今、世界中でプラごみの問題が海洋汚染を引き起こす深刻な問題として注目されており、日本は特に以前から、海岸に他国から漂着する様々なごみで悩まされてきたのだが、米やカナダの海岸に日本のごみが漂着することもあるわけで。

「海汚すプラスチックごみ 国の危機感と対応は鈍い」(毎日新聞 2017・7・17)
https://mainichi.jp/articles/20170717/ddm/005/070/002000c

日本はどこの国よりも大量消費材として多くのプラごみやPETごみを出し続けていることも事実で、この問題には率先して取り組むべきではあろう。

当たり前のこととして、まず自分たちが出すごみはなるべく自分たちでリサイクル出来るように、プラごみそのものの排出量を減らしていくことから真剣に取り組むべきときが来ていると感じた。

それから、強度が変わらないもので、土に分解され易い環境に優しい材料の開発は日本の得意分野であるものの、コストが高くなるため、なかなかそうしたものに置き換えられないそうなのだ。コストを下げ、徐々にでも環境に優しい素材に置き換えれるよう、更なる研究開発に国が予算を投じて進めていくべきだと思う。




以下は、日本のリサイクルごみを隣国の韓国が輸入していることで起こっている、韓国のごみ問題を現地の新聞の日本語版からそのまま転載。

「世界からリサイクルごみのが流入する韓国」(朝鮮日報 2018/4/4)

今年1、2月は輸入が3倍に急増、輸出が65%のマイナスに、韓国はリサイクルごみの完全な輸入国に

今年1月以降、中国が廃プラスチックなどリサイクルごみの輸入を中断した影響で、日本や米国など各国のリサイクルごみが韓国に流れ込んでいることが分かった。

韓国環境部(省に相当)が3日に公表した資料によると、今年1-2月における韓国の廃プラスチック輸入量は1万1930トンで、昨年の同じ時期(3814トン)に比べ8116トン(213%)も急激に増加していた。これに対して輸出は昨年の3万542トンから今年は1万625トンと3分の1に急減した。

とりわけ中国向けの輸出は昨年1-2月の2万2097トンから今年は1774トンと92%の大幅なマイナスだった。これまで日本や米国などから中国に輸出されていた廃プラスチックなどのリサイクルごみが韓国に流れている影響で、韓国の輸入量全体は急激に増加している。昨年1-2月に日本から輸入された廃プラスチックは2468トンだったが、今年はその2倍近い4916トンに達した。また同じ時期における米国からの輸入量は昨年の69トンから今年はその29倍に相当する1977トンだった。

昨年まで韓国への輸出がほとんどなかったオランダや香港からもそれぞれ695トン、498トンが輸入された。韓国で発生した廃プラスチックの中国向け輸出がストップし国内ではだぶついているにもかかわらず、海外からの輸入が増えている理由は、海外の廃プラスチックが韓国のものよりも質が良いからだ。

あるリサイクル業者は「日本や米国、欧州諸国では包装紙などの質が改善され、製造段階からリサイクルが容易なプラスチック製品が多い」とした上で、韓国の輸入量が増加している理由について「プラスチックについたラベルも簡単に除去できるし、圧縮も簡単な材質なので、韓国で発生する廃プラスチックとは違って良質な上に、韓国の廃プラスチックとほぼ同じ価格で購入できるからだ」と説明した。

そのため一部のリサイクル業者は「韓国も中国のように海外からの廃棄物輸入を禁止すべきだ」などの声が出始めている。これに対して環境部は「業界関係者と協議し、韓国製リサイクル用廃棄物の使用を促すと同時に、ベトナムやフィリピンなど東南アジアへの輸出を拡大したい」とする一方「リサイクルごみの取引は国際的な貿易とも関係するので、輸入禁止といった極端な措置を取るのは難しい」と慎重な姿勢を示した。( キム・ヒョイン記者 )
  


こちらは「プラごみ」ではなく「ビニールごみ」問題
「ごみ回収問題、中国に責任転嫁する韓国環境部」(朝鮮日報 2018/4/4)

先月下旬に降ってわいた「廃ビニール回収中止」問題は、中国の廃資源輸入中止に端を発するものとされていたが、実際には韓国環境部(省に相当)の方針変更によるものだとリサイクル業界関係者が3日、主張した。

問題は、前政権が再生可能エネルギーとして積極的に導入した固形燃料が、今ではPM2.5などの粒子状物質を排出する「環境破壊の犯人」とされ、各家庭から出る廃ビニールが厄介者になっていることだ。

リサイクル業界関係者は「発電所などのSRF需要が減っている上、政府の取り締まりが強化されているので、廃ビニールを回収する理由がなくなった」と話した。今回の廃プラスチック回収中止問題は、廃ビニールから始まり、ペットボトルなどほかのプラスチック容器にも拡大している

これは、「廃棄プラスチック回収中止は中国の禁輸措置が主な理由だが、廃ビニールは中国にほとんど輸出されておらず、大部分が韓国国内で処理されているのに、環境部が中国のせいにしている」というものだ。韓国環境公団によると、全国の各家庭から出た廃ビニール(生活廃棄物)41万8000トン(2016年基準)の70%以上は固形燃料(SRF)に再生されて発電所などに販売され、残りはほとんどが国内で焼却・埋め立てされていたという。

全発生量の25%が中国に輸出される廃プラスチックとは処理経路が完全に異なるのだ。だが、13年に固形燃料の転落が始まった。資源循環社会経済研究所のホン・スヨル所長は「当時、政府が事業場の廃棄物から作った『非成形固形燃料』使用も許可したため、固形燃料に対する社会的認識が『ゴミを燃やすのと同じ』というように悪化した。これに原油価格の低下が相次ぎ、固形燃料の価格競争力も弱まり、固形燃料の需要そのものが減った」と話す。環境部の強力な取り締まりもSRF製造リサイクル業者を委縮させた。

リサイクル業者などによると、現在SRFメーカーは品質検査や製造施設検査など年間15回以上も検査を受けなければならないという。リサイクル業界関係者は「生活廃棄物に含まれているビニールだけでなく、事業所から出る廃ビニールもSRFに加工するよう許可しておきながら、以前に比べて8回以上も必須検査が増えた」と話した。複数の企業関係者では「ほかの汚染物質の排出業者は基準に一度違反すると改善命令を受けるが、SRF製造業者は1カ月間の休業となる『ワンストライクアウト制度』が適用されている」と話す。政府のこうした政策変更でSRF製造業者が経営難に直面しているということだ。

結局、前政権が「廃資源エネルギー化」を理由に奨励してきたSRF需要先が現政権になって急減、各家庭から排出される廃ビニール回収中止という事態にまでつながったと言える。各家庭の廃ビニールはSRFにリサイクルできない場合、焼却・埋め立てなどをして廃棄しなければならが、この過程でも環境汚染物質が発生する。

環境部関係者は「SRFを燃料として使っても、(廃ビニールを)焼却しても、汚染物質の排出基準は同じであるため、SRFが焼却よりも汚染物質を多く出すと見なすこともできない」と言った。このような構造的な問題のため、廃棄ビニール回収拒否問題はまた浮上するだろうとの指摘もある。環境部側は「SRF業界の窮状は十分分かっているが、SRF使用に伴う健康上の問題などを懸念する国民の声も大きい。今回の廃ビニール回収拒否問題を契機に、SRF事業を詳しく検討し、規制緩和などの支援策を話し合う」としている。(キム・ヒョイン記者)




「韓国、使い捨て製品使用が世界最高」・・・・「ごみ大乱」は繰り返される(朝鮮日報 2018・4・6)
使い捨てカップ510個、ビニール袋420枚、包装用プラスチック62キロ。韓国の国民1人が1年間に排出するリサイクルごみの量だ。使い捨てカップは全国で年間260億個も発生する。1人あたりのビニール袋使用は環境先進国のフィンランドの100倍、包装用プラスチックの使用は世界2位だ。恥ずかしくも世界最高水準だ。今回の「リサイクルごみ大乱」に対処する環境部の拙速・後手行政は必ず責任を問わなければならないほど情けないが、これをきっかけに韓国の日常の消費習慣も省みる必要がある。排出量を減らさなければゴミ大乱はいつでも再発する可能性があるからだ。

その間、我々は便利だという理由で使い捨て製品を無分別に使用してきた。都心では会社員がコーヒーが入った使い捨てカップを持ちながら歩く風景が普通になった。家庭では水道水は信じられず浄水器は洗浄が面倒という理由で、ペットボトルに入ったミネラルウォーターの定期配達を受ける。出前の飲食品はプラスチック容器に入れられ、ビニールに入った使い捨ての箸やスプーンとともに届く。マートや市場にはビニール袋が散在している。 先進国は使い捨て製品と戦っている。英国・デンマーク・スウェーデンなどはプラスチックとガラス瓶、缶などに保証金を賦課する案を導入することにした。フランスは2020年からプラスチックのカップと皿、ビニール袋など腐らない使い捨て製品を禁止することにした。欧州連合(EU)は2030年までにすべての使い捨て包装紙をリサイクル包装紙に変える方針だ。中国の廃棄物輸入禁止、原材料価格の下落などでリサイクル品の処理が難しくなっている。こうした状況でごみ大乱を防ぐには包装材・使い捨て製品の排出を減らすしかない。国民の消費文化改善を誘導する政策が急がれる。国民も資源の浪費を減らし、環境を改善できるのなら、生活の小さな不便は受け入れるしかない。 



お次は「古紙回収問題」のようです
「今度は古紙未回収問題?背景に日本などの良質輸入古紙人気」(朝鮮日報 2018/4/5)

廃ビニールや使用済みペットボトル、廃プラスチックなどのリサイクルごみ未回収問題が、今度は古紙にも飛び火する兆しが見え始めた。

リサイクルごみの回収・分離作業を行う各業者は4日、環境部(省に相当)が主催する対策会議に出席し「廃プラスチック同様、古紙も輸出量が減って輸入量が増えており、韓国で出る古紙の処理ができない状況だ」として「リサイクルごみの輸入に関する規制を強化すべきだ」と主張した。現在、古紙や廃プラスチックなどの輸入に関しては申告制で運営されており、規制がないため輸入業者が好きなだけ海外から搬入できる。

今年1月に中国がリサイクルごみの輸入を禁止して以降、韓国の古紙の輸出量は大幅に減少した。古紙の輸出量は昨年1-2月には10万8108トンだったが、今年は同じ期間に6万1172トンと44%も減少した。一方、中国の禁輸措置で行き場を失った日本・米国などの古紙が韓国に集まり始め、昨年1-2月に25万6679トンだった古紙輸入量は今年の同じ期間に27万7976トンへと増加した。このため(韓国国内の)古紙の価格が急落。昨年は首都圏で古紙の価格が1キロ130ウォン(約13円)だったのが、今年2月は123ウォン、3月には90ウォン(約9円)まで下がった。首都圏以外でも価格が4割近く急落した。

古紙回収業者は回収拒否もほのめかしている。あるリサイクル業者の関係者は「リサイクルペーパーを使用する製紙会社にとっては、先進国の良質の古紙を安価で購入できるため、韓国の古紙よりも輸入古紙の方が人気がある」として「韓国で出る古紙の需要が減少し、各業者とも500-1000トンほど滞留在庫を抱えている」と嘆いた。

環境部は古紙より廃プラスチック回収対策の方が急務との立場だ。環境部の関係者は「廃プラスチックは一部でタダで取り引きされるほど価格が急落しているが、古紙はそこまでではない」として「リサイクル業界で、ある程度自主的に流通させているものと把握している」と述べた。

一方、環境部は当初この日に予定していたリサイクルに関する中長期対策の発表を中止した。環境部側は、「中長期の対策よりも、リサイクルごみ回収現場の混乱を収拾する方が先だ」として「5日から緊急現場点検を実施し、回収を拒否している一部業者と話し合う予定」と説明した。




コメント


「人の振り見て我が振り直せ」という諺がありますね。

近所のVドラッグではいつも「ビニール袋は要りますか」とレジで訊かれ何も考えずに「はい」と答える自分がいて、あらためてビニール袋の使用を減少させる気持ちがなかった自分を反省します。

とてもいい話題を提供していただいていると思います。
2018/4/8(日) 午後 11:29 泉城


> 石田泉城さん
コメントを頂きありがとうございます。私も、ついエコバッグを持ち歩かずにレジ袋をもらっておりました。僅かなことでもやはり、出来ることから一人一人が心がけるべきですね。
2018/4/9(月) 午前 0:38 kamakuraboy

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3 コメント

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PEについて。 (jinsen99)
2019-03-23 12:51:07
そうなんです。
P・Eポリエチレンも高圧、中圧、低圧の物が有り圧が高い程、透明度が下がり薄く成り強度も下がります。
業界ではインフレチューブとも言います。
インフレ度が高くなるにつれ横強度が落ちます。
水物用には低圧で低密度で出した物を使います。
P・Eは可燃物扱いでOKです。

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おはようございます (kamakuraboy)
2019-03-23 10:14:32
Jinsen99さん
コメントをありがとうございます。いわゆる「レジ袋」の素材について詳しくは存じませんが、ビニールではなく、「プラごみ」として分別しております。っつまりPEが主体ということですね。
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ひとこと。 (jinsen99)
2019-03-22 19:03:14
元、塩化ビニール製品製造・販売業として一言申し上げます。
そもそも塩化ビニールは自消火性を持った製品ですから
文中に有るSRFには使えません。
レジ袋はP・E(ポリエチレン)が主体でビニールでは有りません。
一般的にはプラスティック類は1,800度以上の高温焼却で有害ガスは発生されないと証明されて名古屋市の焼却場は対応してます。
塩ビを含むプラスティック類を扱う業者は裁断・加工で出るスクラップは全て回収業者に売却し絶対にクズ扱いはしません。
回収業者は、それぞれの再生メーカーに売り再生生地・再生製品にして市場に流れてます。
一般では塩ビもポリ製品も区別が難しいせいも有りなんでもビニールと呼称されてます。
昔、ビニ本が流行ましたが正確にはポリ本です。
名古屋在住の泉城さんは、お解りの投票所に敷いて有るのが再生塩ビです。

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